2016年 08月 02日
指揮者100選☆95 スメターチェク |
2016年8月2日(火)
チェコ人でヴァーツラフという名がつくと一等に思い起こすのはヴァーツラフ・ターリヒであり、もうひとりはヴァーツラフ・ノイマンだろう。実はもう一人のヴァーツラフがいる。
彼の名はヴァーツラフ・スメターチェク(Václav Smetáček, チェコ1906~1986)オーボエ奏者で作曲家でもあったが、正直前者ふたりと比べて知名度では劣るが、実力的には三人の中では最も上かも知れない。
評論家宇野功芳の言葉を借りれば、「音楽的にはノイマンよりスメターチェクのほうが断然上なのだが、ノイマンの政治力がすごいのでスメターチェクが目立たないでいる」ということになる。ヴァーツラフ・ノイマン ほど生前の活躍の割には、亡くなってから影が薄くなった指揮者も珍しいのではないか、とノイマンの稿で書いたが、こういうことも遠因にあるのではないかと今気づいた。そういうと昨年暮れ世を去ったクルト・マズアも芸術的力量ではなく政治力によって地位が築かれたものだと言われたが、1年もたたないのにもはや忘れられた存在だ。
チェコでの最高のオーケストラはいうまでもなくチェコ・フィルハーモニー管弦楽団であるが、それに次ぐのがプラハ交響楽団だろう。スメターチェクは1942年から30年間の長きにわたり、首席指揮者の地位に就き、同楽団の基礎を築いた功労者である。
☆演奏スタイルは・・・
誠実で、ありのままで、そして輪郭が明確でスッキリとした演奏を聴かせる。それはある意味、彼の人柄そのものであったであろう。そのことはこのスメタナの交響詩「わが祖国」を耳にすれば大いに頷けるところである。
スメタナ:
連作交響詩「わが祖国」
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)
(録音: 8-13 September 1980, Dvořák Hall Rudolfinum, Prague, Czech Republic)
☆録音は・・・
比較的若い時期から国外に出向き演奏会を開いたが、来日して東京交響楽団などを振ったりもした。お国もの以外にもモーツァルトやベートーヴェンなども演奏したが、全体的に残したレコーディングは多い方ではなかった。
ドヴォルザーク:
ミサ曲 ニ長調 Op. 86, B. 153
プラハ交響楽団
ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)
(録音: November 1969, Rudolfinum, Prague, Czech Republic)
☆私見・・・
彼は「チェコのカラヤン」と称された。その本意は分からないが、少なくともふたりの創り出す音楽は全く違った、というより正反対のような思いがする。スメターチェクはギラギラさせない、あくまで質素で、それでいて音楽の核心を突く、そんな上品な指揮であった。
☆Myライブラリーより・・・
ステファンスカのショパンのピアノ協奏曲の伴奏が1曲あるのみ。
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チェコ人でヴァーツラフという名がつくと一等に思い起こすのはヴァーツラフ・ターリヒであり、もうひとりはヴァーツラフ・ノイマンだろう。実はもう一人のヴァーツラフがいる。
彼の名はヴァーツラフ・スメターチェク(Václav Smetáček, チェコ1906~1986)オーボエ奏者で作曲家でもあったが、正直前者ふたりと比べて知名度では劣るが、実力的には三人の中では最も上かも知れない。
評論家宇野功芳の言葉を借りれば、「音楽的にはノイマンよりスメターチェクのほうが断然上なのだが、ノイマンの政治力がすごいのでスメターチェクが目立たないでいる」ということになる。ヴァーツラフ・ノイマン ほど生前の活躍の割には、亡くなってから影が薄くなった指揮者も珍しいのではないか、とノイマンの稿で書いたが、こういうことも遠因にあるのではないかと今気づいた。そういうと昨年暮れ世を去ったクルト・マズアも芸術的力量ではなく政治力によって地位が築かれたものだと言われたが、1年もたたないのにもはや忘れられた存在だ。
チェコでの最高のオーケストラはいうまでもなくチェコ・フィルハーモニー管弦楽団であるが、それに次ぐのがプラハ交響楽団だろう。スメターチェクは1942年から30年間の長きにわたり、首席指揮者の地位に就き、同楽団の基礎を築いた功労者である。
☆演奏スタイルは・・・
誠実で、ありのままで、そして輪郭が明確でスッキリとした演奏を聴かせる。それはある意味、彼の人柄そのものであったであろう。そのことはこのスメタナの交響詩「わが祖国」を耳にすれば大いに頷けるところである。
スメタナ:
連作交響詩「わが祖国」
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)
(録音: 8-13 September 1980, Dvořák Hall Rudolfinum, Prague, Czech Republic)
☆録音は・・・
比較的若い時期から国外に出向き演奏会を開いたが、来日して東京交響楽団などを振ったりもした。お国もの以外にもモーツァルトやベートーヴェンなども演奏したが、全体的に残したレコーディングは多い方ではなかった。
ドヴォルザーク:
ミサ曲 ニ長調 Op. 86, B. 153
プラハ交響楽団
ヴァーツラフ・スメターチェク(指揮)
(録音: November 1969, Rudolfinum, Prague, Czech Republic)
☆私見・・・
彼は「チェコのカラヤン」と称された。その本意は分からないが、少なくともふたりの創り出す音楽は全く違った、というより正反対のような思いがする。スメターチェクはギラギラさせない、あくまで質素で、それでいて音楽の核心を突く、そんな上品な指揮であった。
☆Myライブラリーより・・・
ステファンスカのショパンのピアノ協奏曲の伴奏が1曲あるのみ。
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by kirakuossan
| 2016-08-02 19:59
| 指揮者100選(完)
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