2017年 06月 24日
続・指揮者100選☆11 スタインバーグ |
2017年6月24日(土)
ウィリアム・スタインバーグ(William Steinberg, ドイツ 1899~1978)というユダヤ系ドイツ人指揮者がいた。彼がピッツバーグ交響楽団 を振ったベートーヴェンの第7番を聴いているが、骨格のしっかりした、それでいてしなやかな、これがなかなか好い。かたやモーツァルトのセレナード第13番などの曲では、これ以上ない美しさと愛らしいさを見事に再現する。
戦前ナチスによりフランクフルト歌劇場を追われ、パレスチナに移住した。そこでブロニスワフ・フーベルマンらと共にパレスチナ交響楽団(現イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団)を結成し、初代の指揮者を務めることとなる。フーベルマンとはチャイコフスキーのヴァイオリンコンチェルトで共演し、他のオケとだがその録音も残っている。その後トスカニーニの招きでNBC交響楽団の育成のため渡米し、サンフランシスコ・オペラやニュヨーク・フィル、ボストン交響楽団に客演、戦後はバッファロー・フィルハーモニー管弦楽団やピッツバーグ交響楽団の首席に就く。とくにピッツバーグは1952年から76年の長きにわたりその地位にあった。やがて69年から4年間ボストン交響楽団の音楽監督も兼任、小澤征爾にバトンを引き継いだ指揮者でもあった。

交響曲第7番 イ長調 Op. 92
Symphony No. 7 in A Major, Op. 92
- ピッツバーグ交響楽団 - Pittsburgh Symphony Orchestra
- ウィリアム・スタインバーグ - William Steinberg (指揮)
録音: 1962
モーツァルト:
セレナード第13番 ト長調 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K. 525
Serenade No. 13 in G Major, K. 525, "Eine kleine Nachtmusik"
- ピッツバーグ交響楽団 - Pittsburgh Symphony Orchestra
- ウィリアム・スタインバーグ - William Steinberg (指揮)

☆演奏スタイルは・・・
玄人受けするような重厚な指揮。
☆録音は・・・
レパートリーは広く、一方では、ボストン響とのホルスト「惑星」やケルン放送響とのマーラー「復活」、さらにはピッツバーグ響とのヒンデミットの「画家マチス」などの評判の録音も残した。
☆私見・・・
確か晩年にN響を振っている姿を見て知っている。背が高くがっしりとした体格の厳つい指揮者だったがここまでの大物指揮者とは知らなかった。これだけ重要なポストを任され大指揮者としての輝かしい経歴を有するのに、その名がそれほどまでに聞こえてこないのは何故だろう。しかもこれらの秀演を耳にするとなおさらそう感じる。
ブダペスト・フィルの首席指揮者を務め、先月東京でアンヌ・ケフェレックと共演などしているピンカス・スタインバーグは彼の息子である。
☆Myライブラリーより・・・
ベートヴェン:
ヴァイオリン協奏曲ニ長調
ロンドン・フィル
ライナー・キュッヒル(vn)
by kirakuossan
| 2017-06-24 07:46
| 続・指揮者100選
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