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☆秀盤 -44 珍しい間奏曲を揃えた珍しい一枚

2019年2月8日(金)


Orchestral Music (Italian) -
CILEA, F. / PUCCINI, G. / CATALANI, A. / GIORDANO, U. / PONCHIELLI, A.


d0170835_08015041.jpg・チレア:歌劇『アドリアーナ・ルクヴルール』より第2幕間奏曲
・プッチーニ:歌劇『マノン・レスコー』より第3幕間奏曲
・カタラーニ:歌劇『ローレライ』より水の精の踊り
・プッチーニ:歌劇『修道女アンジェリカ』より間奏曲
・ジョルダーノ:歌劇『シベリア』より第2幕への前奏曲
・ポンキエッリ:歌劇『ジョコンダ』より「時の踊り」
・マスカーニ:歌劇『友人フリッツ』より間奏曲
・ヴェルディ:歌劇『椿姫』より第3幕への前奏曲
・プッチーニ:歌劇『エドガール』より第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲
・カタラーニ:歌劇『ワリー』より第3幕間奏曲、第4幕間奏曲
・ヴォルフ=フェラーリ:歌劇『4人の田舎者』より間奏曲
・ヴォルフ=フェラーリ:歌劇『マドンナの宝石』より間奏曲
・レオンカヴァッロ:歌劇『道化師』より間奏曲
・ジョルダーノ:歌劇『フェドーラ』より第2幕間奏曲


BBCフィルハーモニー管弦楽団 - BBC Philharmonic Orchestra
ジャナンドレア・ノセダ - Gianandrea Noseda (指揮)
(録音時期:2008年8月5日~6日、2009年11月12日、2010年3月22日~23日)


ここに収められた曲は珍しい間奏曲ばかり。マスカーニでは「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲でなく「友人フリッツ」の間奏曲が、また、指揮者ノセダがよくとりあげるフェラーリ、彼の歌劇「4人の田舎者」の間奏曲など、題からしてもひょうきんで愉快な曲だ。それに最後に収録されているジョルダーノの歌劇「フェドーラ」より第2幕間奏曲は、先日、リッカルド・ムーティがアンコールで披露した素敵な間奏曲である。




by kirakuossan | 2019-03-07 05:06 | 注目盤◎ | Trackback

新盤☆秀盤 NO31 溌剌とした愉しいロッシーニを満喫

2018年11月29日(木)

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期待のイタリア人若手指揮者のひとりミケーレ・マリオッティの新録音が出た。しかも嬉しいことに彼が得意とするオペラ作品で、ロッシーニの序曲集、オーケストラは手兵のボローニャ市立劇場管弦楽団 とくれば、これはもう聴かないわけにはいかない。
2007年11月、ボローニャ市立劇場でのヴェルディの「シモン・ボッカネグラ」公演の成功を皮切りに、その翌2008年2月より、ボローニャ市立劇場の首席指揮者を務めることに、それは弱冠29歳の若さでの就任となった。
前にも書いたが、イタリアは若手指揮者の宝庫だ。アンドレア・バッティストーニ(31歳)、ダニエーレ・ルスティオーニ(35歳)、そして39歳のミケーレ・マリオッティ。バッティストーニがスカラ座、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイエルン国立歌劇場で活躍すれば、ルスティオーニはロイヤル・オペラ・ハウスで、そしてマリオッティはボローニャということになる。三人ともオペラから出発したことも共通点でいかにもイタリア人指揮者である。さらに前二人はそれぞれ日本のオーケストラとも親しい関係にあって、東京フィル・ハーモニー、東京交響楽団といったあんばい。マリオッティは日本での知名度はまだ二人に及ばないかも知れないが、さすが最も年長だけのことはある、懐の広い音楽を聴かせる。上品な軽やかさに加えて溌剌とした愉しいロッシーニが満喫できる。


