2019年 10月 29日
クラシック雑記帳 22 フルトヴェングラーの最後の「第九」 |
2019年10月29日(火)
1942年3月22~24日:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1943年12月8日:ストックホルムコンサート協会管弦楽団
ヒョルディス・シンベリ (ソプラノ)
リサ・テュネル(アルト)
ヨースタ・ベケリン(テノール)
シーグルド・ビョルリンク (バス)
1951年7月29日:バイロイト祝祭管弦楽団
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン (コントラルト)
ハンス・ホップ (テノール)
オットー・エーデルマン (バス)
1953年5月31日:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
イルムガルト・ゼーフリート (ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ(コントラルト)
アントン・デルモータ (テノール)
パウル・シェフラー (バス)
1954年8月8日:バイロイト祝祭管弦楽団
エルザ・カヴェルティ(アルト)
エルンスト・ヘフリガー (テノール)
オットー・エーデルマン (バス)
あと3日もすれば11月、今年も残すは2か月あまり。この時期になると、そろそろ「第九」の話題が出始めてくる。 「第九」の歴史的名演といえば必ずいの一番に挙げられるのが、ヴィルヘルム・フルトヴェングラーがバイロイト祝祭管弦楽団を振った1951年7月29日バイロイト音楽祭再開記念演奏会でのライヴ録音、例の足音がするやつ。だがフルトヴェングラーでは実はもっと他に良い演奏があると言うファンもいたりして話題は尽きない。
確かにフルトヴェングラーはベートーヴェン音楽を好み得意とした。惜しくも早くして亡くなったドイツ文学者で優れた洞察力の音楽評論家猿田悳氏の資料によれば、戦前だけみてもいかにベートーヴェンの演奏回数が多かったかがわかる。
ベートーヴェン1045
ブラームス519
R・シュトラウス320
ワーグナー319
ハイドン200
モーツァルト173
シューベルト171
シューマン164
バッハ157
ブルックナー153
さらにベートーヴェンの交響曲別の演奏回数を見ると、第5番148、第7番130、第3番88、第1番77、とつづき、「第九」は6番目で61回ということになる。ただ戦後、それも晩年にかけて「第九」演奏が増えたように思われ、数多くの演奏記録が残っている。
NMLのラインナップにあるだけでも5~6種類はあるようだ。
ティッタ・ブリーム(ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン(コントラルト)
ペーター・アンダース(テノール)
ルドルフ・ヴァツケ(バス)
エリーザベト・ヘンゲン(コントラルト)
ペーター・アンダース(テノール)
ルドルフ・ヴァツケ(バス)
1943年12月8日:ストックホルムコンサート協会管弦楽団
リサ・テュネル(アルト)
ヨースタ・ベケリン(テノール)
シーグルド・ビョルリンク (バス)
1951年7月29日:バイロイト祝祭管弦楽団
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン (コントラルト)
ハンス・ホップ (テノール)
オットー・エーデルマン (バス)
1953年5月31日:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
イルムガルト・ゼーフリート (ソプラノ)
ロゼッテ・アンダイ(コントラルト)
アントン・デルモータ (テノール)
パウル・シェフラー (バス)
グレ・ブラウェンスタイン(ソプラノ)
イラ・マラニウク (ソプラノ)
ヴォルフガング・ヴィントガッセン (テノール)
ルートヴィヒ・ウェーバー (バス)
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)イラ・マラニウク (ソプラノ)
ヴォルフガング・ヴィントガッセン (テノール)
ルートヴィヒ・ウェーバー (バス)
エルザ・カヴェルティ(アルト)
エルンスト・ヘフリガー (テノール)
オットー・エーデルマン (バス)
フルトヴェングラーの最後のライヴ録音は1954年8月22日のルツェルン音楽祭でのフィルハーモニア管弦楽団との「第九」であった。この年、春に、スカラ座でロンドン・フィルの客演指揮でワーグナーを振っている。そして8月にこの二つの「第九」を演奏し、手兵ベルリン・フィルは、4月、5月、9月に振るが、9月19日と20日の定期演奏会では自作の「交響曲ホ短調」とベートーヴェンの第1番を演奏した。これを最後にフルトヴェングラーは11月30日、68歳でこの世を去った。
僕も、フルトヴェングラーの「第九」では、1951年のバイロイト音楽祭盤より、こちらの亡くなる3か月前のゆったりとして厳かであるルツェルン音楽祭ライヴの方を好む。第二楽章以下がいい。
追記:
(22:00)
色々聴き比べていると、1943年演奏の無名のオーケストラで、ソリスト陣も一流ではない、この演奏が案外まとまっていて良かったりする。わからないものだ。それにしてもストックホルムコンサート協会管弦楽団とは初耳だ。もちろんスウェーデンのオーケストラだろうが・・・
調べて見ると、どうも現在のロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団らしい。このオーケストラは1902年創設のスウェーデン最古の団体で、エーテボリ交響楽団と並ぶ老舗オーケストラ。ノーベル賞授賞式で演奏することでも知られている。
ソリスト陣はいずれもあまり知られていないがスウェーデンを代表する歌手たちで出来ばえは遜色なかった。プチプチと針音がして、明らかにSP盤の再生録音であろう。また、4楽章で人声らしきものが聞こえたり?する。これもご愛敬。
by kirakuossan
| 2019-10-29 08:39
| クラシック雑記帳
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