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珍盤 ―4 4人の指揮者によるブルックナー全集

2019年4月15日(月)

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 以前に9つのオーケストラを一人の指揮者(ラファエル・クーベリック)が振るといったベートーヴェン交響曲全集があったが、これは逆に一つのオーケストラ(バイエルン放送交響楽団)を4人の指揮者でまかなうといったブルックナー交響曲全集がある。今朝NMLから配信された。
 その4人の指揮者というのが、ロリン・マゼール、マリス・ヤンソンス、ベルナルド・ハイティンク、ヘルベルト・ブロムシュテットといったいずれもブルックナー演奏に長け、定評のある指揮者ばかりというところにこの全集の価値がある。しかも1999年から2017年の18年以内に収録されたもので、その演奏時期もほぼ統一され、曲が違うので単純には比較できないが、それぞれの指揮ぶりが比べてみることが出来るのも魅力となっている。BR-Klassikレーベルだからなせる企画といえる。
d0170835_06594768.gif ということで、先日のマーラー全曲試聴につづき、今日はブルックナーの全曲連続演奏を聴くことになりそうだ。終演は夕刻5時ごろになりそうである。

聴き比べはのちほどに・・・


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バイエルン放送交響楽団 - Bavarian Radio Symphony Orchestra

交響曲第1番 ハ短調 WAB 101 (1877年リンツ稿・ノヴァーク版)
ロリン・マゼール(指揮)
録音: 22-23 January 1999, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany

交響曲第2番 ハ短調 WAB 102 (1877年稿・ノヴァーク版)
ロリン・マゼール (指揮)
録音: 27 January 1999, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany

交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1889年稿・ノヴァーク版)
マリス・ヤンソンス (指揮)
録音: 20-21 January 2005, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany
マリス・ヤンソンス (指揮)
録音: 26-28 November 2008, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany

交響曲第5番 変ロ長調 WAB 105 (1878年稿・ノヴァーク版)
ベルナルド・ハイティンクk (指揮)
録音: 12 February 2010, Philharmonie im Gasteig, München, Germany

交響曲第6番 イ長調 WAB 106 (1881年稿・ハース版)
ベルナルド・ハイティンク(指揮)
録音: 4-5 May 2017, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany

交響曲第7番 ホ長調 WAB 107 (1885年稿・ノヴァーク版)
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音: 4 November 2007, Großer Saal des Musikvereins, Vienna, Austria

交響曲第8番 ハ短調 WAB 108 (1890年稿・ノヴァーク版)
マリス・ヤンソンス(指揮)
録音: 13-18 November 2017, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany

交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
録音: 7-8 May 2009, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany


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by kirakuossan | 2019-04-15 06:42 | 注目盤◎ | Trackback

シノーポリのマーラー

2019年4月6日(土)

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 NMLの新着配信で久々にジュゼッペ・シノーポリが登場していた。マーラーの交響曲全集、「大地の歌」のみがシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏で、ほかはすべて当時の手兵フィルハーモニア管弦楽団とのものである。このディスクは主に1985年から94年にかけて録音されたもので、すでにNMLで以前より配信されていたが、どういうわけか今朝また新着タイトルとして紹介されている。






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指揮者100選☆54 シノーポリ



2014年10月9日(木)

指揮者界において1960年代から70年代にかけては、今から思えばひとつの世代交代の節目だったのではないか、と思われる。それは大指揮者たちを生んだ1900年代生まれが高齢になりつつあるなか、続く10年代生まれも中堅にさしかかって来る。ただそれに続く20年代生まれが、ピエール・ブーレーズ、ベルナルド・ハイティンクぐらいで比較的地味な指揮者が多く、全般的には不作ということもあって、飛んで次の30年代~40年代生まれの若手指揮者に次の期待がかかったのだろう。この当時、これからの新しい時代をになっていく期待の若手指揮者の名前がよく取りざたされた。今でもよく覚えているのが・・・
クラウディオ・アバド(伊, 1933~2014)小澤征爾(日本,1935~)ズービン・メータ(インド, 1936~)リッカルド・ムーティ(伊, 1941~)ジュゼッペ・シノーポリ(伊, 1946~2001)さらにもうひと世代若いリッカルド・シャイー(伊, 1953~)だった。ここで注目に値するのが、イタリア人指揮者が4人も占め、あとは東洋人が2人という顔ぶれである。このなかにドイツ人、フランス人指揮者が含まれていなかったことである。そしてこの6人の予想はいずれも的中したことになり、いずれも大指揮者の道を歩んだ。


d0170835_7574549.jpgd0170835_801870.jpgジュゼッペ・シノーポリ
Giuseppe Sinopoli、


(イタリア:1946~2001)