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ロッシーニ:序曲集
ボローニャ市立劇場管弦楽団 - Bologna Teatro Comunale Orchestra
ミケーレ・マリオッティ - Michele Mariotti (指揮)
録音: May 2018, Library of the Convento San Domenico, Bologna, Italy







by kirakuossan | 2018-11-29 20:00 | 注目盤◎ | Trackback

「100巻からもれた作曲家たち」 その17 サリエリ

2018年8月18日(土)

d0170835_18413588.jpgイタリアの作曲家アントニオ・サリエリ(1750~1825)は268年前の今日レニャーゴに生まれた。生前はヨーロッパ楽壇の頂点に立つ大人物であり、ベートーヴェン、シューベルト、リストらを育てた名教育家としても名高い。でももっともよく知られるところは、嫉妬してモーツァルトを毒殺した人物と、まことしやかに噂されることである。かのロッシーニなんぞは意地悪にもサリエリ本人に面と向かって「モーツァルトを本当に毒殺したのか?」と尋ねたりするが、本人はきっぱり否定したという。でもそんな噂が飛び交い本人は生涯悩んだことは事実であったようだ。


d0170835_19111570.jpgモーツァルトよりも6歳年長であったが、同世代の作曲家として作品を並べ較べると一目瞭然とその違いはわかる。そんなことからサリエリも、こりゃとてもモーツァルトにはかなわないと思ったことだろう。
サリエリはオペラを40曲以上も作曲し、他に室内楽や宗教音楽を遺したが、オペラなどは序曲が残っているに過ぎない。それらわずかに今でも耳にする音楽を聴くと、単調で退屈で、本人が嫉妬したことは大いに肯けるのである。


サリエリ:
スロヴァキア放送交響楽団
ミハエル・ディトリッヒ(指揮)

by kirakuossan | 2018-08-18 18:42 | 100巻からもれた作曲家たち | Trackback

いよいよペトレンコの初顔見世

2017年9月16日(土)

いよいよペトレンコの初顔見世。
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バイエルン歌劇場は6年ぶりの来日だが、最大の関心事は、次期(2019~)ベルリン・フィル首席指揮者キリル・ペトレンコの初来日。21日の「タンホイザー」公演から始まる。23日からは「魔笛」も上演され、話題のツアーとなるだろう。恐らく近いうちにBSで放映されるにちがいない、これは絶対に見逃せない。


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by kirakuossan | 2017-09-16 08:49 | クラシック | Trackback

”交響楽”の名付け親

2017年2月17日(金)

d0170835_14585916.jpg文人でクラシック音楽に長けた人は多くいた。森鷗外もその一人だが、時代からいっても最も旧い人であろう。彼が20歳代半ばでドイツに4年間留学した際に、ライプツィヒやドレスデン、ミュンヘン、そしてベルリンに滞在して舞踏会や宮廷劇場に足を入れ、多くの音楽と接してきたであろう。そもそも「交響楽」という言葉を産み出したのも鷗外であることは広く知られている事実である。だから、モーツァルト、ベートーヴェン、あるいはハイドンなどのシンフォニーは十分に知っていたはずである。ドイツ留学時は1884年から88年のことだから、誰の指揮者の演奏会を聴いたかと、勝手に想像することは面白い。
ドイツのこの時期活躍していただろう指揮者としては、1850年以前に生まれた人であろうという前提で探ると、ワルターは当時まだ8歳、トスカニーニでも17歳、せいぜいワインガルトナーが21歳で、彼がマンハイムをはじめドイツ各地でオペラの上演をやり出した頃なので、ひょっとして若きワインガルトナーの演奏に接しているかも知れない。ニキシュはゲヴァントハウスやベルリンフィルの常任に就任したのは1895年以降だから、すれ違いだ。ベルリンフィルはこのころハンス・フォン・ビューローが常任であったので、彼の指揮はおそらく観ているはずだ。他に可能性の高いのはライプツィヒ・ゲヴァントハウス管カペルマイスターのカール・ライネッケ、シュターカペレ・ドレスデンのエルンスト・フォン・シューフあたりか。

