ホンマ!気楽おっさんの蓼科偶感

タグ:交響曲 ( 195 ) タグの人気記事

マゼールのあの夜を懐かしく思い起こしながら・・・

2018年5月31日(木)

ロリン・マゼールが手兵ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を引きつれて最後の来日を果たしたのが2013年春であった。ちょうどフェスティバルホールが改装になったその年にやってきた。早いものでもうあれから丸5年の月日が経った。
d0170835_003989.jpg
2013年4月16日、3階席の真新しい椅子に座り酔いしれたのは、ブルックナーの交響曲第3番二短調(1889年第3稿 ノーヴァク版)であった。大熱演で終わったのは9時43分、まさか今日は遅いのでアンコールはないだろうと思っていたらニュルンベルクをやった。これだけでも10分ほどある。83歳のマゼールにはきつかったはずだが、過去から何度もやって来た大阪公演だけに一層の思い入れがあったのだろう。ファンに大サービスをしてくれたマゼールはそれから1年後の夏に突然帰らぬ人となった。あれだけ元気だったのに。
d0170835_21230652.jpg

昨夜訪れたフェスティバルホールの入口には「新装5周年」とあった。その横には、ロンドン響、ウィーン・フィルらと並んで今秋来日するゲルギエフとミュンヘンのポスターがかかってあった。
2015年からミュンヘン・フィルの首席に就いた ヴァレリー・ゲルギエフ、彼の指揮する、同じブルックナーの第3番をいま聴いている。マゼールのあの夜を懐かしく思い起こしながら・・・


ブルックナー:
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)
録音: 25 September 2017, Stiftsbasilika St. Florian, Austria
(本日、NMLの新着タイトルで配信)


d0170835_21571147.jpgそしてマゼールの演奏はないかと探せば、ミュンヘンではなかったが、これも今秋聴きに行くことにしているバイエルン放送響のものがあった。さっそく続けて聴くことに。

交響曲第3番 ニ短調 WAB 103 (1889年稿・ノヴァーク版)
バイエルン放送交響楽団
ロリン・マゼール(指揮)
録音:1999年1月

by kirakuossan | 2018-05-31 21:23 | クラシック | Trackback

朝の一曲 51 アバドの英雄

2018年5月26日(土)

d0170835_9312123.gifd0170835_10244306.jpg
なにを思ったか、久々にアバドを引っ張り出して聴いてみる。これほどまでに鮮明だったかな?と再認識したりする。アバド52歳、元気溌剌のウィーン・フィルを振っての「英雄」は名演とされている。正直今までそこまでは思わなかったが、こうしてなんの心の準備もせずに聴いてみると、すっと心地よく入ってくる。やっぱしこれは名演奏だったのだ。
こうなると、彼がその15年後に、今度はベルリン・フィルと共演した演奏が聴きたくなった。で、こちらはNMLで続けて聴いてみたりしている。出だしのあの和音からして違う。後の方は人生を経て丸みを帯びているのがこの2音だけでわかる。でも僕は若い方のこちらの演奏の方が好きだ。


ベートーヴェン:
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団クラウディオ・アバド(指揮)1985年5月、ウィーン、ムジークフェラインザール

交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」 Op. 55
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 - Berlin Philharmonic Orchestraクラウディオ・アバド - Claudio Abbado (指揮)録音: March 2000, Grosser Saal, Berlin Philharmonie, Germany


by kirakuossan | 2018-05-26 10:18 | myライブラリー | Trackback

バイエルン放送響のマーラー7番が聴ける

2018年5月20日(日)