ユダヤ系イタリア人のシノーポリは指揮者であり作曲家でもあったが、少し変わり種で、同時に心理学と脳外科を学び、さらには考古学者でもあった。風貌からして、音楽家というよりは大学の研究者といった趣であった。そういった外見からのイメージもあってか、”異次元の世界に誘う”とかいって一種独特のカリスマ性を有し、また本人いわく「音楽は主観的でなければならない」と語り、異色の音楽解釈として捉えられた一面もある。~





ということで、久々にシノーポリを聴くことに。 
全集で唯一、1990年11月に東京池袋の芸術劇場における演奏会をライヴ収録した「嘆きの歌」も含まれている。


シェリル・ステューダー - Cheryl Studer (ソプラノ)
ワルトラウト・マイヤー - Waltraud Meier (メゾ・ソプラノ)
ライナー・ゴルトベルク - Reiner Goldberg (テノール)
トーマス・アレン - Thomas Allen (バリトン)
晋友会合唱団 - Shinyukai Choir
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestraジュ
ゼッペ・シノーポリ - Giuseppe Sinopoli (指揮)
録音: November 1990, Main Hall of Metropolitan Arts space, Tokyo, Japan



シノーポリは2001年4月20日、ベルリンで「アイーダ」を指揮中に突然の心臓発作で急逝した。享年55歳の若さであった。



by kirakuossan | 2019-04-06 07:31 | クラシック | Trackback

クラシック雑記帳 9 前半はマーラー、後半はブルックナー、全曲を通してはやはりベートーヴェン

2019年3月30日(土)

 交響曲作曲家として代表されるのが、やはりベートーヴェン、そしてブルックナー、マーラーの3人だろう。そして奇しくも3人とも9曲の大作を遺した。そのいずれもがそれぞれに特色を持ち、完成度が高いところも一致している。
 そこで、1番から9番まで、それぞれに順位をつけて整理してみた。多分に好みも入るが、そこはいつもの独断偏見で査定してみた。1位が3点、2位が2点、3位が1点とし、同点の場合は1位が2.5点、2位が1.5点、3位が0.5点とし、3者同順位はそれぞれ1.5点とした。

交響曲第1番
①マーラー3点、②ベートーヴェン2点、③ブルックナー1点
交響曲第2番
①マーラー3点、②ベートーヴェン2点、③ブルックナー1点
交響曲第3番
①ベートーヴェン3点、②マーラー2点、③ブルックナー1点
交響曲第4番
①ベートーヴェン1.5点、①マーラー1.5点、①ブルックナー1.5点

ここで中間順位は・・・
マーラー9.5点、ベートーヴェン8.5点、ブルックナー4.5点といったところか。
第4番は9曲の中の分岐点的にあたるが、これも偶然だが、それぞれ3人とも全曲を通して第4番が最も穏やかな曲調に仕上がっているといえるだろう。ベートーヴェンは「英雄」と「運命」にはさまれ、控え目な存在だが曲調の明るさは捨てがたい。マーラーは”天上の音楽”に仕上がっているし、どれも重厚・荘厳なブルックナーにしてもこの曲だけには「ロマンティック」とつけた標題からして柔和な印象を持つ。

交響曲第5番
①ベートーヴェン2.5点、①マーラー2.5点、③ブルックナー1点
交響曲第6番
①ベートーヴェン3点、②マーラー1.5点、②ブルックナー1.5点
交響曲第7番
①ベートーヴェン2.5点、①ブルックナー2.5点、③マーラー1点
交響曲第8番
①ブルックナー3点、②ベートーヴェン2点、③マーラー1点
交響曲第9番
①ベートーヴェン3点、②ブルックナー2点、③マーラー1点