ところで翻訳家でもあった鷗外が、クリストフ・グルックオペラ「オルフェオとエウリディーチェ」の訳詞を完成させていたことはあまり知られていない。このオペラは間奏曲「精霊たちの踊り」で比較的有名だが、オペラ作曲家グルックのオペラの中で最も有名な作品である。

d0170835_14272434.jpg鷗外はライプツィヒでこのオペラを鑑賞、ドイツ語台本のリブレットを持っていたので、それを翻訳に使用したということである。リブレットはライプツィヒ市立劇場での公演用に作られた特別ヴァージョンの台本で、表紙には赤インクで、鴎外がライプツィヒ市立劇場で観劇した日の日付(1885年6月21日)と当日出演したソロ歌手の名前が記入されている。このように日本の文人数多かれど、オペラを早くから鑑賞し、その訳詞まで施したのは彼ぐらいだろう。訳詞の依頼を受けたのはそれから30年ほど後の大正初、50歳前半の頃であった。



Christoph Willibald Gluck
オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」
Orfeo ed Euridice

d0170835_16285130.jpgNr. 10 - Rezitativ
Eurydike, Eurydikel
Dein süsser Name tönt überall.
Der Hain hat ihn oft von mir gehört,
jedes Tal kennet ihn;
in entlaubte Stämme,
in die Rinde junger Eichen
grub meine Hand ihn zitternd.
Eurydike ist nicht mehr,
ach! und ich lebe noch!
Götter, gebt Leben ihr wieder
oder gebt auch mir den Tod!

Nr. 10 - Rezitativ 対訳:ドイツ語歌唱/森鴎外訳
エウリディーチェ。エウリディーチェ。
聞えたる汝が名ぞ。
呼ぶを森も聞きつ。
谷も聞きつ。
老木の幹、
若木の小枝に、
汝が名刻みつ。
エウリディーチェ逝きぬ。
我のみ生く。
神よ。君なくば、
吾も死なばや。


グレース・バンブリー - Grace Bumbry (ソプラノ)
ワルター・オルベルツ - Walter Olbertz (チェンバロ)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 - Leipzig Gewandhaus Orchestra
ヴァーツラフ・ノイマン - Vaclav Neumann (指揮)




追記:
小説家の梶井基次郎も今日誕生日だけれど、彼も負けず劣らずクラシック音楽には精通していた。これはまた別の機会に書くことにして・・・あがり症の偉大なピアニストだったレオポルド・ゴドフスキーや1923年にたった一度来日したヤッシャ・ハイフェッツのヴァイオリンも聴いているぐらいだからこれも相当なものだ。

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by kirakuossan | 2017-02-17 13:55 | クラシック | Trackback

オペラのあとは、しょっつる鍋で一杯

2016年10月30日(日)
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2016年10月29日(土)
滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール

モーツァルト
歌劇「魔笛」全2幕
プラハ国立歌劇場
指揮:リハルド・ハイン
演出:ラディスラフ・シュトロ
夜の女王:ヴァッシリキ・カラヤンニ
ザラストロ:イヴォ・フラホヴェツ
タミーノ:アレシュ・ブリスツェイン
パミーナ:マリエ・ファイトヴァー
パパゲーノ:ミロッシュ・ホラーク
パパゲーナ:ユキコ・キンジョウ


びわ湖ホールで初めて本格的なオペラを聴いた。プラハ国立歌劇場は決して派手さはないが、水準の高さは評判通りで、あっという間の2時間、愉しいひとときを過ごした。



夜は原庵店主監修によるしょっつる鍋エテカレイで一杯。それに原庵店主は料理だけではありません。ゴルフクラブのグリップ交換まで・・・助かります。ホンマ、いつも世話になります、謝。

d0170835_18343034.jpgd0170835_18323887.jpg(2016年10月29日)



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by kirakuossan | 2016-10-30 17:15 | クラシック | Trackback