2013年はミュンヘン・フィル(4月)チェコ・フィル(10月)パリ管(11月)ウィーン・フィル(11月)
2014年はゲヴァントハウス管(3月)イスラエル・フィル(11月)
2015年はベルリン放送響(3月)モスクワ・フィル(5月)フランクフルト響(11月)
2016年はフィラデルフィア管(6月)サンフランシスコ響(11月)
2017年はハンブルグ響(3月)フィルハーモニア管(5月)ウィーン響(11月)
ということで毎年海外の著名オケの演奏会を最低でも2度は聴いて来た。ところが今年は3月にニューヨーク・フィルを聴いただけで、ほかに予定がなかった。どうしたもんかな、と思っていた矢先、今日蓼科から帰ってきた直後に、庵原氏からバイエルン放送交響楽団演奏会の誘いを受けた。このオーケストラも一度は聴いておく必要があると思っていただけにちょうどいい機会だ。

d0170835_20342826.jpg

11月の来日公演、指揮者は2003年から同楽団の首席の地位にあるマリス・ヤンソンス、演目も渋いところでマーラーの第7番「夜の歌」ということで申し分ない。マーラーの7番は4年前にリッカルド・シャイーの指揮でライプツィヒ・ゲヴァントハウス管で耳にし記憶の新しいところである。はたしてバイエルンはどんな響きを聴かせてくれるのだろう。今から大いに愉しみである。


マーラー:
バイエルン放送交響楽団 - Bavarian Radio Symphony Orchestra
マリス・ヤンソンス - Mariss Jansons (指揮)
録音: 5-9 March 2007, Live recording, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany




ところで今回バイエルンを聴ければ、昔、クリーヴランド管やコンセルトヘボウ、レニングラード・フィルも聴いたし。これでほとんどを網羅したことになる。あとどうしても聴きたいオーケストラといえば、いまだ一度も耳にしたことのないイギリスの名門ロンドン交響楽団、アメリカのボストン交響楽団とシカゴ交響楽団、それにBBC響・・・ぐらいか。それと、あとペトレンコのベルリン・フィルは是非一度は聴いておきたい。(なにせベルリン・フィルを聴いたのは40年以上前のカラヤンのベートーヴェンが一度だけなのだから)



by kirakuossan | 2018-05-20 19:56 | クラシック | Trackback

unCLASSIFIED

2018年5月3日(木)


選考を任されたザンデルリンクがもうひとりの選考委員ノリントンに言った。
「アーベントロート翁の推薦もあったから1番と2番をミュラー=ブリュールという男に任すことにしたよ」
「はい、わたしもよく知りませんが手堅いらしいですね」
そして言った。
「ノリントン君、君には4番をたのむよ、僕は6番に回るから」
「えッ!? 先生が6番だって、意外だなあ、てっきり3番か5番かと思いました」
「いやそれでいいんだ、意外性が面白いんだよ、きみ」
「なるほど」
ノリントンが続けた。
「じゃあ3番と5番をドホナーニ先輩にお願いしますよ」
「それでいいんだ」
「ところで、少し気難しいギーレンだが、彼には7番を頼んだよ」
「あの人、受けました?」
「そら、受けるよ。渋い7番って、彼にもってこいだよ」
さらにザンデルリンクが、
「今回若手をひとり選んだが、イラン人のラハバリ君だ、彼には8番がいいだろう、ちょっと若々しくて青そうで」
「はい、ごもっともです」
「それじゃ、やはり〆はブロムシュテットさんですね」
「まあ、そうじゃろ、このメンバーでは」

ということで、無事、ベートーヴェンの9曲の指揮担当が決まりました。
(打順じゃなかった)


9曲が指揮者、オーケストラがばらばらに組み合わされた交響曲全集というのは珍しい。レーベルがunCLASSIFIED、まさに”分類されていない”全集だ。今朝、NMLで他の曲と合わせてたくさん新着タイトルで登場していた。


指揮者▼
ヘルムート・ミュラー=ブリュール(1939~2012)1番&2番
クリストフ・フォン・ドホナーニ(1929~)3番&5番
クルト・ザンデルリンク(1912~2011) 6番
ミヒャエル・ギーレン(1927~)7番
ロジャー・ノリントン(1934~)4番
アレクサンダー・ラハバリ(1948~)8番
ヘルベルト・ブロムシュテット(1927~)9番