 後半にかけてのベートーヴェンの充実度はピカ一、ブルックナーも終盤の7、8、9番の完成度はマーラーを凌ぐ。マーラーは7番以降から精神的な悩みも影響したのか、曲想が不透明になった。(それがまた素晴らしいと評価するマーラーファンも一方では存在するが・・・)
 以上の結果、単純に得点を合計すると・・・ベートーヴェン21.5点、マーラー16.5点、ブルックナー14.5点となった。前半はマーラー、後半はブルックナー、全曲を通してはやはりベートーヴェン、ということになるのか。



d0170835_19185698.jpg ところでなんでまた急にこんなことを思いついたかというと、今日また凄い演奏を聴いたから・・・。
 72歳のルーマニア人指揮者クリスティアン・マンデアルがイギリスのハレ管弦楽団を指揮したブルックナーの第9番。ルーマニアといえば唯一セルジュ・チェリビダッケが思い浮かぶが、マンデルは指揮法をそのチェリビダッケから学んだ。ハレ管弦楽団160年の歴史の中で初めての首席客演指揮者として迎えられたということもこの人の実力の証左だろう。長く東側諸国での活動であったため無名に近いマエストロであったが、ジョルジュ・エネスコ・フィルハーモニーの首席指揮者を務め、2009年日本公演で来日。さらに都響の指揮台にも立ち、日本でもようやくそのベールが解かれてきた。“ナンデアル?マンデアル”
 マンデアルのブルックナー、飾り気がなく素朴であるが、決めるところのこのド迫力には度肝を抜かれる。と同時に、改めて、ブルックナー交響曲の魅力を思い知らされることになる。
 また、1980年代半ばに、ルーマニアのオケか?全く知らないがクルジュ=ナポカ・フィル(現トランシルヴェニア国立フィル)との間でブルックナー交響曲全集を先に録音しているが、これがまた想像を絶するぐらい凄いらしい。残念ながらこれはNMLでは配信されていない。


ブルックナー:
交響曲第9番 ニ短調 WAB 109 (1894年初稿・ノヴァーク版)
ハレ管弦楽団 - Hallé Orchestra
クリスティアン・マンデアル - Cristian Mandeal (指揮)



by kirakuossan | 2019-03-30 17:03 | クラシック雑記帳 | Trackback

新盤☆秀盤 NO32 新鮮な8番と爽やかな6番

2019年3月29日(金)

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Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, "Pastoral"
Symphony No. 8 in F Major, Op. 93
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 - Vienna Philharmonic Orchestra
フィリップ・ジョルダン - Philippe Jordan (指揮)
録音: 17-18 May 2017, Goldener Saal, Musikverein Wien, Vienna, Austria



 今朝のNMLの新着タイトルでジョルダンの「田園」と8番が配信されていた。好きな指揮者で、若手ではもっとも有望と期待しているひとりのフィリップ・ジョルダンの、例のベートーヴェン交響曲シリーズの第4弾だ。
 第1弾(1番&3番)が2017年2月に、第2(2番&7番)と第3弾(4番&5番)が3月に、そしてこれが5月に録音されている。残すは第9番の第5弾ということになるが、これも近いうちに配信されることだろう。
 今朝聴いた第4弾。やはりこの演奏もあのジョルダンの溌剌とした指揮ぶりが目に浮かぶような愉しい一枚に仕上がっている。「田園」は期待に違わず、爽やかな朝を迎えるに相応しい演奏だし、この8番のなんと新鮮なことよ。さすがジョルダンと唸らせる。

 ただひとつ残念なのは、編集ミスがあって、ここでのオーケストラをウィーン・フィルハーモニー管弦楽団としてある。どう考えてもウィーン交響楽団の誤りで、こうした凡ミスは、ときおりNML配信でみられるあまりにもお粗末な大チョンボ。ジャケットの表記を見れば一目瞭然、ましてやこのCDを出しているレーベルがVienna Symphony Orchestraなのに...
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by kirakuossan | 2019-03-29 07:22 | 注目盤◎ | Trackback

久々にクリュイタンスの第九を聴く

2019年3月26日(火)

 さてさて今日はベートーヴェンの192回目の命日にあたる。なにか聴かないわけにはいかないだろう。
1957年から1960年にかけてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が初めてベートーヴェン交響曲全集の録音を行なった。この時の指揮者が当時の常任指揮者であったヘルベルト・フォン・カラヤンではなく、どういうわけかフランス系指揮者の印象が強いアンドレ・クリュイタンスであったことは有名。

