気楽おっさんの蓼科偶感

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カテゴリ:クラシック( 1016 )


2019年 01月 06日

二人の87歳ピアニスト

2019年1月6日(日)

d0170835_16153522.jpgd0170835_16385250.jpg スペイン人ピアニストのホアキン・アチュカロが今年87歳を迎えるが、もうひとり同じ年生れのアメリカ人ピアニストにジェローム・ローウェンタール(左)がいる。アチュカロがショパン弾きとすれば、ローウェンタールは当代きってのリスト弾きと称されることがある。カペルやコルトーなどに学び、19世紀~20世紀前半のヴィルトゥオーゾ・ピアノの伝統を今に受け継ぐ数少ないピアニストである。

 ローウェンタールの得意とするリストの「巡礼の年」は、78歳時の演奏であるが、彼もまた衰えをまったく感じさせない驚くべきピアニストである。連弾のカーメル・ローウェンタールは彼の娘である。


リスト:
巡礼の年全曲

「巡礼の年」第1年スイス(ウィリアム・テルの聖堂、ワレンシュタット湖畔で、田園曲、泉のほとりで、嵐、オーベルマンの谷、牧歌、郷愁、ジュネーヴの鐘)
「巡礼の年」第2年イタリア(婚礼、物思いに沈む人、サルヴァトル・ローザのカンツォネッタ、ペトラルカのソネット第47番、ペトラルカのソネット第104番、ペトラルカのソネット第123番、ダンテを読んで)
「巡礼の年」第2年補遺ヴェネツィアとナポリ(ゴンドラを漕ぐ女、カンツォーネ、タランテラ)
「巡礼の年」第3年(アンジェルス!守護天使への祈り、エステ荘の糸杉にI、エステ荘の糸杉にII、エステ荘の噴水、ものみな涙あり、葬送行進曲、心を高めよ)
「クリスマス・ツリー」より 第2、第3巻(スケルツォーソ、カリヨン、子守歌、古いプロヴァンスのクリスマスの歌、夕べの鐘、昔々、ハンガリー風、ポーランド風)

d0170835_16245981.jpgジェローム・ローウェンタール - Jerome Lowenthal (ピアノ)
カーメル・ローウェンタール - Carmel Lowenthal (ピアノ)
《クリスマス・ツリー》の連弾
(録音:2010年3月、4月)







by kirakuossan | 2019-01-06 16:16 | クラシック | Trackback
2019年 01月 05日

いかにもブーレーズといったコアな作品群を聴く

2019年1月5日(土)

 NMLではピエール・ブーレーズが指揮した11枚が新たに珍しく大量配信され、ライブラリーに加わっている。これはブーレーズが亡くなって今日でちょうど2年ということからなのだろう。
 それにしてもストラヴィンスキーを中心に自作曲も含め、いかにもブーレーズといったコアな作品群が並ぶ。オケも手兵のクリーヴランド管弦楽団以外に ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、シカゴ交響楽団とさすが超一流どころが揃い、聴きごたえ十分である。でもこれを聴きこなすには相当の覚悟がいるのも一方では事実であるけれども、せっかくの機会でもあるので今日は一度チャレンジしてみようと思う。
 で、まず比較的入りやすい音楽からということで、やはり「ペトルーシュカ」あたりからということになる。ただ生理的にどうしても受け付けないシマノフスキだけは最初からオミットしておこう。