オーケストラ▼
ケルン室内管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、シュトゥットガルト放送交響楽団、西ドイツ放送交響楽団、バーデン・バーデン&フライブルク南西ドイツ放送交響楽団、ベルギー放送フィルハーモニー管弦楽団、シュターツカペレ・ドレスデン

d0170835_09182503.gif


by kirakuossan | 2018-05-03 09:15 | クラシック | Trackback

ビルロートとブラームス

2018年4月26日(木)

d0170835_07375840.jpg
オーストリア南部のケルンテン州にあるヴェルター湖は避暑地として知られる。ちょうど諏訪湖をひと回り大きくしたほどの広さであるが、その南岸にマーラーが交響曲第5番や「亡き子をしのぶ歌」を作曲したマイアーニックがある。そして北岸にはペルチャッハと呼ばれる寒村があって、ブラームスが交響曲第2番を作曲した場所として知られる。

d0170835_08124722.jpgd0170835_08251935.jpg「この曲はすべてが青い空、川のせせらぎ、太陽の光と涼しい森の木陰だ。ペルチャッハとはどれほど美しいところだろう」とブラームスの4歳年上の親友テオドール・ビルロート(1829~1894)が語っている。彼は胃癌切除手術に世界で初めて成功した名高い外科医でもあった。189年前の今日生まれている。

1878年、ビルロートとブラームスはイタリア旅行をした。以後二人は1882年までに3回も一緒にイタリアに旅行するほどの親しさだった。
ブラームスは彼に自らの作品、弦楽四重奏曲第1番と第2番を献呈している。
どちらがブラームス? ふたりはよく似ている。



by kirakuossan | 2018-04-26 07:16 | クラシック | Trackback

週末の価値ある配信

2018年3月31日(土)

d0170835_07044124.jpg

2018年度も今日が最終日。NMLの新着配信、土、日曜日にはないことがほとんどだが、今日は価値あるアルバムが一つ配信されていた。ブーレーズのマーラー全集だ。
ピエール・ブーレーズ(1925~2016)は、何といっても1963年にフランス国立管弦楽団との「春の祭典」で鮮烈なデビューをした印象が強いが、もともとはヴェーベルンやシェーンベルクなどの音楽に端発し、自らも現代音楽作曲家として活動するなど、正直、ロマン派や古典派の音楽を熱心に聴く我々にはもうひとつ馴染めない存在だった。せめて近寄れるとすればドビュッシーぐらいであった。(これすらいまだに馴染めない難しい音楽ではあるが)彼はストラヴィンスキー音楽の再評価に努めたことでも知られ、d0170835_08131225.jpg1969年には再度、翌70年から3年間、ジョージ・セルをサポートするかたちで音楽顧問をつとめることになったクリーヴランド管弦楽団を指揮して2枚目の「春の祭典」を出している。どういうわけかこのレコードを手に入れ、初めてストラヴィンスキーの音楽と出会い、少なからずカルチャーショックを受けたものである。

指揮者としては1971年からはBBC交響楽団首席指揮者とニューヨーク・フィルハーモニック音楽監督を兼ねたこともあって、アメリカかイギリスの人と思いがちであるが、フランス人である。その彼が、69歳から晩年にかけて意欲的にマーラーの交響曲を録音した。それをまとめたのがこのDeutsche Grammophonから出ているものだが、ここでのオーケストラがまた魅力的なのである。第4番や第7番などはクリーヴランド管弦楽団と、第1番と第9番はシカゴ交響楽団と、そして第2番、第3番、第5番、第6番や「大地の歌」などはウィーン・フィルハーモニー管弦楽団と、さらには第8番ではシュターツカペレ・ベルリンが出てくる。この「千人の交響曲」が2007年、ブーレーズ82歳の最晩年の録音となり、マーラー交響曲全集は完結した。こうしていくつかの一流オーケストラの音色を聴き比べられるのもこの全集の楽しみである。
これは週末に楽しみが増えたというものだ。


