2017年 02月 15日
続・指揮者100選☆7 ブロムシュテット |
2017年2月15日(水)
サンフランシスコ交響楽団の音楽監督を1985年から10年間務め、現在は桂冠指揮者にあるヘルベルト・ブロムシュテット(Herbert Blomstedt, スウェーデン 1927~)は今年で90歳になる。ブーレーズが、マリナーが、そしてプレートルの亡き後、いまや世界最高齢の指揮者になった。
もうすこし若い頃の彼をみていると、サンフランシスコ響の同じ地位にあったからでもないだろうが、マイケル・ティルソン=トーマスと雰囲気がとてもよく似ている。スマートで、一見ソフトムードを漂わせるところなどそっくりだ。
ブロムシュテットは恵まれた指揮者活動を今日まで歩んできた。スウェーデン生まれである彼は最初北欧系のノールショピング交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、デンマーク放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団の首席指揮者を歴任、その後、1975年、48歳にして名門シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就く。そこでの10年が彼をスターダムに押し上げたといえるだろう。そしてサンフランシスコ交響楽団を10年、1996年から2年間は北ドイツ放送交響楽団、1998年から7年はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ということで主だったオーケストラを率いて来た。ただ、これだけのキャリアを誇りながら、大巨匠の印象を抱かせないし、N響との度重なる共演にもかかわらずもうひとつ人気を博さないのも不思議な事である。
☆演奏スタイルは・・・
レパートリーは幅広く、ドイツものをはじめ、シベリウスなどの北欧ものからニールセンまでこなす。全般的に中庸の域を出ないような指揮だが、それが堅実でもあり退屈でもある。ただ、演奏によっては一発ハマれば凄い感動を呼びおこすような指揮ぶりも見せる。
☆録音は・・・
シュターツカペレ・ドレスデンとの録音を多く残し、 最古参オケの戦前からの”くすんだ魅力ある音色”を戦後になってもカイルベルト、ケンペ、コンヴィチュニー、マタチッチ、スウィトナー、ザンデルリングと引き継いできたが、彼がその最後の再現者である。
ドヴォルザーク:
交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
シュターツカペレ・ドレスデン - Dresden Staatskapelle
ヘルベルト・ブロムシュテット - Herbert Blomstedt (指揮)
このドヴォルザークなど、ブロムシュテットとドレスデンの相性の良さを忠実に再現した1枚と言える。
☆私見・・・
リハーサルは非常に厳格なことで知られる。逸話として、来日してN響を振った最初の頃、ホルン奏者の演奏が自分の考えと合わず、演奏会ギリギリまで練習させたことがある。彼のこのような徹底した、厳格さが魅力でもあり、反面、煙たがられる要因にもなっているのだろう。
☆Myライブラリーより・・・
ブルックナー:
交響曲第7番 ホ長調
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
(1980年6月:ルカ教会)
派手さはないが、聴きこめば聴きこむほど味わいが増す演奏である。
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もうすこし若い頃の彼をみていると、サンフランシスコ響の同じ地位にあったからでもないだろうが、マイケル・ティルソン=トーマスと雰囲気がとてもよく似ている。スマートで、一見ソフトムードを漂わせるところなどそっくりだ。
ブロムシュテットは恵まれた指揮者活動を今日まで歩んできた。スウェーデン生まれである彼は最初北欧系のノールショピング交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、デンマーク放送交響楽団、スウェーデン放送交響楽団の首席指揮者を歴任、その後、1975年、48歳にして名門シュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者に就く。そこでの10年が彼をスターダムに押し上げたといえるだろう。そしてサンフランシスコ交響楽団を10年、1996年から2年間は北ドイツ放送交響楽団、1998年から7年はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、ということで主だったオーケストラを率いて来た。ただ、これだけのキャリアを誇りながら、大巨匠の印象を抱かせないし、N響との度重なる共演にもかかわらずもうひとつ人気を博さないのも不思議な事である。

レパートリーは幅広く、ドイツものをはじめ、シベリウスなどの北欧ものからニールセンまでこなす。全般的に中庸の域を出ないような指揮だが、それが堅実でもあり退屈でもある。ただ、演奏によっては一発ハマれば凄い感動を呼びおこすような指揮ぶりも見せる。
☆録音は・・・
シュターツカペレ・ドレスデンとの録音を多く残し、 最古参オケの戦前からの”くすんだ魅力ある音色”を戦後になってもカイルベルト、ケンペ、コンヴィチュニー、マタチッチ、スウィトナー、ザンデルリングと引き継いできたが、彼がその最後の再現者である。
ドヴォルザーク:
交響曲第8番 ト長調 Op. 88, B. 163
シュターツカペレ・ドレスデン - Dresden Staatskapelle
ヘルベルト・ブロムシュテット - Herbert Blomstedt (指揮)
このドヴォルザークなど、ブロムシュテットとドレスデンの相性の良さを忠実に再現した1枚と言える。
☆私見・・・
リハーサルは非常に厳格なことで知られる。逸話として、来日してN響を振った最初の頃、ホルン奏者の演奏が自分の考えと合わず、演奏会ギリギリまで練習させたことがある。彼のこのような徹底した、厳格さが魅力でもあり、反面、煙たがられる要因にもなっているのだろう。
☆Myライブラリーより・・・

交響曲第7番 ホ長調
シュターツカペレ・ドレスデン
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
(1980年6月:ルカ教会)
派手さはないが、聴きこめば聴きこむほど味わいが増す演奏である。
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by kirakuossan
| 2017-02-15 08:29
| 続・指揮者100選
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