2019年 08月 05日
クラシック雑記帳 16 最高峰の夏の室内楽音楽祭 |
2019年8月5日(月)
今年も7月末から8月中旬にかけてフランスのプラード、カニグー山麓のサン・ミシェル・ド・キュクサ修道院でプラード・カザルス音楽祭( Festival Pablo Casals de Prades)が開催されている。
プラードでの出演は1966年、カザルスの90歳記念の音楽祭が最後であった。その7年後、伝説のチェリストはこの世を去った。
最高峰の室内楽音楽祭
Festival Pablo Casals de Prades
(「カニグー山塊はよく訪ねる八ヶ岳にそっくりである」と何かのブログに書いてあった。)
巨匠パブロ・カザルスが戦前スペイン内戦を避けてプラードに隠遁し、戦後は演奏活動から遠ざかっていた。その彼を呼び戻したのは友人のヴァイオリニストであったアレクサンダー・シュナイダー。バッハ没後200年にあたる1950年にプラードで音楽祭を開くことになった。
パブロ・カザルス を筆頭に、毎年数多くの名高い奏者たちが世界各地から集った。大ピアニストで教育者でもあったアルフレッド・コルトー、自他ともにドイツ音楽の正当な継承者であるとされるルドルフ・ゼルキン、深い精神性を湛えた表現が名高いチェリストのポール・トルトゥリエ、99歳まで舞台に立ったミエチスラフ・ホルショフスキ、親日派のユダヤ人ヴァイオリニストのユーディ・メニューイン、ソリストだけでなく室内楽奏者としても活躍したクララ・ハスキル、そのハスキルとパートナーを組んで多くの名演を遺したアルテュール・グリュミオー、晩年の夏には立山山麓のホテルに長期滞在するのを常とし、その地で逝去したシモン・ゴールドベルク、ハンガリーの著名なヴァイオリニストのヨゼフ・シゲティ、主に室内楽の奏者として有名なピアニストのユージン・イストミン、 指揮者としても名高いヴァイオリニストのシャーンドル・ヴェーグ、録音より生演奏を好んだクリフォード・カーゾン、戦後のアメリカで最も有望なピアニストと目されながら不慮の飛行機事故で若くして亡くなったウィリアム・カペル・・・その音楽祭は70年近く、今も延々と続けられている。
by kirakuossan
| 2019-08-05 06:39
| クラシック雑記帳
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