マーラー:
クリーヴランド管弦楽団
シカゴ交響楽団
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
シュターツカペレ・ベルリン
ピエール・ブーレーズ (指揮)
録音:1994~2007

ストラヴィンスキー:
フランス国立管弦楽団
ピエール・ブーレーズ (指揮)
録音: 18 June 1963



by kirakuossan | 2018-03-31 07:05 | クラシック | Trackback

第九伝説 その8 ヴォーン・ウィリアムズの9番

2018年3月2日(金)

何度も書くが、クラシック音楽界の七不思議のひとつとして、どういうわけか音楽の世界でも先進国であったイギリスから、ベートーヴェンやモーツァルト級の大作曲家が誕生しなかった。その中ではエドワード・エルガーが最も優れたイギリス人作曲家として評価されるだろう。彼の「エニグマ変奏曲」を最近愛聴しているが、知的で、洒落ていて、何よりも独創性に富んでいる。ちょうど居間でエルガーがピアノで奏でる旋律を聴いていて、奥さんが大変気に入り、それがきっかけとなって生まれた作品だが、正直最初のうちは、代表作の「威風堂々」や「愛の挨拶」と比べて、難しい印象を持った。でも聴けば聴くほどに味わいが出てくるのがこの”謎”の変奏曲である。(エニグマとは「謎」の意)
あっ、そう、ここではエルガーの話でなかった。

d0170835_18560462.jpg
⁅第九伝説 その8⁆


レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958) は、イギリスの作曲家である。最大の代表作は管弦楽曲「グリーンスリーヴスによる幻想曲」を置いて他にない、といったら言い過ぎだろうか。実は交響曲を9曲も書いたのに、これら全部をあわせても、この4、5分足らずの「グリーンスリーヴス」の人気にはかなわないのである。
交響曲を最初に書いたのが、1910年に完成した「海の交響曲」で、はじめ管弦楽曲とされたが、これを第1番と呼ぶようになった。そして1912年から13年、40歳になってから第2番「ロンドン交響曲」を書き、1918年から21年にかけて書いた第3番「田園交響曲」、以降、20年余の間に第4番から第8番までを完成させ、交響曲第9番ホ短調を書き上げたのは1957年、すでに85歳の年齢に達していた。
彼の作品には、声楽が出てくるのが多い。「海の交響曲」は大編成だし、「田園交響曲」そして第7番、これも本来は番号をつけずに「南極交響曲」と呼ぶべき作品だが、これにも合唱やソプラノが登場する。
あるイギリスの音楽評論家がヴォーン・ウィリアムズの音楽を評して「聴いていて非常に古い音楽なのか非常に新しい音楽なのか分からなくなる」といったそうだが、まさにポイントをついた指摘である。というより、単刀直入に言えば、とりとめがないと言おうか、つかみどころがないと言おうか・・・そんな音楽である。9番もさることながら、声楽つきの「海の交響曲」や「南極交響曲」などにおいてもそうである。

d0170835_19451965.jpg交響曲第9番ホ短調の初演がマルコム・サージェント指揮のロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団で、完成の翌年である1958年4月2日にロンドンで行われた。そして、僅か4か月半後にヴォーン・ウィリアムズは帰らぬ人となった。彼もまた、9番が最後の交響曲となった。



詩人で小説家のアーシュラ・ヴォーン・ウィリアムズは2番目の妻であり、夫の伝記を記した。




レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ :
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 - London Philharmonic Orchestra
エイドリアン・ボールト - Adrian Boult (指揮)
録音: August 1958, Walthamstow Assembly Hall, London, UK