「魔笛」の予習

2016年10月25日(火)
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「魔笛」(Die Zauberflöte)K. 620は、1791年に作曲されたモーツァルト生涯最後のオペラである。台本は興行主エマヌエル・シカネーダーが自分の一座のために書いたものでモーツァルトのオペラの中で一番の人気を誇る。シカネーダーはモーツァルトも晩年に入会した秘密結社「フリーメーソン」の信者で、作品にはその教義が多く盛りこまれており、物語はメルヘンチックになっている。宗教団体である「フリーメーソン」といえば”3”という数字を大切にするが、序曲冒頭部で鳴り響く印象的な和音は3度同じフレーズで鳴らされる。
このオペラの人気の秘密は、夜の女王と神官ザラストロが途中で善玉悪玉が入れ替わるなど、随所に聴衆を楽しませる見せ場が多くあること、そして聴きどころのアリアが満載、なかでもソプラノが綱渡りのように最高音を出すことで知られる「夜の女王のアリア」や主役の王子タミーノの叙情的で優しい声で謳いあげるアリア「なんと美しい絵姿」、そして恋人同士のパパゲーノとパパゲーナの愉しい二重唱「パ・パ・パ」がある。

その「魔笛」のプラハ国立歌劇場のびわ湖ホール公演がいよいよ週末に迫った。プラハ国立歌劇場はチェコ最大の歌劇場で、戦後から長い間スメタナ劇場という名で親しまれてきた。
今朝は、その予習を兼ねて、オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏で聴いている。どうしても「魔笛」といえば一番に「夜の女王は誰がやるの?」ということが最大の関心事だが、この演奏では当時24歳のルチア・ポップが大役を任されている。
d0170835_12445989.jpgところで今回のびわ湖ホール公演ではというと、ロシアのエカテリーナ・レキーナがやる予定だったが、病気で来日が不可能になり急遽ギリシャ出身のヴァッシリキ・カラヤンニが夜の女王として出演することに変更された。
オペラ公演ではよくあることだが、「この出演者交代によるチケットの払い戻しはございません」とあるが、レキーナ目当てで楽しみにしていたファンはがっかりだろう。ヴァッシリキ・カラヤンニは夜の女王が主要なレパートリーで、2012年には、ミラノ・スカラ座でもデビューを果たしている。


モーツァルト:
歌劇「魔笛」 K. 620
ニコライ・ゲッダ - Nicolai Gedda (テノール)
グンドゥラ・ヤノヴィッツ - Gundula Janowitz (ソプラノ)
ウォルター・ベリー - Walter Berry (バス)
ルチア・ポップ - Lucia Popp (ソプラノ)
ゴットロープ・フリック - Gottlob Frick (バス)
エリーザベト・シュヴァルツコップ - Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
クリスタ・ルートヴィヒ - Christa Ludwig (メゾ・ソプラノ)
マルガ・ヘフゲン - Marga Hoffgen (アルト)
ルート=マルグレート・ピュッツ - Ruth-Margret Putz (ソプラノ)
ゲルハルト・ウンガー - Gerhard Unger (テノール)
カール・リープル - Karl Liebl (テノール)
フランツ・クラス - Franz Crass (バス)
アグネス・ギーベル - Agnes Giebel (ソプラノ)
アンナ・レイノルズ - Anna Reynolds (メゾ・ソプラノ)
ジョセフィン・ヴィージー - Josephine Veasey (メゾ・ソプラノ)
フィルハーモニア合唱団 - Philharmonia Chorus
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestra
オットー・クレンペラー - Otto Klemperer (指揮)



昼からはもう一つ、6月に880円で買ったレコード、スイトナーとドレスデン国立歌劇場盤の名演奏で聴くことにしよう。

モーツァルト:
歌劇「魔笛」全曲
テーオ・アダム(高僧ザラストロ)
ペーター・シュライアー(王子タミーノ)
シルヴィア・ゲスティー(夜の女王)
ヘレン・ドナート(娘パミーナ)
ライプツイヒ放送合唱団
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
オトマール・スイトナー指揮




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by kirakuossan | 2016-10-25 11:37 | クラシック | Trackback

