2017年 01月 25日
昔の記事を振り返り読む愉しみ |
2017年1月25日(水)
やっぱり!
一昨日からアルフレッド・ブレンデルの記事がわがブログのランキングでベスト10入りしている。2014年2月24日(月)、ほぼ3年前に書いた記事だが、突如こうして蘇って来る。これはグーグルでブレンデルを何かの都合で検索した人が、トップページのWikipediaの次の次に紹介された「気楽おっさん」のブログにさり気に入って来るためだ。
そこで自分も思い出して再度読み直し、そしてその音楽を改めて聴き直すきっかけとなる。
すでに記事数も6000件を越えてくると、なかには記憶が薄れているものもあって、日々日々新しい記事を更新していると、こうして昔書いた記事を読み直すきっかけとなることは自分にとってもありがたいことなのである。昔の記事を振り返り読むのは愉しみである。
モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」ニ長調を称賛しているが、この曲はイングリット・ヘブラーをおいてほかにないと最近思いがちであったが、ブレンデルのもなかなか聴かせるとあって再発見である。彼は2008年12月のコンサートをもって引退することを表明したが、今年でもう80歳半ばになっているのだ。今から思えば、引退は早すぎたのでは・・・、もう少し長く弾いていて欲しかったと、今頃になって思うのである。
ピアニスト列伝―8 アルフレッド・ブレンデル
2014年2月24日(月)
アルフレッド・ブレンデル(Alfred Brendel, 1931~)はチェコ出身のオーストリアのピアニストである。最近まではとくにそうは感じなかったが、アバドとの共演によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の人間味豊かな秀演を聴き感動した。
そしてまた今、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」ニ長調 をほかの日本人ピアニストの演奏と聴き比べて見て、そのあまりにもの違いと、彼の音楽性の高さを今更ながらに思い知らされることとなる。この曲は、1789年(フランス革命)モーツァルト 晩年の作品で、人気作曲家として名を知られるようになっていたが、経済状況はどん底にあった中、ポツダムで出会ったチェロ奏者ジャン・ピエール・デュポールの作品に基づいてこの変奏曲が作曲された。和音が美しく響くのが特徴で、転調やオクターブによるダイナミックさも加わり、聴く以上に変化に富んだ深さを見せるピアノ曲である。しかし、音楽性に乏しいピアニストが弾くと、単なるピアノ練習曲にしか聴こえないから不思議だ。この曲を他の誰よりも、彼は、丁寧に、気持をこめて弾ききる。そこには真摯な態度に満ちた人間性さえ浮かび上がってくるようだ。
ブレンデルの演奏は、華麗さや派手さはなく、地味ではあるが、知的で、音楽性に富み、王道を行くピアニストと言える。それに、彼の人間性の豊かさであろう。
レパートリーはたいへん広く、中でもハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンといった、ドイツ・オーストリア音楽に長け、とくにベートーヴェンとシューベルトはその中心をなす。
NML のラインナップを探して見ると、彼の30歳前半の若い時期のディスクがある。その中でハイドンのピアノ協奏曲ニ長調Hob.XVIII:11を聴くが、どちらかと言えば単調で変化に乏しいハイドンが、ここまでも生き生きと、飽きさせない、しかも深い音楽になるかと感心する。
彼は確かにレパートリーは広いが、録音に関しては、こだわりを持ち、重要であると考える作品は何度もレコーディングを重ねた。たとえば、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲やピアノ協奏曲は3度録音し、シューマンやブラームスのコンチェルトも2度、さらにはシェーンベルクのピアノ協奏曲といった珍しいものまで2度録音している。
NML ではズービン・メータ指揮ウィーン交響楽団とのピアノコンチェルトを聴くことができる。
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73
数年前に引退宣言をしたため、残念ながら、今聴けるのは彼の数多くのディスクにおいてのみである。
そうそう、もう一曲、シューベルトを挙げておこう。即興曲を聴いていると、シューベルトという作曲家もホントいいなーと思う。
4つの即興曲 Op. 90/D. 899
4つの即興曲 Op. 142/D. 935
