2019年 04月 06日
シノーポリのマーラー |
2019年4月6日(土)
NMLの新着配信で久々にジュゼッペ・シノーポリが登場していた。マーラーの交響曲全集、「大地の歌」のみがシュターツカペレ・ドレスデンとの演奏で、ほかはすべて当時の手兵フィルハーモニア管弦楽団とのものである。このディスクは主に1985年から94年にかけて録音されたもので、すでにNMLで以前より配信されていたが、どういうわけか今朝また新着タイトルとして紹介されている。
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指揮者100選☆54 シノーポリ |
指揮者界において1960年代から70年代にかけては、今から思えばひとつの世代交代の節目だったのではないか、と思われる。それは大指揮者たちを生んだ1900年代生まれが高齢になりつつあるなか、続く10年代生まれも中堅にさしかかって来る。ただそれに続く20年代生まれが、ピエール・ブーレーズ、ベルナルド・ハイティンクぐらいで比較的地味な指揮者が多く、全般的には不作ということもあって、飛んで次の30年代~40年代生まれの若手指揮者に次の期待がかかったのだろう。この当時、これからの新しい時代をになっていく期待の若手指揮者の名前がよく取りざたされた。今でもよく覚えているのが・・・
クラウディオ・アバド(伊, 1933~2014)小澤征爾(日本,1935~)ズービン・メータ(インド, 1936~)リッカルド・ムーティ(伊, 1941~)ジュゼッペ・シノーポリ(伊, 1946~2001)さらにもうひと世代若いリッカルド・シャイー(伊, 1953~)だった。ここで注目に値するのが、イタリア人指揮者が4人も占め、あとは東洋人が2人という顔ぶれである。このなかにドイツ人、フランス人指揮者が含まれていなかったことである。そしてこの6人の予想はいずれも的中したことになり、いずれも大指揮者の道を歩んだ。
(イタリア:1946~2001)
ユダヤ系イタリア人のシノーポリは指揮者であり作曲家でもあったが、少し変わり種で、同時に心理学と脳外科を学び、さらには考古学者でもあった。風貌からして、音楽家というよりは大学の研究者といった趣であった。そういった外見からのイメージもあってか、”異次元の世界に誘う”とかいって一種独特のカリスマ性を有し、また本人いわく「音楽は主観的でなければならない」と語り、異色の音楽解釈として捉えられた一面もある。~
ということで、久々にシノーポリを聴くことに。
全集で唯一、1990年11月に東京池袋の芸術劇場における演奏会をライヴ収録した「嘆きの歌」も含まれている。
シェリル・ステューダー - Cheryl Studer (ソプラノ)
ワルトラウト・マイヤー - Waltraud Meier (メゾ・ソプラノ)
ライナー・ゴルトベルク - Reiner Goldberg (テノール)
トーマス・アレン - Thomas Allen (バリトン)
晋友会合唱団 - Shinyukai Choir
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestraジュ
ゼッペ・シノーポリ - Giuseppe Sinopoli (指揮)
録音: November 1990, Main Hall of Metropolitan Arts space, Tokyo, Japan
シノーポリは2001年4月20日、ベルリンで「アイーダ」を指揮中に突然の心臓発作で急逝した。享年55歳の若さであった。
by kirakuossan
| 2019-04-06 07:31
| クラシック
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