「魔笛」の名盤レコード3枚組がたったの880円

2016年6月3日(金)
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モーツァルトのオペラに優れた実績と名声を誇るメンバーによる最上の成果!決定盤オペラ魔笛全曲とカートンボックスの帯に書いてある。
普通常識で考えて、歌劇「魔笛」の3枚組のレコードがいくら中古とは言え、880円で良いのか?、という話。しかも50頁にも及ぶ解説書まで付いている。さらに驚くことは、この演奏が、「魔笛」の最上の演奏であると評判が高いオトマール・スイトナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団、ソリスト陣にはペーター・シュライアーやテーオ・アダムが加わるというもの。
昔から、「魔笛」といえば、カール・ベームとベルリン・フィル盤が最右翼とされているが、その対抗馬がこの演奏である。これが70年のステレオ録音で無傷のレコードで素晴らしい音域で聴ける。

d0170835_15405944.jpg「歌手陣がそろっているということなら、このベーム盤よりもすぐれたレコードは少なくないが、このオペラのジングシュピールとしての性格をしっかりと押え、しかもそこにモーツァルトの音楽の多様な世界を明らかにしている点で、この演奏はきわめて充実した手応えをもっている。スイトナーは、そのベームに比べると少し小粒だが、歌手陣はよくそろっているし、アンサンブルのよさは特筆に値する」と重宝している『名曲名盤500』に評論家歌崎和彦が書いている。

今秋10月にびわ湖ホールへやって来るプラハ国立歌劇場の公演がこのモーツァルトの歌劇「魔笛」だ。それまで予習するにはもってこいのレコードとなる。それにしてもホント、高音質である。ただレコード盤3枚のため全曲を聴くのに5回盤をひっくり返さないといけないのが面倒だが、でもそのたびに、埃やちりが付いていないか?とそっと両手で注意深く持ち、顔を近づけて丹念に調べてから、針を下す。この決まった動作がいかにもアナログ風で最良の音を導き出してくれる大切な作業なのである。
今、ちょうど全曲を聴き終えたところである。約2時間10分。



モーツァルト:
歌劇「魔笛」全曲

テーオ・アダム(高僧ザラストロ)
ペーター・シュライアー(王子タミーノ)
シルヴィア・ゲスティー(夜の女王)
ヘレン・ドナート(娘パミーナ)
ライプツイヒ放送合唱団
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
オトマール・スイトナー指揮



d0170835_16175883.jpgd0170835_1618851.jpgd0170835_16181711.jpgd0170835_16182748.jpgd0170835_16184034.jpg










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by kirakuossan | 2016-06-03 15:29 | クラシック | Trackback

生涯現役で歌い通したテノール歌手

2016年4月5日(火)

d0170835_18202855.jpg20世紀後半のもっとも偉大なリリコ・テノール歌手と称されたアルフレード・クラウス(1927~1999)は心地よい声質である。これは個人的な好みもあるだろうが、自分の耳が持つ可聴周波数の、その音域のなかでも最も心地よい部分の波動とマッチングするのだろう。
ソプラノならソプラノ、アルトならアルト、テノールならテノールと、でどれをとっても歌手によって微妙に耳の反応具合は違う。もともと男性はもって生まれて女声に惹かれるということはある意味当然かもしれないが、中には例外もある。たとえばソプラノで言えばマリア・カラスの声質はどういうわけか自分にとっては何を聴いても生理的に受け付けない。頭が痛くなって、不快感をも抱くことさえあるぐらいだ。一方、男声は、男声コーラスは昔から好きだが、独唱となると、これはあまり進んで聴こうとは思わない。ところがこのスペインのテノール歌手は別である。


まずこのヴェルディのオペラでのアリアだが、1982年というから、彼がすでに55歳での歌唱である。この若々しい歌声はとても年齢を感じさせない。

ヴェルディ:
乾杯の歌 「友よ、さあ飲み明かそう」(歌劇「椿姫」第1幕より)
アルフレード・クラウス(テノール)
ジョン・マッカーシー(バス)
レナータ・スコット(ソプラノ)
アンブロジアン・オペラ合唱団
フィルハーモニア管弦楽団
リッカルド・ムーティ(指揮)
(録音:1982年)