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⊛ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」/「春の祭典」(クリーヴランド管)
⊛ストラヴィンスキー:歌曲集(ブリン=ジュルソン/シャーリー=クァーク/マレイ/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ブーレーズ:レポン/二つの影の対話(ダミアン/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲/詩篇交響曲/3楽章の交響曲(ベルリン・フィル)
⊛ストラヴィンスキー:幻想的スケルツォ/カンタータ「星の王」/交響詩「ナイチンゲールの歌」/組曲「兵士の物語」(クリーヴランド管)
⊛リゲティ:エチュード第1番「ハーモニー」/アヴァンチュール/3つの小品(コンタルスキー兄弟/アンサンブル・アンテルコンタンポラン)
⊛ラヴェル:シェエラザード/クープランの墓/ドビュッシー : フランソワ・ヴィヨンの3つのバラード/2つの舞曲(オッター/ハーグリー/クリーヴランド管)
⊛シマノフスキ:/ヴァイオリン協奏曲第1番/交響曲第3番「夜の歌」(テツラフ/ウィーン・フィル)
⊛マーラー:嘆きの歌/ベルク:歌劇「ルル」組曲(プロハスカ/レシュマン/ラーション/ウィーン・フィル)
⊛ヴァレーズ:アメリカ/アルカナ/砂漠/イオニザシオン(シカゴ響)
⊛ブーレーズ:デリーヴ II/二つの影の対話/メモリアル/アンテーム II(ダニエル&マイケル・バレンボイム/IRCAMライブ・エレクトロニクス・アンサンブル)



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d0170835_10295738.jpgブーレーズは70年大阪万博の時45歳で、ジョージ・セル率いるクリーヴランド管弦楽団に帯同来日しているが、当時は首席客演指揮者の地位にあったがまださほど有名ではなかった。セルがベートーヴェンの「英雄」モーツァルトの40番などを披露したが、そのときのブーレーズが指揮した演目は以下の通りで、当時から、いわゆる独自の世界を形成していた。なお彼は4年後の1974年9月にも、レナード・バーンスタインがニューヨーク・フィルを率いて来日公演した時にも同楽団の常任指揮者として同行している。先輩バーンスタインがマーラー5番を興奮気味にぶちかましている横で、そのときにもキルクナーの「管弦楽の為の音楽」やウェーベルンの「管弦楽の為の6章」といった普段耳にすることがない珍しい楽曲を披露している。


1970年5月17日:フェスティバルホール
ワーグナー:パルシファル、第1幕への前奏曲
バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番(VN/ダニエル・マジェスケ)
ドビュッシー:管弦楽の為の映像

1970年5月18日:フェスティバルホール&5月24日:東京文化会館
シューベルト:交響曲第2番
ドビュッシー:海
アイヴス:ニューイングラドの三つの場所
ストラヴィンスキー:火の鳥、組曲(1910)


by kirakuossan | 2019-01-05 08:58 | クラシック | Trackback
2018年 12月 31日

一年の聞き納めはやはり格調高い第九で

2018年12月31日(月)

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 一年の締めくくりはやはり第九。今年は第九演奏会に行くチャンスがなかったが、イッセルシュテットの最高の演奏で聞き納めができる。開演は午後1時30分である。
 このレコードは1965年12月に名匠ハンス・シュミット・イッセルシュテットがサザーランドをはじめ、ホーンやキング、タルヴェラと、時の一流ソリスト陣を従え、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した、格調高い知る人ぞ知る「第九の名盤」である。
 色んなことで乱高下した平成最後の年、これで無事終えそうである。明日から始まる新しい時代。どんな夢を叶えてくれるのだろう、愉しみだ。


ベートーヴェン:
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 - Vienna Philharmonic Orchestra
ハンス・シュミット=イッセルシュテット - Hans Schmidt-Isserstedt (指揮)
ジョーン・サザーランド - Joan Sutherland (ソプラノ)
マリリン・ホーン - Marilyn Horne (メゾ・ソプラノ)
ジェイムズ・キング - James King (テノール)
マルッティ・タルヴェラ - Martti Talvela (バス)
ウィーン国立歌劇場合唱団 - Vienna State Opera Chorus





by kirakuossan | 2018-12-31 13:44 | クラシック | Trackback
2018年 12月 31日

ブルメンタールのマズルカを聴きながら・・・

2018年12月31日(月)

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Felicja Blumental

d0170835_10322233.jpgFelicja Blumental was born in Warsaw, Poland on 28th December 1908, where she studied at the National Conservatory, reading composition with Karol Szymanowski and piano with Zbigniew Drzewiecki, Joseph Goldberg, Stephan Askenase and Jósef Turczynski.

