2019年 12月 08日
続・指揮者100選☆24 ヤンソンス |
2019年12月8日(日)
登山の道行きは夜明けから始まり、崇高な日の出を見つつ山道を辿り、多くの自然と触れ合いながら道に迷いつつも、頂上を目指す。下山中に雷雨に遭遇し、自然の脅威に畏怖するも、無事下山し帰途に着く。聴き手はまるで自分自身が登山を終えたかのようなそんな満足感を抱く。
ここで演奏するのは、ラトビア出身のマリス・ヤンソンスが指揮するバイエルン放送交響楽団である。先月末日マリス・ヤンソンスは76歳の生涯を閉じた。誠実な音楽作り、しかも時には熱く、聴く者をあっと感動させるダイナミックな指揮をした。
その指揮ぶりとは裏腹に、知らなかったが、50代初めに心臓疾患を患い、身体を気遣いながらの指揮活動だったようだ。昨年11月のバイエルン放送響来日時、ヤンソンス得意のマーラーが聴けると楽しみにしていたが急遽キャンセルとなり、ズービン・メータが代わりに指揮した。
2003年からバイエルン放送交響楽団の首席に就き、同時に2004年から15年までロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席も兼務した。この世界的な二つのオーケストラの掛け持ちは想像以上に重責だっただろう。
ベルリン・フィルのラトルの後任に、ヤンソンスでは、といった想像も当時したものだが、彼にはもうそんな余力と体力の自信がなかったのかも知れない。
ヤンソンスが得意としたリヒャルト・シュトラウスを今聴く。
バイエルン放送交響楽団
マリス・ヤンソンスMariss Jansons (指揮)
録音: 13-15 October 2016, Philharmonie im Gasteig, Munich, Germany
タグ:
by kirakuossan
| 2019-12-08 15:05
| 続・指揮者100選
|
Trackback