2015年 11月 26日
62年ぶりにページが開かれる・・・P1 |
2015年11月26日(木)
久しぶりに図書館へ。
あたりの木々もすっかり初冬の趣である。白洲次郎や小林秀雄のことを書いていると盟友河上徹太郎のことも浮かび、彼の簡潔で癖のない解りやすい文章がまた読みたくなった。またずいぶんと古い本があったもんだ。
『讀書論』河上徹太郎著
(雄鶏社刊:昭和24年7月15日発行)定價二三〇圓とある。
昭和24年と言えば小生が生まれた年。見事に茶色く変色した紙にも感心したが、定価をみてさらに恐れ入った。当時の大卒の初任給が3,000円ほど、現在の新卒初任給を200,000円とすると、ざっと66倍。230円といえば、単純に15,000円にもなる。まあそこまではしないだろうが、当時としては専門書でもあってか、相当高価な書物であったのだろう。
また出版会社の雄鶏社(おんどりしゃ)といえば、東京都新宿区築地町にあった手芸関係の実用図書を中心に発刊していた出版社。作家の向田邦子が在籍していたことでもよく知られる。「キネマ旬報」「映画の友」「スクリーン」よりはマイナーだったが「映画ストーリー」という雑誌を出していて、彼女が映画関連の編集員だったころの〔向田〕と署名入りの編集後記があったりする。戦後すぐの創業だったが、出版不況で2009年4月に倒産している。
余談が長くなったが、ところで本書の図書利用の日付をみると、最終が28.1.22(もちろん昭和28年)となっている。実に62年ぶりにページが開かれるわけで、では心して読ませていただく。付け加えておくと装丁が青山二郎とある。
つづく・・・
あたりの木々もすっかり初冬の趣である。白洲次郎や小林秀雄のことを書いていると盟友河上徹太郎のことも浮かび、彼の簡潔で癖のない解りやすい文章がまた読みたくなった。またずいぶんと古い本があったもんだ。
『讀書論』河上徹太郎著
(雄鶏社刊:昭和24年7月15日発行)定價二三〇圓とある。
昭和24年と言えば小生が生まれた年。見事に茶色く変色した紙にも感心したが、定価をみてさらに恐れ入った。当時の大卒の初任給が3,000円ほど、現在の新卒初任給を200,000円とすると、ざっと66倍。230円といえば、単純に15,000円にもなる。まあそこまではしないだろうが、当時としては専門書でもあってか、相当高価な書物であったのだろう。
また出版会社の雄鶏社(おんどりしゃ)といえば、東京都新宿区築地町にあった手芸関係の実用図書を中心に発刊していた出版社。作家の向田邦子が在籍していたことでもよく知られる。「キネマ旬報」「映画の友」「スクリーン」よりはマイナーだったが「映画ストーリー」という雑誌を出していて、彼女が映画関連の編集員だったころの〔向田〕と署名入りの編集後記があったりする。戦後すぐの創業だったが、出版不況で2009年4月に倒産している。
余談が長くなったが、ところで本書の図書利用の日付をみると、最終が28.1.22(もちろん昭和28年)となっている。実に62年ぶりにページが開かれるわけで、では心して読ませていただく。付け加えておくと装丁が青山二郎とある。
つづく・・・
by kirakuossan
| 2015-11-26 12:56
| 文芸
|
Trackback