2017年 02月 03日
続・指揮者100選☆6 ヘルビッヒ |
2017年2月3日(金)
旧のチェコスロバキア出身のドイツの指揮者にギュンター・ヘルビッヒ(Günther Herbig, チェコ 1931~)がいる。その名はほとんど知られていない。最初あの退屈な指揮をするフィリップ・ヘレヴェッヘ(1947~)かと思い違いするぐらいで、とにかく控え目で地味な指揮者である。現在80歳半ばを越えて、まだ現役かどうかは定かではないが、ここまでの足跡をみても裏方に徹している。
たとえば2001年から2006年までザールブリュッケン放送交響楽団の音楽監督に就任するが、ザールブリュッケンの顔と言えばあのMr.S、ことスクロヴァチェフスキの存在である。
Mr.Sは客演指揮者の立場であるが、ベートーヴェン交響曲全集を録音するなどして華やかな表舞台で評価される。その影でこの無名のオーケストラをしっかりと鍛え上げて来たのは他でもないヘルビッヒだったのだ。
彼は指揮法をヘルマン・アーベントロートやヘルマン・シェルヘンに学んできたというから筋金入りである。東欧圏に生まれたヘルビッヒは30歳代にベルリン交響楽団やドレスデン・フィルの首席や芸術監督を務めるが、彼の本当の活躍は、国外脱出後の50歳代になってからの活動にある。1984年にデトロイト交響楽団の首席指揮者に、1988年から1994年までの間はトロント交響楽団の音楽監督に就任した。デトロイトではアンタル・ドラティの次に就任、ネーメ・ヤルヴィに引き継いだ。トロントでは同じチェコのカレル・アンチェル、そしてアンドルー・デイヴィスのあとを受持ち、ユッカ=ペッカ・サラステにその地位を譲った。この顔ぶれを見ても、相前後する指揮者たちの前に一歩控えた位置にある。ちょうどその隙間に存在したような印象をどうしても持ってしまう。でもアメリカでの活躍をよく知る米国民には人気を博している。他でもときおりあることだが、その割に日本ではほとんど知られていないという事実である。1976年初来日しこれまでに3度も日本を訪れているのに・・・である。
☆演奏スタイルは・・・
奇をてらった演出は一切なく、あくまでも作品に忠実で、淡々とした流れに乗る。このことが聴くものに、退屈さと、平凡さを抱かせるのかもしれないが、真の彼の音楽の表現が、その真面目さ、誠実さを通して聴きこむにつれて安心感とともに醸成されてくる。
☆録音は・・・
ブラームスとハイドンの交響曲が評価されている。ただ不思議なのは、ここでもアメリカのオーケストラとの録音を残していない。すべて美味しいところは、前後する他の指揮者に持って行かれたように。そんなところにもオーケストラビルダーでもあった彼の真骨頂がある。
ブラームス:
交響曲第2番 ニ長調 Op. 73
ベルリン交響楽団
ギュンター・ヘルビッヒ(指揮)
☆私見・・・
彼の一見変哲もないような音楽が、実はじっくりと耳を傾ければその良さがしみじみと伝わって来る。たとえばブラームスで言えば、彼に向いているのは第1番より第2番の方で、より彼の持ち味が醸し出される、といったそんなふうな指揮者なのである。
☆
Myライブラリーより・・・
持ち合わせていない。
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たとえば2001年から2006年までザールブリュッケン放送交響楽団の音楽監督に就任するが、ザールブリュッケンの顔と言えばあのMr.S、ことスクロヴァチェフスキの存在である。
Mr.Sは客演指揮者の立場であるが、ベートーヴェン交響曲全集を録音するなどして華やかな表舞台で評価される。その影でこの無名のオーケストラをしっかりと鍛え上げて来たのは他でもないヘルビッヒだったのだ。
彼は指揮法をヘルマン・アーベントロートやヘルマン・シェルヘンに学んできたというから筋金入りである。東欧圏に生まれたヘルビッヒは30歳代にベルリン交響楽団やドレスデン・フィルの首席や芸術監督を務めるが、彼の本当の活躍は、国外脱出後の50歳代になってからの活動にある。1984年にデトロイト交響楽団の首席指揮者に、1988年から1994年までの間はトロント交響楽団の音楽監督に就任した。デトロイトではアンタル・ドラティの次に就任、ネーメ・ヤルヴィに引き継いだ。トロントでは同じチェコのカレル・アンチェル、そしてアンドルー・デイヴィスのあとを受持ち、ユッカ=ペッカ・サラステにその地位を譲った。この顔ぶれを見ても、相前後する指揮者たちの前に一歩控えた位置にある。ちょうどその隙間に存在したような印象をどうしても持ってしまう。でもアメリカでの活躍をよく知る米国民には人気を博している。他でもときおりあることだが、その割に日本ではほとんど知られていないという事実である。1976年初来日しこれまでに3度も日本を訪れているのに・・・である。
☆演奏スタイルは・・・
奇をてらった演出は一切なく、あくまでも作品に忠実で、淡々とした流れに乗る。このことが聴くものに、退屈さと、平凡さを抱かせるのかもしれないが、真の彼の音楽の表現が、その真面目さ、誠実さを通して聴きこむにつれて安心感とともに醸成されてくる。
☆録音は・・・
ブラームスとハイドンの交響曲が評価されている。ただ不思議なのは、ここでもアメリカのオーケストラとの録音を残していない。すべて美味しいところは、前後する他の指揮者に持って行かれたように。そんなところにもオーケストラビルダーでもあった彼の真骨頂がある。

交響曲第2番 ニ長調 Op. 73
ベルリン交響楽団
ギュンター・ヘルビッヒ(指揮)
☆私見・・・
彼の一見変哲もないような音楽が、実はじっくりと耳を傾ければその良さがしみじみと伝わって来る。たとえばブラームスで言えば、彼に向いているのは第1番より第2番の方で、より彼の持ち味が醸し出される、といったそんなふうな指揮者なのである。
☆

持ち合わせていない。
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by kirakuossan
| 2017-02-03 08:58
| 続・指揮者100選
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