She appeared with orchestras throughout Europe (the Philharmonia, the RPO, the LPO, LSO and Scottish National Orchestra) and her appearances in South and North America brought her further acclaim.

While she was greatly admired for her interpretations of Chopin and Mozart, Felicja Blumental made a speciality of music outside the regular repertory, particularly from the late 18th and early 19th centuries. She recorded works for piano and orchestra by Clementi, Field, Kozeluch, Czerny, Hummel, Ries and Paderewski, among others, as well as the piano version of Beethoven’s Violin Concerto.

In addition to recording popular piano concertos, Ms. Blumental’s repertoire also includes solo piano music by Spanish and Portuguese Baroque composers.

She was greatly admired by notable 20th century composers who wrote pieces especially for her. Brazil’s leading composer, Heitor Villa-Lobos, dedicated his Fifth Piano Concerto to Ms. Blumental, which she performed under the composer’s baton with the leading orchestras of Europe and recorded for EMI in Paris with the Orchestre National.

by Brana Records


d0170835_10335591.jpg 塩抜きしたあと土佐じょうゆ作り。かずのこがええ色してまんな~
こしながらブルメンタールのショパンを聴く。フェリシア・ブルメンタール(1908~1991)はポーランドのピアニスト、ショパンのマズルカの録音は今でも画期的な解釈とされている。今日は彼女の命日。





ショパン:
フェリシア・ブルメンタール - Felicja Blumental (ピアノ)
(録音: 1952, Brazil)




by kirakuossan | 2018-12-31 09:47 | クラシック | Trackback
2018年 12月 27日

NML今年の愛聴盤 10曲中6曲がバッハ

2018年12月27日(木)

10曲中6曲がバッハ!d0170835_08140310.jpg

「NML今週の一枚」2018年再生ランキングBEST10

週替りでピックアップしている「今週の一枚」。2018年にピックアップしたタイトルの中で、一番再生されたアルバムは、コンスタンティン・リフシッツの「J.S. バッハ:ピアノ協奏曲集 BWV 1052-1058」でした!来日公演でも同曲を引き振りで取り上げました。第2位はアリス=紗良・オット、初の小品集「ファイトフォール」。年始めにドキュメンタリー番組に出演し反響を呼びました。
再生ランギングBEST10は次のとおりです。




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J.S. バッハ:ピアノ協奏曲集 BWV 1052-1058
(リフシッツ/シュトゥットガルト室内管)
コンスタンティン・リフシッツ - Konstantin Lifschitz (ピアノ)
シュトゥットガルト室内管弦楽団 - Stuttgart Chamber Orchestra
コンスタンティン・リフシッツ - Konstantin Lifschitz (指揮)

レビュアー: yasu 投稿日:2018/12/26
《2018年NML今週の一枚でもっとも聴かれたアルバムBEST1!》 グネシン音楽学校の卒業記念で弾いたゴルトベルク変奏曲が話題になり、その後録音したDenon盤がグラミー賞にノミネート。2018年3月の来日では、2015年に絶賛を博したバッハ・シリーズの第2弾「バッハは踊る」で、イギリス組曲、フランス組曲、パルティータと、舞曲を中心とした名曲の数々を演奏し、大阪 いずみホールと 東京文化会館では、2日間に渡り7曲の協奏曲が演奏されるという贅沢なバッハ・プログラムとなりました。ご紹介のアルバムは2010年に録音されたピアノ協奏曲全7曲を収録。弾き振りによる演奏で、シュトゥットガルト室内管弦楽団を巧みにコントロールし、優雅がバッハの世界を表現しています。

昨日挙げたアリス=紗良・オットのピアノ小品集は年間を通して愛聴され第2位にランクされたものだった。第1位はコンスタンティン・リフシッツののバッハ。18歳のあの少年が、今や話題のバッハ弾きになった。

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☆秀盤 -38 リフシッツのバッハ


2018年3月20日(火)