このことは当ブログに以前にも書いたことがあるので、2012年4月8日の「指揮者100選☆28 クリュイタンス」の記事から抜粋を掲載。





アンドレ・クリュイタンス(André Cluytens, ベルギー、1905~1967)
ベルギーのアントウェルペン出身の名指揮者である。彼のことは巨匠と呼ぶより”名指揮者”と呼ぶ方が何故か相応しいように思う。1964年、日本を訪れ鮮烈な印象を残してくれた。これが最初で最後の来日であった。彼をてっきりフランス人と思いこんでいたが、実はベルギーの人なのだ。それはもともとフランス音楽に秀でたものがある上に、来日したオケがパリ音楽院管弦楽団であったということに起因しているのだろう。彼の、フォーレの「レクイエム」やビゼーの「アルルの女」などを聴いていると純粋のフランス音楽そのものである。イーゴリ・マルケヴィチがウクライナ生まれでスイスの指揮者であるのにフランスの匂いがするのと似ている。クリュイタンスという名、発音がしにくく覚えにくいが、”古いタンス”といって覚えたものだ。

1964年の大阪国際フェスティバル協会によるパリ音楽院管弦楽団との来日公演となる。4月27日午後1時20分、パリ音楽院管弦楽団ら一行105名はKLM特別機で羽田に到着、直ちに日航機にに乗り換えて大阪に向かった。公演は全部で5種類のプログラムからなり、4月28日から5月11日にかけて、初日から前半は大阪(フェスティバルホール)で、途中、福岡を挟んで後半は東京(東京文化会館)で、全部で11公演が行われた。ラヴェル/管弦楽曲集、ベルリオーズ/幻想交響曲、ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」、ブラームス/交響曲第4番などがメーンプログラム。この公演は歴史に残るもので、当時の日本のファンを魅了し「あまりの素晴らしさに、日本のオケに絶望すら感じさせる」とまで言わしめた。なおクリュイタンスの亡き後、パリ音楽院管弦楽団は発展的解散を遂げ、パリ管弦楽団へと改組された。



d0170835_16343482.jpgベートーヴェン:交響曲全集
グレ・ブロウェンスティーン(ソプラノ)
ケルステン・マイヤー(メゾ・ソプラノ)
ニコライ・ゲッダ(テナー)
フレデリック・ガスリー(バリトン)
ベルリン聖ヘドヴィヒ大聖堂合唱団
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アンドレ・クリュイタンス(指揮)
録音:1957~1960年(ベルリン、グリューネヴァルト教会)


この録音、2,4,6,8番の偶数番号が昔から人気が高く、特に第6番「田園」はワルター、ベームと並んで同曲屈指の名演として支持を受けている。確かにそうなんだが、今日、1番~7番まで聴いてみたが、3、5、7番も力強くメリハリが効いて、ベートーヴェンらしくスケールの大きな音楽を展開する。要するに全部良いのだ。カラヤン色に染まる以前のベルリン・フィルならではの音色を生かしきった素晴らしい演奏だと思う。以前からもそのことは分っていたが、今日また再認識した。(オケの違いもあろうが、やはりクリップスよりはだいぶ上だわ、これは・・・)それに50年以上も前の録音とはとても信じられない鮮明な音だ。これが実はベルリン・フィル初めてのベートーヴェン交響曲全集の録音で、フルトヴェングラーやカラヤンを差し置いてクリュイタンスが行った、ということは楽団からどれだけの評価と信頼を勝ち得ていたかが覗える。目を変えて見ると、ばりばりのドイツ人指揮者カール・シューリヒトがパリ音楽院管弦楽団とベートーヴェン全集を収録するかと思えば、片方ではフランスの色彩が強いクリュイタンスがばりばりのドイツのオーケストラのベルリン・フィルと全集を組むとはまことに面白い話だ。また、「田園」第4楽章でのコーダでのフルートの澄んだ旋律、また「英雄」第1楽章では 、冒頭の2回和音が響き、シンプルな第1主題はチェロにより提示され、tutti(全合奏)に至り、その後、下降動機のところでオーボエ、クラリネット、フルートが奏でられる。これらのフルートは当時ベルリン・フィルの首席フルート奏者を務め、59年まで在籍した名匠オーレル・ニコレが多分吹いているはずだ、・・・と想像するのも面白い。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

d0170835_16471217.jpgところでクリュイタンスは、実は1905年の今日26日に生まれている。これはちょうどいい。ということで、彼の指揮で第9番「合唱付き」を聴いてみる、と相成った次第。

