2018年 02月 03日
かぶ奮戦記 期待が大きいほど、失望も大きいということか? |
2018年2月3日(土)
今の値は昨年10月~11月あたりの水準で、その後、年末には800円後半から900円台に、1月には900円半ばあたりに位置し、最高値955円までつけた。通期の経常利益も会社予想では48億円から52億円と上方修正しているが、アナリストらによるコンセンサスなどではさらに上の56億円あたりを予想する。またコンセンサスは来期にはさらに上乗せした60億円台もみえているとし、先々は順調に推移するのではないか。
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先月終りから今月の上旬にかけて3月決算会社の第三四半期の実績と通期の予測が出てくる。そこで最近感じることだが、好業績発表が①素直に株価に反応するタイプ、②徐々に反応するタイプ、中には③逆に大幅に下げるケースなどまちまちである。概ね、即座に反応して翌日に株価を上げるのが普通で、その幅もまちまち。すでに織り込み済みなら小幅だし、予想外の好業績だったら、300~500円と大きく跳ねあがる。そしてもうひとつ不思議に思うのは、誰が見てもおそらく近々好決算の数値が出される銘柄で、その直前から株価をじりじりと下げてくる。気がつけばかなりの下落だが、その原因はつかめない。好発表の時の、リアクションを華々しくしたいが為かとも思うぐらいに逆にぶれるのがある。
そこで、例を挙げて検証してみると・・・
例えば、1月30日にその日の大引き後に好決算を発表した数社を比較してみた。もちろん、翌日の1月31日の株価に反映される。
6794フォースター電機
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比9.3倍の86.9億円に急拡大した。 併せて、通期の同利益を従来予想の60億円→95億円(前期は30.1億円)に58.3%上方修正し、増益率が98.9%増→3.1倍に拡大する見通しとなった。18/01/26 2,777 2,785 2,736 2,758 -4
18/01/29 2,766 2,766 2,710 2,737 -2118/01/30 2,736 2,736 2,655 2,718 -19
18/01/31 3,000 3,220 2,953 3,220 +502
18/02/01 3,220 3,465 3,195 3,375 +15518/02/02 3,335 3,375 3,260 3,355 -20
(1/26終値から2/2終値まで+597)(2/2終値と最高値との差-110円)
2810ハウス食品グループ
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比23.7%増の151億円に伸び、通期計画の161億円に対する進捗率は94.2%に達し、5年平均の87.9%も上回った。18/01/26 3,670 3,725 3,665 3,680 +20
18/01/29 3,690 3,715 3,660 3,660 -20
18/01/30 3,660 3,665 3,570 3,575 -8518/01/31 3,715 3,935 3,695 3,795 +220
18/02/01 3,770 3,775 3,640 3,685 -110
18/02/02 3,645 3,710 3,645 3,670 -15
(1/26終値から2/2終値まで-10)(2/2終値と最高値との差-265円)
2491バリューコマース
17年12月期の連結経常利益は前の期比2.3倍の22.5億円に急拡大し、従来予想の19.2億円を上回って着地。18年12月期も前期比8.6%増の24.5億円に伸びを見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。
18/01/26 794 807 791 804 +918/01/29 812 840 812 834 +30
18/01/30 835 841 801 822 -12
18/01/31 972 972 963 972 +15018/02/01 1,020 1,112 1,020 1,094 +122
18/02/02 1,090 1,135 1,076 1,125 +31(1/26終値から2/2終値まで+321)(2/2終値と最高値との差-10円)
6857アドバンテスト
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結税引き前利益は前年同期比0.3%増の97.7億円となった。 併せて、通期の同利益を従来予想の170億円→190億円(前期は150億円)に11.8%上方修正し、増益率が13.2%増→26.5%増に拡大する見通しとなった。
18/01/26 2,245 2,250 2,164 2,190 -8418/01/29 2,239 2,251 2,198 2,229 +39
18/01/30 2,204 2,223 2,174 2,197 -32
18/01/31 2,297 2,358 2,279 2,322 +125
18/02/01 2,345 2,366 2,283 2,317 -5
18/02/02 2,290 2,301 2,239 2,265 -52
(1/26終値から2/2終値まで+75)(2/2終値と最高値との差-101円)
6770アルプス電気
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比78.7%増の580億円に拡大した。 併せて、通期の同利益を従来予想の645億円→670億円(前期は427億円)に3.9%上方修正し、増益率が51.0%増→56.8%増に拡大し、従来の3期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せした。さらに業績好調に伴い、今期の年間配当を従来計画の34円→37円(前期は30円)に増額修正した。
18/01/26 3,155 3,170 3,120 3,135 -15
18/01/29 3,120 3,170 3,100 3,140 +5
18/01/30 3,050 3,145 3,035 3,110 -30
18/01/31 3,100 3,250 3,090 3,140 +3018/02/01 3,160 3,165 3,065 3,095 -45