一昨日の夕方、庵原氏からメールが入ってきた。

今日はいずみホールでリフシッツのバッハ、ピアノ協奏曲を聴いてきました。ピアノはベーゼンドルファー290、どれも素晴らしく、特に7番第2楽章は胸に刺さりました。

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で、刺激されていま、彼のその7番の演奏をNMLで探しあて聴いている。現在ではピアノ協奏曲と呼ぶが、以前はチェンバロ協奏曲と呼んでいた。第7番ト短調の原曲は、ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 BWV1041である。




d0170835_22111956.jpgロシア人ピアニストのコンスタンチン・リフシッツ(1976~)はバッハ弾きとして名高い。彼の逸話で有名なのは、1994年、当時18歳だったリフシッツがグネシン音楽学校の卒業記念で「ゴルトベルク変奏曲」を弾き大騒ぎとなった。その数日後に録音されたDENON盤は一躍世界中の評判となり、グラミー賞にもノミネートされた。


d0170835_22261750.jpg20年を経て再録音された演奏をNMLで見つけ、今また聴いている。

J.S. バッハ:
Goldberg Variations, BWV 988
コンスタンティン・リフシッツ(ピアノ)


また、この「ゴルトベルク変奏曲」が凄いや。
このジャケットを見て、グレン・グールドの例の演奏を意識しているな、と感じさせたが、この人の演奏を聴いていると、もう、グールド一辺倒は旧いのかな、と思ったりもする。

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by kirakuossan | 2018-12-27 07:29 | クラシック | Trackback
2018年 12月 26日

これでドビュッシーも好きになれそうだ。

2018年12月26日(水)

今回は”紗良っと”、コンパクトにまとめてみました。
これでドビュッシーも好きになれそうだ。


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ドビュッシー/サティ/ラヴェル:ピアノ作品集(ナイトフォール)

(アリス=紗良・オット)

Piano Recital: Ott, Alice Sara - DEBUSSY, C. / SATIE, E. / RAVEL, M. (Nightfall)

このページのURL
http://ml.naxos.jp/album/00028948351886


このアルバムのレビュー

レビュアー: yasu 投稿日:2018/09/21
《メジャー・デビュー10周年!》 今、最も注目され、世界的に活動をしているピアニスト、アリス=紗良・オット。2018年は、ドイツ・グラモドンと専属契約を結びメジャー・デビューをしてから10年。これまでに、ムソルグスキーの「展覧会の絵」チャイコフスキーの協奏曲、リストの協奏曲や超絶技巧練習曲など、大曲をリリースしていましたが、ご紹介のアルバムは8月にリリースされた初の小品集。ドビュッシー、サティ、ラヴェルといったフランスのピアノ作品集。今回のツアーでは、このアルバムの収録曲がメインとなっており、タイトルになっている「ナイトフォール(夕暮れ)」、まさに秋のこの時期にぴったりなアルバムです。
レビュアー: 怪談 投稿日:2018/10/01
久しぶりに紗良様のピアノ拝聴しました。 最近は地方巡業はなさらないのか、ライブでお聴きすることも能わず、寂しい限りです。 今も天使のようなお姿で、素足のまま舞台に出られるのでしょうか。。。 さて今回のアルバム、表題も選曲も秋に良くあってますね。 前半の繊細な表現とScarboで冴え渡る圧倒的な技に、聴く側は問答無用で説得されてしまいます。 ただRavelやDebussy, Satieなどフランスものにはもっと微妙な色合い(ニュアンス)の変化が欲しい。。。 可笑しな例えかもしれませんが、宴会で豪華な料亭の料理に満足しつつも、帰って女房のお茶漬けが恋しくなる気分です。。。 今回は食欲の秋にちなんで、以下と聞き比べつつ、音楽を味覚のように楽しんでは如何でしょう。 特に最後に紹介したalbumは濃厚な味わいをお楽しみ頂けます。 http://ml.naxos.jp/album/825646935772 ... http://ml.naxos.jp/album/CAL1521 ... http://ml.naxos.jp/album/V4854
レビュアー: yasu 投稿日:2018/12/21
《2018年NML今週の一枚でもっとも聴かれたアルバムBEST2!》 今、最も注目され、世界的に活動をしているピアニスト、アリス=紗良オット。2018年は、ドイツ・グラモドンと専属契約を結びメジャー・デビューをしてから10年。これまでに、ムソルグスキーの「展覧会の絵」チャイコフスキーの協奏曲、リストの協奏曲や超絶技巧練習曲など、大曲をリリースしていましたが、ご紹介のアルバムは8月にリリースされた初の小品集。ドビュッシー、サティ、ラヴェルといったフランスのピアノ作品集。秋に行われたのツアーでは、このアルバムの収録曲がメインとなっていました。2019年は日本フィルハーモニー交響楽団との共演が予定されています。
レビュアー: kirakuossan 投稿日:2018/12/22
夕暮、アリスの新盤を聴く。 ドビュッシー、サティ、ラヴェル、 2年ぶり8枚目のアルバム 20代最後の録音。 今までにない彼女の新境地だ。 アリスは聴くたびに成長し続けている。 それはまちがいないことだ。
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by kirakuossan | 2018-12-26 08:00 | クラシック | Trackback
2018年 12月 25日

