2017年 02月 27日
今日も「快活の人」 |
2017年2月27日(月)
昨日の記事別アクセスに顔を出していたのでわかったが、以前にこのブログでアップしたヘンデルのオラトリオの記事を見に来られた人がおられる。そして今朝、また自分もそれを読み返し、聴き返し、そして新たな感動に浸っている。
先日、原庵店主も言っていたが、「ヘンデルの歌曲って、なかなか好いですね」
ホント、僕もそう思う。今日も「快活の人」で行こう。。。
「快活の人、沈思の人、温和の人」
2015年6月20日(土)
「快活の人、沈思の人、温和の人」、一風変わった表題の音楽に惹かれた。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが「メサイア」の直前に書き上げたオラトリオである。これは宗教色はなく劇場向けに書かれた英語合唱の三部形式のオラトリオ。それぞれの人物の性格を表す音楽を、時には対立させ、また融合させ、最後には”温和な人”によって融和が図られるという音楽的物語りである。
第一部と第二部は、快活の人が田園と町の生活の楽しさを賛美し、沈思の人が内面の楽しさを称揚する。ジョン・ミルトン作の二つの詩にある”愉悦と思考”を混合させたもので、第三部ではチャールズ・ジェネンズによる詩で、温和な人がこの対極的な人の互いの長所を補完し合い、融合を図るというオラトリオ。英国のオラトリオ史において重要な位置を占めるヘンデルの知られざる傑作とされる。二人のソプラノにアルト、テノール、バスが登場し、イタリア風のメロディのアリアとアンサンブルが次々と軽快に繰り広げられ、合唱がこれを支え盛りあげる、実に楽しいオラトリオである。2時間近い大局なのに、つい繰り返し繰り返し聴きこんでしまう。
ディスクの数はそう多くはないが、イングリッシュ・バロック・ソロイスツをジョン・エリオット・ガーディナーが指揮するErato盤はさすがに表現力に満ちドラマティックであるが、ソプラノ陣が弱い。これにひきかえ、同じErato盤だが、ジョン・ネルソンがアンサンブル・オルケストラル・ド・パリを指揮した方がより楽しい音楽にバランス良く仕上がっている。何といってもソプラノ陣がまとまっており、リン・ドーソンの愛嬌ある美声が魅惑的である。第一部最後のアリア Or let the merry bells ring round 、第三部最後の方のイアン・ボストリッジ
(テノール)とのデュエット As steals the morn upon the night など、聴き惚れてしまう。
もう一枚、コレギウム・カルトゥシアヌムを指揮したペーター・ノイマン盤も真摯な演奏をイメージさせる。ここでのソプラノはマリア・ケオハネ。彼女も今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャポン2015でバッハのカンタータを謳い、好評を博したシンガーだ。
気がついたら昨日の昼から今朝までに3種のディスクをそれぞれ2回ずつ聴いてしまった。聴きこめば聴きこむほど味わいがでるオラトリオでもある。さしずめ自分は・・・というと「沈思の人」ではないし、「快活の人」だろうな、やっぱし。
ヘンデル55歳の作品である。
リン・ドーソンといえば3年前の草津夏期国際音楽フェスティヴァルに参加している。昨年8月初めてこのフェスティヴァルを経験したが、今年も17日のオープニング・コンサートに出かけるべく、昨日チケットを手配した。今年もアントニ・ヴィット指揮=群馬交響楽団で「田園」と「火の鳥」、さらにクラリネットの名手カール・ライスターを迎えてのモーツァルトのクラリネット協奏曲が聴ける。
ヘンデル:
オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」
リン・ドーソン - Lynne Dawson (ソプラノ)
クリスティーヌ・ブランデス - Christine Brandes (ソプラノ)
デイヴィッド・ダニエルス - David Daniels (アルト)
イアン・ボストリッジ - Ian Bostridge (テノール)
アラステア・マイルズ - Alastair Miles (バス)
バッハ合唱団 - Bach Choir, The
アンサンブル・オルケストラル・ド・パリ - Ensemble Orchestral de Paris
ジョン・ネルソン - John Nelson (指揮者)