クラウスは若いころから科学的な声楽訓練を施したり、性急な公演を避けて、じっくりと自分の声を作り上げて来た。レパートリーを絞ったり、年間の舞台数も自ら制限を加え、禁欲的な舞台生活を送ってきた、そういった努力の賜物であるということはよく言われるところである。そのおかげで、生涯現役で歌い続けることができた。何度か来日も果たし、最後の公演となった1996年、69歳のリサイタルでは日本の聴衆を熱狂させた。
彼の名を一躍有名にしたのは、マスネの歌劇「ウェルテル」でのウェルテル役で歌うアリア”春風よ、何故私を目覚めさせる (Pourquoi me reveiller )”であるが、次の録音は彼が52歳のときのウェルテル役である。彼の声質そのものが甘美なメロディーであるマスネの音楽にピタリとはまる。


d0170835_2211256.jpgマスネ:
歌劇「ウェルテル」
”春風よ、何故私を目覚めさせる”
Act III: Tout mon ame est la … Pourquoi me reveiller
アルフレード・クラウス - Alfredo Kraus (テノール)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ミシェル・プラッソン(指揮)
(録音:1979年)
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by kirakuossan | 2016-04-05 16:36 | クラシック | Trackback

名盤◎銘盤 NO18 やはりベームは凄かった

2016年3月12日(土)

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今更ながらにしてカール・ベームの音楽の真髄に触れ、感嘆の声を挙げる。今朝からNMLの新規配信のディスクをチェックしていて、ベームの名盤中の名盤と言われるベルリン・フィルとのモーツァルトとウィーン・フィルの「田園」交響曲を聴いて感無量の心境になった。やはりこの人は凄かった。モーツァルトは1960年代の演奏で、ベームが60歳半ばから70歳にかけてのもっとも脂の乗り切った時期。「プラハ」にしても39番シンフォニーにしても、この活力の源はどこから湧き出でるのか、実に若々しいモーツァルトである。一転、「田園」はそれより10年の歳月が過ぎた70歳後半の演奏、スケールが大きく、典雅さを持った味わい深い名演奏である。ワルターのそれと並んで現代でも二大名演とされる所以がよく理解できる。

ベームはオペラでの活躍も目覚ましいものがあった。生まれ故郷のグラーツ市立歌劇場でデヴュー後、ダルムシュタット市立歌劇場、 ハンブルク国立歌劇場の音楽監督、そして40歳でドレスデン国立歌劇場総監督に就任、そして1943年から戦前戦後の2度にわたりウィーン国立歌劇場の音楽監督に就く。こういった経歴から見ても元々オペラ指揮者といえるが、ジュピター交響曲の最終楽章の冒頭、静かに始まりすぐさまツッティで軽快なリズムが刻まれていくが、あのフィーリング、感覚は、まさにオペラそのものである。

ベームは歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」を3度録音している。1955年、若きクリスタ・ルートヴィヒを据えウィーン・フィルと、62年には、エリーザベト・シュヴァルツコップクリスタ・ルートヴィヒなどの豪華キャストとの共演でフィルハーモニア管と、そして再度、74年にウィーン・フィルとグンドゥラ・ヤノヴィッツで。そのなかでは62年盤が俊逸の出来ばえで、豪華キャストもさることながら様式感、生命力、全体の完成度では群を抜き、同曲最高の名盤として現代にも長く引き継がれている。この演奏はDeutsche Grammophonではなく、EMIの音源である。


d0170835_15244982.jpgモーツァルト:
歌劇「コジ・ファン・トゥッテ」 K. 588
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エリーザベト・シュヴァルツコップ - Elisabeth Schwarzkopf (ソプラノ)
クリスタ・ルートヴィヒ - Christa Ludwig (メゾ・ソプラノ)
アルフレード・クラウス - Alfredo Kraus (テノール)
ジュゼッペ・タッデイ - Giuseppe Taddei (バリトン)
ハンニー・シュテフェク - Hanny Steffek (ソプラノ)
ウォルター・ベリー - Walter Berry (バス)
フィルハーモニア合唱団 - Philharmonia Chorus
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestra
カール・ベーム - Karl Bohm (指揮)
(録音:1962年)
by kirakuossan | 2016-03-12 13:37 | 注目盤◎ | Trackback(37)