2018年の演奏会を振り返って

2018年12月25日(火)

 2018年の演奏会を振り返って・・・
今年は例年になく出かけた演奏会が少なかった。海外のオーケストラ来日公演が2つ、それに国内のオーケストラが4つ、計6公演にとどまった。

d0170835_21023957.jpg白梅が咲くころ、京都コンサートホールへ出かけて聴いたのは、あのバーンスタイン以来44年ぶりのニューヨーク・フィルハーモニック。
野太い響きは健在であった。アメリカのオーケストラというとどちらかといえば煌びやかな印象を持つが、このオーケストラはその煌びやかさと、どこかロシアのオーケストラにも似たような土の香りがした。


3月11日(日)
ニューヨーク・フィルハーモニック2018日本ツアー:京都公演
指揮/ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(ニューヨーク・フィルハーモニック次期音楽監督)
ヴァイオリン/五嶋 龍
ヨハン・ワーヘナール:序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」op.23
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」

五嶋 龍を聴くのはたしか今日が2度目だが、通俗的名曲のメンデルスゾーンなので正直あまり期待してはいなかったが、それが感動的な名演奏であった。感動的というよりもっと適格な表現をすれば、”聴き惚れた”とでも言おうか、メンデルスゾーンのコンチェルトが新鮮に耳を捉えた。
そして、オランダ人指揮者ズヴェーデンは風貌からしてどんなに大男かと想像していたら、がっしりとした体格だが意外と背は低かった。終始腰のあたりの高さで流麗なタクトを振る。「春の祭典」は好演で、アンサンブルに長け、金管の響きは、まさに”ロシア風”な錯覚にとらわれた。


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紅葉もピークを過ぎた頃、兵庫県立芸術文化センターでバイエルン放送交響楽団の演奏会が催された。やはり高い水準の演奏を聴かせてくれたが、想像した通りドイツのオーケストラの響きと言うより、どちらかというとアメリカやイギリスのオーケストラの音を彷彿させた。それは特に管楽器の音色に顕著であった。
前半のモーツァルト「ジュピター」は特段印象に残らなかったが、マーラーはやはりメータの面目躍如と言ってもよい出来栄えではあった。でも残念ながらそれをさらに上回るような白眉の名演とはいかなかった。
マリス・ヤンソンスの代役で棒を振ったズービン・メータにとって神戸は2009年以来2度目、決して万全でない体をおして、来日してくれたことに聴衆から惜しみない拍手が送られた。これに応えて最後に車椅子でふたたび登場、更なる盛大な歓声を浴びた。

