2019年 03月 31日
クラシック雑記帳 10 交響曲第4番に関する一考察 |
2019年3月31日(日)
ここではまとめてベルナルド・ハイティンクの指揮で聴く。ほかにカラヤン、アバドでも聴けるが、ハイティンクの演奏が最もメリハリが効いて良い。とくに晩年の指揮が。
ベートーヴェン:
ブラームス:
マーラー:
交響曲第4番のもつ不思議な共通点。どういうわけかそれらは比較的小ぶりでどれを取って見ても、明るく軽快でそれでいて穏やかな一面も持ち合わせた曲想である。ただ見方によっては少々軽るんじられる点がなきにしもあらずだが、しかしよくよく聴いてみると、そんなことは大きな間違いであることに気づくはずである。
ベートーヴェン交響曲第4番変ロ長調
第3番と第5番の間ということでシューマンが「2人の北欧神話の巨人の間にはさまれたギリシアの乙女」と例えたとされるこの曲は、1806年夏ごろから作曲が始められ、10月には完成した。この年は創作意欲も旺盛で、ほかにピアノ協奏曲第4番やのヴァイオリン協奏曲なども作曲された。
全体を通して古典的な均整のとれた、きびきびした爽快な作品である。楽器編成は二管編成よりさらにフルートが1本少なく、ベートーヴェン交響曲の中で最小である。
メンデルスゾーン交響曲第4番イ長調「イタリア」
1831年から1833年にかけて作曲された。イタリア旅行中に書き始められたこの曲は、躍動的なリズムでカーンと晴れたイタリアをイメージさせる明るい曲。とくに最初の生き生きとした出だしは印象的である。
ただメンデルスゾーンは書き上げたあとでもすぐに初演しなかったことで、作曲順がてれこになっている。4番はあくまでも出版順であって、作曲順では実は3番目であった。
ブラームス交響曲第4番ホ短調
推敲が重ねられ作曲に20年余年という長きを費やした第1番とは違い、第3番を作曲した直後の1884年から1885年にかけての1年たらずで作曲された最後の交響曲。
一般的に古い様式に独創性とロマン性を兼ね備えた作品と評されるが、ブラームス自身はこの作品をもっとも気に入っており「最高傑作」と自負した。技法が複雑すぎる点、また一種官能的で生々しさが漂うところはいかにもブラームスらしくもある。
マーラー交響曲第4番ト長調
ぼくはこの曲が大好きである。1番もいいし、5番もいい、でもこの4番の持つ”天上の優しさ”は別物でこの曲独特のものだが、他の作曲家の作品を見わたしてもこれ以上のものは見つからない。軽快さもさることながら、とくに第4楽章のソプラノの独唱に入るや、まさに天にも昇る心境になる。
1900年に完成している。ちょうどベートーヴェンが交響曲第1番を世に出してから100年の歳月が過ぎたころだった。
ブルックナー交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」
1874年年初に作曲を開始し、その年の11月下旬には書き上げられた。もちろんこの曲もその後何度も改訂がなされ、1878年稿、1878/1880年稿と辿るが、今日よく演奏されるのは、1878/80年稿に基づくハース版またはノヴァーク版第2稿である。いずれにしても初稿は1年足らずで一気に書き上げられた。
「ロマンティック」という表題が付いているためか親しみやすい。ブルックナーの作品にしては比較的短めで版によっては1時間そこそこのものもある。美しいメロディと活き活きとしたリズムが特徴的である。
ベートーヴェンに始まり、メンデルスゾーンを知り、ブラームスにはまり、一転マーラーに飛び、またいずれベートーヴェンに戻るのだが、その道すがら、ブルックナーの虜になったりもするのである。これは自分が今までに歩んできた道のりだが、でもこのことはおそらく多くのクラシックファンが辿る道順だとも思っている。そして言えるのはそのどれもが魅惑的で個性的で、独自の光を発し続けていることである。
ここではまとめてベルナルド・ハイティンクの指揮で聴く。ほかにカラヤン、アバドでも聴けるが、ハイティンクの演奏が最もメリハリが効いて良い。とくに晩年の指揮が。
ロンドン交響楽団
録音: 19-20 April 2006, Barbican, London, United Kingdom
メンデルスゾーン:
交響曲第4番 イ長調 「イタリア」 Op. 90ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
ブラームス:
ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
シルヴィア・マクネアー (ソプラノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ブルックナー:
ロンドン交響楽団
録音: 14 and 16 June 2011, Barbican, London
by kirakuossan
| 2019-03-31 12:39
| クラシック雑記帳
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