昨日の記事別アクセスに顔を出していたのでわかったが、以前にこのブログでアップしたヘンデルのオラトリオの記事を見に来られた人がおられる。そして今朝、また自分もそれを読み返し、聴き返し、そして新たな感動に浸っている。
先日、原庵店主も言っていたが、「ヘンデルの歌曲って、なかなか好いですね」
ホント、僕もそう思う。今日も「快活の人」で行こう。。。
「快活の人、沈思の人、温和の人」
2015年6月20日(土)
「快活の人、沈思の人、温和の人」、一風変わった表題の音楽に惹かれた。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが「メサイア」の直前に書き上げたオラトリオである。これは宗教色はなく劇場向けに書かれた英語合唱の三部形式のオラトリオ。それぞれの人物の性格を表す音楽を、時には対立させ、また融合させ、最後には”温和な人”によって融和が図られるという音楽的物語りである。
第一部と第二部は、快活の人が田園と町の生活の楽しさを賛美し、沈思の人が内面の楽しさを称揚する。ジョン・ミルトン作の二つの詩にある”愉悦と思考”を混合させたもので、第三部ではチャールズ・ジェネンズによる詩で、温和な人がこの対極的な人の互いの長所を補完し合い、融合を図るというオラトリオ。英国のオラトリオ史において重要な位置を占めるヘンデルの知られざる傑作とされる。二人のソプラノにアルト、テノール、バスが登場し、イタリア風のメロディのアリアとアンサンブルが次々と軽快に繰り広げられ、合唱がこれを支え盛りあげる、実に楽しいオラトリオである。2時間近い大局なのに、つい繰り返し繰り返し聴きこんでしまう。
ディスクの数はそう多くはないが、イングリッシュ・バロック・ソロイスツをジョン・エリオット・ガーディナーが指揮するErato盤はさすがに表現力に満ちドラマティックであるが、ソプラノ陣が弱い。これにひきかえ、同じErato盤だが、ジョン・ネルソンがアンサンブル・オルケストラル・ド・パリを指揮した方がより楽しい音楽にバランス良く仕上がっている。何といってもソプラノ陣がまとまっており、リン・ドーソンの愛嬌ある美声が魅惑的である。第一部最後のアリア Or let the merry bells ring round 、第三部最後の方のイアン・ボストリッジ
(テノール)とのデュエット As steals the morn upon the night など、聴き惚れてしまう。
もう一枚、コレギウム・カルトゥシアヌムを指揮したペーター・ノイマン盤も真摯な演奏をイメージさせる。ここでのソプラノはマリア・ケオハネ。彼女も今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャポン2015でバッハのカンタータを謳い、好評を博したシンガーだ。
気がついたら昨日の昼から今朝までに3種のディスクをそれぞれ2回ずつ聴いてしまった。聴きこめば聴きこむほど味わいがでるオラトリオでもある。さしずめ自分は・・・というと「沈思の人」ではないし、「快活の人」だろうな、やっぱし。
ヘンデル55歳の作品である。
リン・ドーソンといえば3年前の草津夏期国際音楽フェスティヴァルに参加している。昨年8月初めてこのフェスティヴァルを経験したが、今年も17日のオープニング・コンサートに出かけるべく、昨日チケットを手配した。今年もアントニ・ヴィット指揮=群馬交響楽団で「田園」と「火の鳥」、さらにクラリネットの名手カール・ライスターを迎えてのモーツァルトのクラリネット協奏曲が聴ける。
ヘンデル:
オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」
リン・ドーソン - Lynne Dawson (ソプラノ)
クリスティーヌ・ブランデス - Christine Brandes (ソプラノ)
デイヴィッド・ダニエルス - David Daniels (アルト)
イアン・ボストリッジ - Ian Bostridge (テノール)
アラステア・マイルズ - Alastair Miles (バス)
バッハ合唱団 - Bach Choir, The
アンサンブル・オルケストラル・ド・パリ - Ensemble Orchestral de Paris
ジョン・ネルソン - John Nelson (指揮者)
by kirakuossan
| 2017-02-27 08:05
| クラシック
|
Trackback