18/02/02 3,100 3,175 3,080 3,115 +20
(1/26終値から2/2終値まで-20)(2/2終値と最高値との差-135円)
6810マクセルHD
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終利益は前年同期比2.0倍の65億円に急拡大した。 併せて、通期の同利益を従来予想の50億円→67億円(前期は57.2億円)に34.0%上方修正し、一転して17.1%増益見通しとなった。
18/01/26 2,429 2,487 2,425 2,444 +4 18/01/29 2,445 2,514 2,442 2,509 +65
18/01/30 2,559 2,596 2,538 2,560 +51
18/01/31 2,518 2,531 2,477 2,514 -4618/02/01 2,502 2,630 2,502 2,617 +103
18/02/02 2,615 2,669 2,609 2,651 +34(1/26終値から2/2終値まで+207)(2/2終値と最高値との差-18円)
5809タツタ電線
18年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比40.7%増の47.7億円に拡大した。 併せて、通期の同利益を従来予想の48億円→52億円(前期は43.6億円)に8.3%上方修正し、増益率が9.9%増→19.0%増に拡大する見通しとなった。18/01/26 938 938 926 931 -6
18/01/29 936 954 930 948 +1718/01/30 948 948 917 924 -24
18/01/31 804 836 774 803 -12118/02/01 833 834 806 829 +26
18/02/02 832 832 811 823 -6
(1/26終値から2/2終値まで-108)(2/2終値と最高値との差-131円)
発表後、翌日の株価の値上がり順に挙げているが、この中では、フォースター電機が増益率が3.1倍に拡大する見通しを出し、まさに急騰、ストップ高で翌日の商いを終えた。さすがに昨日は若干下げたが、結局先週1週間で600円の伸びを見せた。その同じころ、マクセルHDに、あれだけ講釈を並べ立て大きな期待を寄せていた小生はショックで寝込みたい心境にあった。暴騰どころか、一時は-83円にまで落ち、下落に始まり下落に終わってしまった。
先にも書いたように、銘柄によっては、いくら良い情報でもその取り方にはいろいろあるようで、普通は即反映する。フォースターはともかく、ハウス食品にしてもアドバンテストにしてもアルプス電気にしても、それぞれ+220円、+125円、+30円と素直に反応した。ただ数日置いて冷静になって見るとあることがわかった。先週末の終値で、ハウス食品とアルプス電気は値上りどころか先々週末から比べて、-10円、-20円とそれぞれ逆に値を下げている。アドバンテストにしたってわずか+75円にとどまっている。それに比べて、わが推奨のマクセルHDは、+207円と大幅に上げていたではないか(実は戻しているという方が正しいが)これを知って、幾分かは救われたのである。やはり講釈は間違ってはいなかったと・・・やはりじわりじわりと反応するタイプもあるのだ。しかも、マクセルの場合は、よく見れば26日から決算発表日まで、すでに徐々に値を上げ+120円も先取りした形で上昇していた。これがいわゆる織り込み済みとでも言うのだろうか、当日には逆に下げてしまったのだ。しかし、よくよく見れば、しかもコンセンサスと比較してもまだ割安とおおかたは判断したのだろう、1、2日と二日にわたりさらに+137円の上昇をみた。
このいったんは落ち込んだ日、ほかにも思惑とは逆に株価が下落し、気落ちしていそうな銘柄を見つけた、タツタ電線だ。なんとストップ安!ここもビッグな好決算ではないかも知れないが、何もストップ安まで売り込まれることはない。同じ3桁株でもあるバリューコマースが高騰しているのとは対照的で、結局この日-121円も下げてしまった。ここで急遽調べ上げ、この下げは行き過ぎだと判断、さすがに最底値では拾えなかったが、820円、830円あたりで3口参入した。
きっと翌日かその翌日かにはすぐに挽回してくるだろうと思ったが、以外に重く、ほぼ下がったままの横ばいで終始している。
タツタ電線(5809)
日足
18/02/02 832 832 811 823 -6
で、低く見ても25日線あたりの900円程度に戻すのは近いと判断し、週明けの様子を見て、もし800円前後にまだあるようなら、もう2~3口仕入れようかとも思っているぐらいだ。
さらには、あれだけ好材料なのに元気がないアルプス電気がひっかかる。期待が大きいほど、失望も大きいということか? また4月より社名もアルプスHDにかわり、 子会社アルパインと1:0.68で株式交換も行う。
分析検討余地大いにありや。
追記:
2018年2月5日(月)
2018/2/2 19:12 共同通信社
【ニューヨーク共同】米調査会社IDCが1日発表した2017年のスマートフォンの世界出荷台数(速報値)は、前年比0.1%減の14億7240万台となった。07年に登場した米アップルの「iPhone(アイフォーン)」をきっかけに拡大を続けてきた市場が縮小するのは初めてとみられる。普及が進み市場が飽和したほか、買い替えまでの期間が延びた。 メーカー別では、韓国のサムスン電子が1.9%増の3億1730万台で首位を維持。2位アップルは0.2%増の2億1580万台にとどまった。 中国勢は好調で、3位の華為技術(ファーウェイ)は9.9%増だった。
そうか、タツタ電線の急落、アルプス電気の不振の原因がわかった。とりあえず嫌気されたのだろう。《四季報》にもタツタの稿で「19年3月期は採用部位拡大及ばずスマホ用フィルム反落」とある。
他に、TDK、太陽誘電や旭硝子、大幅減益の富士通など多数が関連する。ソニーもその一つだが、先週末最高益の発表でいち早くADRで高騰しているが、はたして今日東京市場ではどうなのか。
タツタやアルプス、週明けに一層の下落もあり得る。
by kirakuossan
| 2018-02-03 11:37
| 株
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