「グリーンスリーヴス」による幻想曲
アカデミー室内管弦楽団 - Academy of St. Martin in the Fields Orchestra
ネヴィル・マリナー - Neville Marriner (指揮)



by kirakuossan | 2018-03-02 17:38 | クラシック | Trackback

朝の一曲 50 イッセルシュテットの8番

2018年2月26日(月)


d0170835_9312123.gifd0170835_06595638.jpgベートーヴェン:
交響曲第8番ヘ長調
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団



「音楽に仕える使徒として、それぞれの音楽のもつ美しさ、その本質をそこなうことなく、これを忠実に表現すること、わたしには、これしかできないし、また、これこそは、指揮者としての正しい道だと信じています」

短いコーヒー・ブレイクの間に、シュミット・イッセルシュテットさんは、謙虚に、しかも、自信にみちて、こう語った。1973年5月28日、シュミット・イッセルシュテットさんは、ハンブルクで亡くなった。
ライナーノーツで評論家の津守健二氏がこう紹介している。

ところで今朝のコーヒーは、京都・北白川ワールドコーヒーの「うまいコーヒーの指定席」.

by kirakuossan | 2018-02-26 06:54 | myライブラリー | Trackback

イッセルシュテットのベートーヴェン5番

2018年2月25日(日)

ときおり出してみてはじっくりと聴いてみる。ベートーヴェンの演奏は古今東西、山ほどあるが、ただ意外なのは、度肝を抜かれるような演奏にはそうはお目にはかかれないということだ。例のカルロス・クライバーは別格として、カラヤンだって、バーンスタインだって、あるいはベームにしたってまあ言ってみれば想定内の演奏であって、ベートーヴェンの真髄にどこまで触れているかは定かではない。その点、人気先行よりも地道で確かなタクトさばきに定評のある指揮者に度肝を抜かれることはときおりあるものだ。それはアンドレ・クリュイタンスとベルリン・フィル、あるいはカール・シューリヒトとパリ管ぐらいもので極限られるのである。そのなかでもうひとつ、ウィーン・フィルハーモニーをドイツ人指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットが振った演奏は、まさに王道を行く、ベートーヴェン中のベートーヴェンといったことが言えるだろう。よく彼の演奏で、ベートーヴェン交響曲第8番は昔から定評のあるところだし、第9番も名盤に挙げられることもある。もうひとつ、第5番「運命」が、これまた凄い演奏なのである。
d0170835_16030668.jpg
<第5>と<第9>はいずれもS・イッセルシュテットとウィーン・フィルハーモニーがその実力を最大限に発揮した名演奏ですが、特に<第5>はものの見事といえましょう。どこにも力みや奇策が感じられないのに、堂々たる恰幅の良さと気魄の激しさが全曲を貫いて、何よりもベートーヴェンの<第5交響曲>を心ゆくまで堪能できるのです。演奏者の存在を忘れさせて聴く者を作品と結びつける、これこそ演奏家の理想ではないでしょうか。

と、あの宇野功芳先生が仰るのだから間違いないのだろう。そして興にまかせて・・・

ウィーン・フィルハーモニーは練習が大きらいです。あまり練習しすぎると演奏が固くなり、本番での生きた即興がでにくくなるからですが、<第5>においても整然たるアンサンブルや細部の緻密な表情ではアメリカあたりのオーケストラにはかなわないでしょう。しかしこうしたゆとりが大人の演奏を生む原因となるのを忘れてはなりません。

最後は、久々の”宇野節”ですが、(まさか「運命」を即興でもないだろうに・・・)
いや確かに、ついつい我を忘れて聴き込んでしまうそんな凄い演奏ではある。




ベートーヴェン:
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 - Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・シュミット=イッセルシュテット - Hans Schmidt-Isserstedt (指揮)