11月23日(金)
バイエルン放送交響楽団演奏会
指揮/ズービン・メータ
モーツァルト:
交響曲 第41番「ジュピター」
マーラー:
交響曲 第1番「巨人」


 次に国内オケでは、大阪フィルハーモニー交響楽団でイタリアの二人の新星指揮者の颯爽とした演奏が聴けたのは大きな収穫だった。ひとつは2月にあった第515回定期でアンドレア・バッティストーニの指揮でレスピーギの交響詩ローマ三部作。5月には第518定期でダニエーレ・ルスティオーニの棒で、これまたイタリアもので、メンデルスゾーンの第4番、そしてマーラーの第4番。

2月17日(土)
大阪フィルハーモニー交響楽団
第515回定期演奏会
指揮/アンドレア・バッティストーニ
曲目/レスピーギ:
交響詩「ローマの噴水」「ローマの祭り」 「ローマの松」

最初から最後まで心地よい緊張の連続で、レスピーギのオーケストレーションが如何なく発揮され、正直想像以上の凄い演奏となった。これほどの難曲をこともなくまとめるあたり、やはりバッティストーニはただものではない。
しかも今日の大阪フィルはよく引き締まったできばえで100点満点。とくに心配していた管楽器群はほぼ完ぺきの出来で120点満点。今まで何度も聴いて来たが文句なしに今日の演奏が今までのトップにランクされる。やはり指揮者によってこうも違って、潜在能力が引き出されるんだなあ、と改めて感心した。


5月30日(水)
大阪フィルハーモニー交響楽団
第518回定期演奏会
指揮/ダニエーレ・ルスティオーニ
ソプラノ独唱小林沙羅
メンデルスゾーン:
交響曲 第4番「イタリア」
マーラー:
交響曲 第4番

ダニエーレ・ルスティオーニは最初ステージに登場した時は緊張のためか幾分固い表情だったが、メンデルスゾーンの「イタリア」の、あの軽やかなメロディーが鳴り出すや、あとは思う存分のしなやかな動きで聴衆を魅了した。ただ団員の表情が皆固く、にこりともせず指揮者と目を合わすでもなく、曲が「イタリア」なのだからもっともっと指揮者と一緒に乗って欲しかった。
マーラーも好演で、大フィルもずいぶんレベルアップしているな、と感じさせられた。若手の外国人指揮者をこうして続けて招いたりして、そうした冒険が功を奏しつつあるのだろう。そしてソプラノ小林沙羅、見た目以上に声量があり、低い声域により魅力を感じた。


そして今年も読響の大阪公演を6月に聴いたが、マーラーの「復活」が思い出深い演奏会となった。

6月29日(金)
読売日本交響楽団 第20回 大阪定期演奏会
指揮/コルネリウス・マイスター
ソプラノ/ニコール・カベル
メゾ・ソプラノ/アン・ハレンベリ
合唱/新国立劇場合唱団
マーラー:
交響曲 第2番「復活」

昨年4月に読売日本交響楽団の首席客演指揮者に就任したコルネリウス・マイスターは、オーソドックスで手堅い指揮をするようにうかがえた。マーラーの交響曲は聴くこともさることながら普段ではあまり目にしない楽器もいろいろ登場して見ても愉しめるところがあった。
また新国立劇場合唱団が大阪で聴けるとはラッキーで、この伝統ある合唱団、これ以上は無理と思えるほどの澄み切ったピアニシモはまるでこの世にはありえないような美しさを醸し出していた。
さらにもうひとつの収穫はメゾ・ソプラノのアン・ハレンベリを知り、聴けたことだ。スウェーデン生まれの彼女の大柄で豊満な身体から発せられる声量豊かで安定した歌声は きわめて荘重に、そして素朴に聴く者を魅了した。

 今年は回数こそ少なかったがいろいろな思い出深い内容がてんこ盛りの演奏会であった。
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by kirakuossan | 2018-12-25 21:51 | クラシック | Trackback
2018年 12月 23日

愉しいクリスマス

2018年12月23日(日)

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Googleの愉しいクリスマス

たのしいって、楽しいと書くより愉しいと書く方が、なにが出てくるかわからないようなそんなワクワクした、腹の底からたのしさがより伝わってくる。そう思いません?