ゆったり堂々とした演奏、やはりこれも名演です。しみじみそう思います。



by kirakuossan | 2019-03-26 16:13 | クラシック | Trackback

プレヴィン氏逝く

2019年3月3日(日)


 ピアニストで、ロンドン交響楽団の首席指揮者なども務めたアンドレ・プレヴィン氏が2月28日、ニューヨークの自宅で亡くなった。89歳だった。





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続・指揮者100選☆19 プレヴィン


2018年9月30日(土)

d0170835_16052350.jpgアンドレ・プレヴィン(André Previn, 1929~)はジャズピアニストのかたわらクラシック音楽や映画音楽も手掛ける作曲家、そして指揮者と多彩な音楽家である。ユダヤ系ドイツ人だがナチスを逃れ9歳で家族とともにアメリカにわたる。ジャズピアニストとしては10代のころから天才少年として活躍、のちに1959年よりクラシック指揮界入り、ピエール・モントゥーの下で指揮を学び、30代後半から主要な楽壇に立つ。ユニークな経歴から指揮において余技の一つかと思われたが、若くして名門オケの音楽監督に就くといった幸運にも恵まれ、活動の主体が指揮に傾注していく。
d0170835_16062827.jpg1967年、ジョン・バルビローリのあとを引き継ぎ、ヒューストン交響楽団音楽監督に就いた後、68年から79年までロンドン交響楽団首席指揮者に就くと、併行してアメリカでは76年から84年までピッツバーグ交響楽団首席指揮者、86年からロサンジェルス・フィルハーモニック音楽監督に。さらに同時にロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者を92年まで務め上げる。そして2002年、73歳でオスロ・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を引き受け、ユッカ=ペッカ・サラステに引き継ぐ2006年までその地位にあった。そして09年から3年間、N響の首席客演指揮者もこなす超多忙な活動を展開してきた。

☆演奏スタイル・・・彼のレパートリーは、後期ロマン派からモダンミュージックまでこなし、いずれの解釈も明解で美しい音楽を創り上げる。

☆録音・・・
ジャズのセンスもいかした点で、ガーシュウィンの音楽は彼にピッタリと合う。

Myライブラリーより・・・

d0170835_16192487.jpgガーシュウィン:
ラプソディ・イン・ブルー/パリのアメリカ人
/ピアノ協奏曲 ヘ調
アンドレ・プレヴィン - André Previn (ピアノ)
ピッツバーグ交響楽団 - Pittsburgh Symphony Orchestra
アンドレ・プレヴィン - André Previn (指揮)


by kirakuossan | 2019-03-03 14:59 | クラシック | Trackback

いかにもブーレーズといったコアな作品群を聴く

2019年1月5日(土)

 NMLではピエール・ブーレーズが指揮した11枚が新たに珍しく大量配信され、ライブラリーに加わっている。これはブーレーズが亡くなって今日でちょうど2年ということからなのだろう。
 それにしてもストラヴィンスキーを中心に自作曲も含め、いかにもブーレーズといったコアな作品群が並ぶ。オケも手兵のクリーヴランド管弦楽団以外に ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団とさすが超一流どころが揃い、聴きごたえ十分である。でもこれを聴きこなすには相当の覚悟がいるのも一方では事実であるけれども、せっかくの機会でもあるので今日は一度チャレンジしてみようと思う。
 で、まず比較的入りやすい音楽からということで、やはり「ペトルーシュカ」あたりからということになる。ただ生理的にどうしても受け付けないシマノフスキだけは最初からオミットしておこう。

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⊛ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」/「春の祭典」(クリーヴランド管)
⊛ストラヴィンスキー:歌曲集(ブリン=ジュルソン/シャーリー=クァーク/マレイ/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ブーレーズ:レポン/二つの影の対話(ダミアン/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲/詩篇交響曲/3楽章の交響曲(ベルリン・フィル)
⊛ストラヴィンスキー:幻想的スケルツォ/カンタータ「星の王」/交響詩「ナイチンゲールの歌」/組曲「兵士の物語」(クリーヴランド管)
⊛リゲティ:エチュード第1番「ハーモニー」/アヴァンチュール/3つの小品(コンタルスキー兄弟/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ラヴェル:シェエラザード/クープランの墓/ドビュッシー : フランソワ・ヴィヨンの3つのバラード/2つの舞曲(オッター/ハーグリー/クリーヴランド管)
⊛シマノフスキ:/ヴァイオリン協奏曲第1番/交響曲第3番「夜の歌」(テツラフ/ウィーン・フィル)
⊛マーラー:嘆きの歌/ベルク:歌劇「ルル」組曲(プロハスカ/レシュマン/ラーション/ウィーン・フィル)
⊛ヴァレーズ:アメリカ/アルカナ/砂漠/イオニザシオン(シカゴ響)
⊛ブーレーズ:デリーヴ II/二つの影の対話/メモリアル/アンテーム II(ダニエル&マイケル・バレンボイム/IRCAMライブ・エレクトロニクス・アンサンブル)