.
どうも宇野先生だけでは信用できないので・・・失礼、それで権威ある方の評も付け加えておくことにした。

激しい熱気を漲らせるというよりも整理整頓したもので、常に温和な格調を保っている。そのしっかりとした重い厚い響きなどは、いかにもドイツの主流をゆく指揮者といった感じを与える。
(音楽評論家:門馬直美)



by kirakuossan | 2018-02-25 15:06 | myライブラリー | Trackback

第九伝説 その7 モーツァルトの9番

2018年2月23日(金)

d0170835_17290026.jpg1631年→1639年→1761年→1769年→1874年→1882年→2004年→2012年→2117年→2125年・・・
これには一つの法則がある。金星が太陽面を黒い円形のシルエットとして通過していくように見える「金星の太陽面通過」の周期で、8年→105.5年→8年→121.5年→8年→の変則な間隔で発生する極めて稀な天文現象の発生する年である。
モーツァルトは幼いころ、この珍現象を2度体験している。5歳だった1761年と8年後の13歳になった1769年であるが、この1769年に父に連れられ最初のイタリア旅行に出かけた。ミラノ、ボローニャ、ローマを巡回し、ボローニャでは作曲家で教師でもあったジョバンニ・バッティスタ・マルティーニ神父に対位法やポリフォニーの技法を学んでいる。そしてこの旅行出発前にザルツブルグで、はや9番目の交響曲を書き上げている。
モーツァルトはこの珍現象を知っていたかどうかはもちろん知る由もないが、この年は何かと出来事があった。イギリスでジェームズ・ワットが蒸気機関を開発し、ナポレオン・ボナパルトがフランスに帝政を敷いた。

d0170835_17522054.jpg

⁅第九伝説 その7⁆

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~1791)は1764年に8歳で最初の第1番の交響曲を書いた。その後番号が付されているのだけでも第41番まであって、一般的には全部で41曲と思いがちだが、実は番号なしの作品もあったり、中には明らかに偽作と思われるのも一部含まれていて、正式な数を決めるのはなかなかやっかいな問題なのである。ところで、1番に続く交響曲第2番 変ロ長調、交響曲第3番 変ホ長調がさっそくだが偽作とされている。2番は父レオポルトの作というのが今では有力で、3番に至ってはカール・フリードリヒ・アーベルの作品であることが判明している。
また後期の作品で、第36番「リンツ」と第38番「プラハ」は有名だが、その間の第37番が存在しないことに気付く。これも以前は交響曲第37番 ト長調として挙げられていたが、後に、ハイドンの弟ヨハン・ミヒャエル・ハイドンの交響曲第25番 ト長調をモーツァルトが一部加筆したもの判明した。以上これだけで見ても41番までの中に3曲が除かれ、全38曲ということになるが、一方で、番号なしの交響曲が多数ある。ケッヘル番号を辿ってざっと数えても30曲はゆうに越える。またその中にも多数の偽作らしきものが含まれているから話はさらにややこしい。結局のところ正解は、モーツァルト本人しかわからないのである。
ところで交響曲第9番 ハ長調 K. 73、曲中にイタリア風序曲の要素が織り込まれているところから、イタリア旅行から帰ってから作曲したという説もある。ただいずれにしても先の偽作2曲を省いて、実際はこの交響曲が第7番にあたるというのが正しいのかも知れない。そうこうしているうちに第11番 ニ長調 K. 84まで偽作(父レオポルト)という説が上がり出し、もう収拾がつかないのである。だから、今まで書いて来た他の作曲家たちの特別の意味を持つ第9番とは異なり、モーツァルトには持つ番号にあまり意味はないのである。




モーツァルト:
交響曲第9番 ハ長調 K. 73
アカデミー室内管弦楽団 - Academy of St. Martin in the Fields Orchestra
ネヴィル・マリナー - Neville Marriner (指揮)

.

by kirakuossan | 2018-02-23 16:49 | クラシック | Trackback

信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。


by kirakuossan

プロフィールを見る

日経
信濃毎日
京都
中日
産経
ITmedia
JP
47NEWS
WORLD CLOCK
radiko



exciteCounter

カテゴリ

タグ

記事ランキング

以前の記事

フォロー中のブログ

ブログジャンル