2016年 01月 17日
名盤◎銘盤 NO16 天才ピアニストとしてそのままいて欲しかったアシュケナージ |
2016年1月17日(日)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op. 18
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
ロンドン交響楽団
アンドレ・プレヴィン(指揮)
(録音: April 1970 and November 1971, Kingsway Hall, London, England, United Kingdom)
Deccaの45年も昔のラフマニノフのピアノ協奏曲全集を聴いて、すぐさまこれは名演奏であるということを悟った。ピアノ独奏は若きウラディーミル・アシュケナージ、指揮は今では大御所のアンドレ・プレヴィン、そしてオケはロンドン交響楽団である。
実にはちきれんばかりの若さがひしひしと伝わってくる名演奏だ。アシュケナージ34歳、プレヴィン42歳、ピアニストでもあるプレヴィンはここでは指揮者に回っている。1968年よりロンドン響の首席指揮者に就いたが、まだ指揮者としての評価が定まっていないころのものだ。
だからここではアシュケナージのピアノの話が中心となる。
ラフマニノフはヘタなピアニストにかかると辟易とするような鼻につく演奏になってしまう危険性をはらんでいるが、ここでは瑞々しく情感をたたえた演奏で、必要以上に感傷に溺れることなく、真摯な態度で堂々としたピアニズムを見せる。レパートリーの広さに加えてアシュケナージのピアノはすでに30歳代半ばで完成をみており、スケールの大きさも同世代のピアニストに比して群を抜いていた。その彼も後に指揮者の活動が主になってしまうが、それはこれより数年後のことである。いつも思うことだがこの人に限って言えば、指揮姿から見てもわかるように、指揮者としての才能は極めて凡才にすぎないと思う。彼のタクトから感動を呼びおこすまでには至らない。でもピアノからは幾度となく感動を生んできた。彼こそ天才のピアニストとしてそのままずっといて欲しかった。
ロンドン響の、ところどころのダイナミズムと繊細な音色を対照的に導き出す見事なプレヴィンの指揮も最後に賞賛して付け加えておく。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op. 18
ウラディーミル・アシュケナージ(ピアノ)
ロンドン交響楽団
アンドレ・プレヴィン(指揮)
(録音: April 1970 and November 1971, Kingsway Hall, London, England, United Kingdom)
Deccaの45年も昔のラフマニノフのピアノ協奏曲全集を聴いて、すぐさまこれは名演奏であるということを悟った。ピアノ独奏は若きウラディーミル・アシュケナージ、指揮は今では大御所のアンドレ・プレヴィン、そしてオケはロンドン交響楽団である。
実にはちきれんばかりの若さがひしひしと伝わってくる名演奏だ。アシュケナージ34歳、プレヴィン42歳、ピアニストでもあるプレヴィンはここでは指揮者に回っている。1968年よりロンドン響の首席指揮者に就いたが、まだ指揮者としての評価が定まっていないころのものだ。
だからここではアシュケナージのピアノの話が中心となる。
ラフマニノフはヘタなピアニストにかかると辟易とするような鼻につく演奏になってしまう危険性をはらんでいるが、ここでは瑞々しく情感をたたえた演奏で、必要以上に感傷に溺れることなく、真摯な態度で堂々としたピアニズムを見せる。レパートリーの広さに加えてアシュケナージのピアノはすでに30歳代半ばで完成をみており、スケールの大きさも同世代のピアニストに比して群を抜いていた。その彼も後に指揮者の活動が主になってしまうが、それはこれより数年後のことである。いつも思うことだがこの人に限って言えば、指揮姿から見てもわかるように、指揮者としての才能は極めて凡才にすぎないと思う。彼のタクトから感動を呼びおこすまでには至らない。でもピアノからは幾度となく感動を生んできた。彼こそ天才のピアニストとしてそのままずっといて欲しかった。
ロンドン響の、ところどころのダイナミズムと繊細な音色を対照的に導き出す見事なプレヴィンの指揮も最後に賞賛して付け加えておく。
by kirakuossan
| 2016-01-17 15:02
| 注目盤◎
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