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究極のクリスマス・アルバム
ULTIMATE CHRISTMAS ALBUM (THE) - Your Complete Holiday Vocal Collection (Pavarotti, Te Kanawa, L. Price, Sutherland, King's College Choir Cambridge)

ジョーン・サザーランド - Joan Sutherland (ソプラノ)
キリ・テ・カナワ - Kiri Te Kanawa (ソプラノ)
レオンタイン・プライス - Leontyne Price (ソプラノ)
キャサリン・ウィン=ロジャース - Catherine Wyn-Rogers (メゾ・ソプラノ)
ルチアーノ・パヴァロッティ - Luciano Pavarotti (テノール)
ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団 - King's College Choir, Cambridge
バッハ合唱団 - Bach Choir, The
トリニティ合唱団 - Trinity Choir, The
ヘルベルト・フォン・カラヤン - Herbert von Karajan (指揮)
リチャード・ボニング - Richard Bonynge (指揮)
クルト・ヘルベルト・アドラー - Kurt Herbert Adler (指揮)
デイヴィッド・ウィルコックス - David Willcocks (指揮)
カール・デイヴィス - Carl Davis (指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ロンドン交響楽団
フィルハーモニア管弦楽団
ナショナル・フィルハーモニー管弦楽団
etc



子供の頃、サンタのクリスマスプレゼントで一番嬉しかったのは忘れもしない幻灯機の贈り物でした。




by kirakuossan | 2018-12-23 08:39 | クラシック | Trackback
2018年 12月 22日

神の御子は今宵しも

2018年12月22日(土)

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 師走も押し迫って来たというのに最近では街角のジングルベルの音色をすっかり耳にしなくなった。
ということでせめて自宅で「クリスマス音楽」を、ということでNMLで今朝配信されたノエルを聴く。
 ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団のノエル。ケンブリッジの名門キングズ・カレッジの聖歌隊は、15世紀中葉の創立以来、500年以上にわたり高い音楽性と伝統を誇ってきた。16人の聖歌隊のメンバーと、14人の合唱奨学生、2人のオルガン奨学生からなっており、1982年よりスティーヴン・クレオベリーが音楽監督を務めている。
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ノエル - ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団のクリスマス
アンドリュー・デイヴィス - Andrew Davis (オルガン)
ケンブリッジ・キングズ・カレッジ合唱団 - King's College Choir, Cambridge
デイヴィッド・ウィルコックス - David Willcocks (指揮)
録音: 1958~1964, King's College, Cambridge, United Kingdom



by kirakuossan | 2018-12-22 09:44 | クラシック | Trackback
2018年 12月 13日

今朝もショパンを聴く。

2018年12月13日(木)

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Joaquín Achúcarro



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レビュアー: kirakuossan
投稿日:2018/12/13

 86歳のスペイン人ピアニスト、ホアキン・アチューカロ。全体にゆったりとしたテンポでじっくり聴かせる。その反面タッチの軽妙さも兼ねそなえ、表現力には一種独特の深みと優しさがある。これは単に年輪だけではない。なかでも幻想即興曲、夜想曲第2番 変ホ長調 Op. 9、夜想曲第20番 嬰ハ短調(遺作)、そして舟歌 嬰ヘ長調 Op. 60は絶品である。 こんな素晴らしいピアニストがいたんだ、知らなかった。新春来日する。ぜひ生演奏を聴いてみたいものだ。
d0170835_10424398.jpgショパン:
24の前奏曲 Op. 28
ホアキン・アチューカロ(ピアノ)
録音: 7-8 September 2017, St. Stephen's House, Oxford, UK



ほんと、アチュカロにはまってしまったなあ。
今朝もナクソスにレビューしたあと、またショパンを聴く。





by kirakuossan | 2018-12-13 10:35 | クラシック | Trackback