信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。 当ブログ名は2018年7月1日をもって「のんきなとうさんの蓼科偶感」に変更いたしました。


by kirakuossan

2018年 06月 18日 ( 2 )

「本当の音楽」

2018年6月18日(月)

d0170835_21404877.jpgスヴャトスラフ・リヒテルの最後の来日公演は1994年2月、彼が亡くなる3年半前の79歳の時である。飛行機嫌いは有名で、なかなか来日を果たせなかった(もちろん他に大きな理由はあったが)そして彼の初来日もまた例の1970年大阪万博の時であった。それ以降は度々日本を訪れることとなり、調子が悪いとキャンセルを繰返し、何かと話題性の多いピアニストでもあった。しかし「20世紀最大のピアニストのひとり」と日本での人気は高く、リヒテルの名を不動のものにした。


1924年2月、リヒテル最後の来日公演での、サントリーホールのピアノ・リサイタルで聴いたグリーグの「抒情小曲集」のことをいまもときどき思い出す。
なぜなら、あのときの演奏こそ、数少ない「本当の音楽」だと強く思ったからだ。
当日になるまでプログラムはわからないという気まぐれが許される数少ない巨匠だったリヒテルは、いつもの習慣として会場全体の照明を落とし、ピアノの上だけに明かりを置いて、スコアを広げながら、静かにグリーグを弾いた。
それは多くのファンが期待したような華やかな作品とは似ても似つかないものだった。が、淡々とした地味な小品たちを一曲また一曲と弾き進むにつれて、ずっとここでリヒテルの弾くグリーグを聴いていたいと思うほど、強い幸福感に襲われた。
グリーグの「抒情小曲集」は、そういう外面的な世界の正反対の何物かである。言い換えれば、それは詩そのものである。ひけらかしやエゴの表出とは無縁に、四季折々の情景、素朴な暮らしの一場面が、個人の日記のように記されている。その背後には、人はいかにして生きるべきかというグリーグの省察がある。

「リヒテルが教えてくれた本当の音楽」(林田直樹著クラシック新定番より)


d0170835_22135248.jpg私の悪い習癖で、物事を決め込んでしまうところがある。それは自分なりに根拠を持ったものであるが、しかし厳密に考えなおせば、必ずしもそれが根拠といえるだろうか、単なる思い込みではなかろうかといった所詮曖昧なものなのである。
北欧の作曲家といえばやはりシベリウスであり、ほかのライバルは見当たらない。しいて言えばグリーグなのだろうが、彼の音楽はいかにも「通俗的」であり、真の音楽性からすればすこし外れたものである。ピアノ協奏曲イ短調を聴けば感じるが、あの一見してとっつきやすさがそのことを物語っている。(これ自体がそもそも偏見なのだろう)
ところがここでの林田直樹氏のグリーグ観を読むにつけ、その偏見は一瞬にして覆されたのである。


自然は、人間をさまざまな属性から解放し、純粋な一個人へと還元する。そして人を謙虚にさせる。この謙虚さが、グリーグの音楽の持っている「徳」の源なのだろう。

ここに出てくるリヒテル最後の来日公演のわずか4か月ほど前に、同じグリーグの「抒情小曲集」アテネでのライヴで録ったディスクがある。林田氏が数少ない「本当の音楽」と評した演奏を想像しながら、いま聴いているのである。



グリーグ:
スヴャトスラフ・リヒテル - Sviatoslav Richter (ピアノ)
録音: 19 October 1993, Athens, Greece



by kirakuossan | 2018-06-18 20:07 | クラシック | Trackback
2018年6月18日(月)

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昨日自宅の扉の鍵をどうやら京阪バス車内で紛失、今朝問い合わせてみると預かっているとのことで、ヤレヤレ。そこでさっそく営業所に貰いに行き、帰り際「気をつけてお帰り下さい」と言われ、「どうもどうも」と外へ出たまではよかったが、その途端、突如ドカーンときた。
屋外でもあれほどの揺れを感じるほどだから、部屋の中にいたら相当のショックだっただろう。鳥も地面で暫く首をかしげてじっとしておった。
しかしなぜか不思議と週末か休み明けの朝の通勤時間帯に地震は起きる。


午前7時58分ごろ、大阪市北区、大阪府高槻市、枚方市、茨木市、箕面市で震度6弱の地震があった。震源地は大阪府北部で、震源の深さは約13キロ。地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。大阪府で震度6弱を観測したのは観測態勢が整った1923年1月以降で初めて。今回の地震の震源地周辺には「有馬-高槻断層帯」があり、地震と関係している可能性があるとされるが、この断層付近では1596年に慶長伏見地震が起きており、マグニチュード(M)は7・5だったと考えられている。それ以来の大地震かもしれない。
by kirakuossan | 2018-06-18 17:45 | 偶感 | Trackback