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d0170835_10295738.jpgブーレーズは70年大阪万博の時45歳で、ジョージ・セル率いるクリーヴランド管弦楽団に帯同来日しているが、当時は首席客演指揮者の地位にあったがまださほど有名ではなかった。セルがベートーヴェンの「英雄」モーツァルトの40番などを披露したが、そのときのブーレーズが指揮した演目は以下の通りで、当時から、いわゆる独自の世界を形成していた。なお彼は4年後の1974年9月にも、レナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルを率いて来日公演した時にも同楽団の常任指揮者として同行している。先輩バーンスタインがマーラー5番を興奮気味にぶちかましている横で、そのときにもキルクナーの「管弦楽の為の音楽」やウェーベルンの「管弦楽の為の6章」といった普段耳にすることがない珍しい楽曲を披露している。


1970年5月17日:フェスティバルホール
ワーグナー:パルシファル、第1幕への前奏曲
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番(VN/ダニエル・マジェスケ)
ドビュッシー:管弦楽の為の映像

1970年5月18日:フェスティバルホール&5月24日:東京文化会館
シューベルト:交響曲第2番
ドビュッシー:海
アイヴス:ニューイングラドの三つの場所
ストラヴィンスキー:火の鳥、組曲(1910)

by kirakuossan | 2019-01-05 08:58 | クラシック | Trackback

続・指揮者100選☆21 二人のメキシコ人指揮者バティス&マーター

2018年12月30日(日)

d0170835_20515826.jpg 指揮界では珍しいメキシコ人指揮者が二人いた。二人とも同じ1942年生まれの、エンリケ・バティスエドゥアルド・マータ(左)。互いにメキシコシティ出身で類似点が多いが、でも二人の音楽は全く対照的なものである。
 バティスは”爆演”指揮者として知られ、極彩色の音を聴かせる。一方のマータは、優雅で丁寧な洗練された演奏が持ち味である。
 また、バティスは早くからヨーローッパの作曲家の音楽を主に展開したのに対し、マータの若い頃は自国のオーケストラを中心に棒を振り、中南米音楽に熱心であった。レスピーギの「ローマの祭り」「ローマの松」を二人とも同じころ録音しており聴き比べてみるのも面白い。

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マータはのちにアメリカに渡り、フェニックス交響楽団の首席客演を皮切りに、1977年から1993年までダラス交響楽団を率い、シカゴ交響楽団やヨーローッパのロンドン交響楽団、ベルリン・フィルと幅広く活動の場を広げていった。そしていよいよ本格的に大成しようとした矢先、グイド・カンテッリやイシュトヴァン・ケルテスと同じ悲運が待ち受けていた。1995年、不幸にも飛行機事故にあい、52歳でこの世を去ってしまった。
 一方、バティスはメキシコ州立交響楽団の音楽監督、メキシコ・シティ・フィル音楽監督、ロイヤル・フィル主席客演指揮者などを歴任し、今年76歳でますます意気盛ん、日本での評価は、決して器用とは言えないが、歳を経てきて、”爆演”だけでなくハートのある演奏をすることで人気がある。



レスピーギ:
交響詩「ローマの祭り」 P. 157

ダラス交響楽団 - Dallas Symphony Orchestra
(録音: 1993)

ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 - Royal Philharmonic Orchestra
(録音:1991)




by kirakuossan | 2018-12-30 20:22 | 続・指揮者100選 | Trackback

「100巻からもれた作曲家たち」 その18 ヒンデミット

2018年12月28日(金)