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一昨日からアルフレッド・ブレンデルの記事がわがブログのランキングでベスト10入りしている。2014年2月24日(月)、ほぼ3年前に書いた記事だが、突如こうして蘇って来る。これはグーグルでブレンデルを何かの都合で検索した人が、トップページのWikipediaの次の次に紹介された「気楽おっさん」のブログにさり気に入って来るためだ。
そこで自分も思い出して再度読み直し、そしてその音楽を改めて聴き直すきっかけとなる。
すでに記事数も6000件を越えてくると、なかには記憶が薄れているものもあって、日々日々新しい記事を更新していると、こうして昔書いた記事を読み直すきっかけとなることは自分にとってもありがたいことなのである。昔の記事を振り返り読むのは愉しみである。
モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」ニ長調を称賛しているが、この曲はイングリット・ヘブラーをおいてほかにないと最近思いがちであったが、ブレンデルのもなかなか聴かせるとあって再発見である。彼は2008年12月のコンサートをもって引退することを表明したが、今年でもう80歳半ばになっているのだ。今から思えば、引退は早すぎたのでは・・・、もう少し長く弾いていて欲しかったと、今頃になって思うのである。
ピアニスト列伝―8 アルフレッド・ブレンデル
2014年2月24日(月)
そしてまた今、モーツァルトの「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」ニ長調 をほかの日本人ピアニストの演奏と聴き比べて見て、そのあまりにもの違いと、彼の音楽性の高さを今更ながらに思い知らされることとなる。この曲は、1789年(フランス革命)モーツァルト 晩年の作品で、人気作曲家として名を知られるようになっていたが、経済状況はどん底にあった中、ポツダムで出会ったチェロ奏者ジャン・ピエール・デュポールの作品に基づいてこの変奏曲が作曲された。和音が美しく響くのが特徴で、転調やオクターブによるダイナミックさも加わり、聴く以上に変化に富んだ深さを見せるピアノ曲である。しかし、音楽性に乏しいピアニストが弾くと、単なるピアノ練習曲にしか聴こえないから不思議だ。この曲を他の誰よりも、彼は、丁寧に、気持をこめて弾ききる。そこには真摯な態度に満ちた人間性さえ浮かび上がってくるようだ。
ブレンデルの演奏は、華麗さや派手さはなく、地味ではあるが、知的で、音楽性に富み、王道を行くピアニストと言える。それに、彼の人間性の豊かさであろう。
レパートリーはたいへん広く、中でもハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト、シューマンといった、ドイツ・オーストリア音楽に長け、とくにベートーヴェンとシューベルトはその中心をなす。
NML のラインナップを探して見ると、彼の30歳前半の若い時期のディスクがある。その中でハイドンのピアノ協奏曲ニ長調Hob.XVIII:11を聴くが、どちらかと言えば単調で変化に乏しいハイドンが、ここまでも生き生きと、飽きさせない、しかも深い音楽になるかと感心する。
彼は確かにレパートリーは広いが、録音に関しては、こだわりを持ち、重要であると考える作品は何度もレコーディングを重ねた。たとえば、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲やピアノ協奏曲は3度録音し、シューマンやブラームスのコンチェルトも2度、さらにはシェーンベルクのピアノ協奏曲といった珍しいものまで2度録音している。
NML ではズービン・メータ指揮ウィーン交響楽団とのピアノコンチェルトを聴くことができる。
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73
数年前に引退宣言をしたため、残念ながら、今聴けるのは彼の数多くのディスクにおいてのみである。
そうそう、もう一曲、シューベルトを挙げておこう。即興曲を聴いていると、シューベルトという作曲家もホントいいなーと思う。
4つの即興曲 Op. 90/D. 899
4つの即興曲 Op. 142/D. 935
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by kirakuossan
| 2017-01-25 22:02
| クラシック
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