2017年 07月 29日
続・指揮者100選☆13 アシュケナージ |

その思いは、今朝の彼が弾くバッハのフランス組曲を聴いて、一層確信するのである。指揮ぶりからは到底想像もつかないような、この繊細な、気くばりの効いた、デリケートな響きがピアノからはするのはなぜだろう。と言うより、これだけのそこはかとなく美を感じさせるような素晴らしいピアノが、一転指揮になると、ああも武骨で、見え透いた、無感動な凡演に変わるのだろう。
古今東西、ピアニストから指揮者に変身した人は数多い、先の3人以外にも古くはレナード・バーンスタインがもちろんそうだし、ゲオルク・ショルティ、ブルーノ・ワルターなどみな大指揮者になって忘れがちだがもとは卓越したピアニストでもあった。セルジュ・チェリビダッケなんか、ある著名なピアニストが「僕よりうまい」と言わせたほどの腕前だったらしい。☆録音は・・・
世に言われる彼が指揮者としての最初の成功作となったラフマニノフ全集。これはさすがラフマニノフだけあってピアニストのアシュケナージらしさが出ているように思える。
ラフマニニフ:
コンセルトヘボウ管弦楽団 - Concertgebouw Orchestra
ウラディーミル・アシュケナージ - Vladimir Ashkenazy (指揮)
(録音: September 1981, Concertgebouw, Grote Zaal, Amsterdam, Netherlands)
☆私見・・・
不思議なのはロイヤル・フィル、ベルリン・ドイツ響、そしてチェコ・フィルといったビッグなオーケストラの首席に就いたことだ。N響の桂冠指揮者というのはよく似合っているが、チェコ・フィルだけは理解できない。1996年から2003年までの長きにわたりチェコ・フィルの首席に就いたが、あのオケの水準を一時期落としたのは彼と思っている。ここまでケナしてなんだが、それは即ちピアニストとしては素晴しいという裏返しでもある。また人柄もたいへん温厚で好人物であることはみなが知るところである。だから余計に、彼こそピアニストのままでいて欲しかった。
☆Myライブラリーより・・・
フィルハーモニア管とのシベリウスの第1番と組曲カレリアが1枚ある。
言いたい放題失礼、
そこで、その彼のフランス組曲を。昨年79歳での演奏、決して枯れてはいない。
録音: 8-9 April 2016, Potton Hall, Suffolk, United Kingdom
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by kirakuossan
| 2017-07-29 06:23
| 続・指揮者100選
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