朝7時に湯治場で二流のオーケストラによって初見で演奏された「さまよえるオランダ人」序曲
 クラシック音楽の作品は無数にあれど、これだけ奇妙な表題の付いた音楽も珍しい。NMLでは、午前7時に村の井戸端で 二流楽団が初見で演奏する「さまよえるオランダ人」序曲と紹介されているが、題名の通り、ワーグナーの歌劇「さまよえるオランダ人」序曲を下敷きとした、いわゆるパロディ風序曲。通常、他の芸術作品を揶揄や風刺、あるいは批判する目的を持って模倣したものをパロディと称するが、これは作曲家パウル・ヒンデミット(1895~1963 ドイツ)がワーグナーに敬意を表しつつも、真剣に冗談を愉しんだ作品である。
d0170835_18575596.jpg 演奏は2本のヴァイオリンと、チェロ、そしてヴィオラといった四重奏編成だが、ヒンデミットはオーケストラを構成するほぼすべての楽器のためのソナタを数多く作曲した。なかでも自らが奏者ということもあってヴィオラを独奏楽器として頻繁に採用し、いくつかのヴィオラ・ソナタは彼の代表作とされる。
そもそも、交響曲「画家マティス」一曲で知られるヒンデミットはロマン派からの脱却を目指して新即物主義を推進した作曲家とされ、難しさの印象が先に立ち、どことなくとっつきが悪かったが、いくつかの作品を実際に聴いてみると、バッハの対位法を好んだとあって思うほどに退屈さは感じさせない。
なおヒンデミットは指揮者でもあり、モーツァルト生誕200年の1956年4月、ウィーン・フィルが初来日した際の帯同指揮者として日本の土を踏んでいる。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
パウル・ヒンデミット(指揮)
(録音: 1934, Berlin, Germany)





午前7時に村の井戸端で 二流楽団が初見で演奏する「さまよえるオランダ人」序曲
Ouverture zum Fliegenden Holländer, wie sie eine schlechte Kurkapelle morgens um 7 am Brunnen vom Blatt spielt
Thomas Timm (ヴァイオリン)
Romano Tommasini (ヴァイオリン)
Wolfgang Talirz (ヴィオラ)
Tatjana Vassiljeva (チェロ)


今日12月28日は彼の55回目の命日である。

by kirakuossan | 2018-12-28 18:48 | 100巻からもれた作曲家たち | Trackback

クラシック雑記帳 4 指揮台で足踏みする音がはっきりドーンドーンと響いて

2018年12月20日(木)

 名指揮者カール・シューリヒト(1880~1967)は専属や常任のオーケストラをとくにもたなかったが、最晩年になって数多くの著名なオーケストラを指揮した。以前から好きな指揮者の一人で、彼の演奏するディスクを見つけるとCD,レコードを問わず熱心に買い集めて来た。そんなことで昨日も2枚のレコードをゲットしたのだが、昨夜コンサートホールソサエティ盤のワーグナーを聴いたが、実はもう一枚のレコードの方もこれがさらなる掘り出し物だった。
 そもそも1956年1月、ウィーン・フィルが初の米国演奏旅行を計画、最初これに同行するはずだったエーリヒ・クライバー(カルロス・クライバーの父)が急逝したため、急遽、シューリヒトに白羽の矢が立った。日頃からウィーン・フィルの楽員たちから尊敬の念を抱かれていたシューリヒトはこのときすでに76歳を迎えていた。人の運命は分らないもので、この米国遠征を大成功に導いたおかげで、その2年後に今度は大規模なヨーロッパツアーを敢行、これによりシューリヒトは大指揮者の地位を不動のものにした。
 だからシューリヒトは70歳代半ばから亡くなるまでの10年あまりの間に今まで以上に多くの録音を遺した。ただ残念なことに、ステレオ録音が始まったというものの、多くはまだmono録音が主流であった。
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 以前にCDで聴いたものと同じ演奏かどうかは定かではないが、昨日150円で手に入れた「序曲集」のなかで、ウエーバーの「オベロン」や「オイリアンテ」、それにメンデルスゾーンの「ルイブラス」などは確か、1960年代前半なのにmono録音だったよいうに思う。ところがこのレコードは1962年9月、南西ドイツ放送交響楽団と共演したものでステレオ録音、しかも雑音もなく鮮明な音質ときている。
 そしてもうひとつ驚いたのは、「ルイ・ブラス」の終りの盛り上がる場面で、指揮台のうえでシューリヒトが足踏みする音がはっきりとドーンドーンと響いて聴こえ、レコードならではの迫力を感じさせる貴重な一枚となった。



by kirakuossan | 2018-12-20 11:14 | クラシック雑記帳 | Trackback