2015年 09月 25日
ピアニスト列伝―20 マイラ・ヘス |
2015年9月25日(金)
イギリスのピアニスト、マイラ・ヘス(Dame Myra Hess DBE, 1890~1965)はよくクララ・ハスキルとダブるのである。顔立ちやイメージが似ているとか、というのではない。よくわからないがいつもヘスを聴くとハスキルも同時に浮かんでくるのである。なぜだろう?それは多分、同じ時代を生きたピアニストということかもしれない。ヘスはハスキルより5年早く生まれて5年長く生きた。でも若いころから病身であったハスキルが1960年、ブリュッセル駅で転落した際に負った怪我で亡くなるが、ヘスもその翌年、病に倒れ、それ以降舞台に立つことはなかった。イギリスとルーマニアという違いはあったが、二人とも古典から始ってモーツァルトやベートーヴェンなど幅広いレパートリーを誇った。ハスキルは透明感や瑞々しさが持ち味で、その端正でしかも感受性の強い演奏は聴くものを惹きつけた。これに対してヘスも端然ななかにも豊かな音楽性を伴ったピアニズムには定評があるところで、そこには二人の共通点を多く見出すことが出来る。
ここにマイラ・ヘスの真髄が聴ける1枚のディスクがある。彼女の1928年から20年間にわたる演奏の記録である。録音年代は古いが比較的音質が良く聴きやすい。
マイラ・ヘスの芸術
HESS, Myra: Art of Myra Hess (The) (1928-1948)
モーツァルトを得意とし、協奏曲もよく披露した二人だが、ここに幸いなことにヘスとハスキルの同曲の演奏を比較して聴くことが出来る貴重なそれぞれのディスクがある。
じっくりと聴いてみよう。。。
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
マイラ・ヘス(ピアノ)
フィルハーモニー交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
(1954年)
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
クララ・ハスキル(ピアノ)
RIAS交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
(1954年)
第二楽章の Romanceを聴き比べるとわかるが、二人の演奏は似通ったところが多いが、よく聴いてみるとハスキルのピアニシモは可憐で優しい、対してヘスの方は威厳と格調に満ちている、この違いは二人の育った風土や歩んできた道の違いがあるのかも知れない。ビクトリア王朝の国とのどかなルーマニア・・・
でもどちらも真摯な音楽であることには変わりがないのである。
イギリスのピアニスト、マイラ・ヘス(Dame Myra Hess DBE, 1890~1965)はよくクララ・ハスキルとダブるのである。顔立ちやイメージが似ているとか、というのではない。よくわからないがいつもヘスを聴くとハスキルも同時に浮かんでくるのである。なぜだろう?それは多分、同じ時代を生きたピアニストということかもしれない。ヘスはハスキルより5年早く生まれて5年長く生きた。でも若いころから病身であったハスキルが1960年、ブリュッセル駅で転落した際に負った怪我で亡くなるが、ヘスもその翌年、病に倒れ、それ以降舞台に立つことはなかった。イギリスとルーマニアという違いはあったが、二人とも古典から始ってモーツァルトやベートーヴェンなど幅広いレパートリーを誇った。ハスキルは透明感や瑞々しさが持ち味で、その端正でしかも感受性の強い演奏は聴くものを惹きつけた。これに対してヘスも端然ななかにも豊かな音楽性を伴ったピアニズムには定評があるところで、そこには二人の共通点を多く見出すことが出来る。
ここにマイラ・ヘスの真髄が聴ける1枚のディスクがある。彼女の1928年から20年間にわたる演奏の記録である。録音年代は古いが比較的音質が良く聴きやすい。
マイラ・ヘスの芸術
HESS, Myra: Art of Myra Hess (The) (1928-1948)
モーツァルトを得意とし、協奏曲もよく披露した二人だが、ここに幸いなことにヘスとハスキルの同曲の演奏を比較して聴くことが出来る貴重なそれぞれのディスクがある。
じっくりと聴いてみよう。。。
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
マイラ・ヘス(ピアノ)
フィルハーモニー交響楽団
ブルーノ・ワルター(指揮)
(1954年)
モーツァルト:
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K. 466
クララ・ハスキル(ピアノ)
RIAS交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
(1954年)
第二楽章の Romanceを聴き比べるとわかるが、二人の演奏は似通ったところが多いが、よく聴いてみるとハスキルのピアニシモは可憐で優しい、対してヘスの方は威厳と格調に満ちている、この違いは二人の育った風土や歩んできた道の違いがあるのかも知れない。ビクトリア王朝の国とのどかなルーマニア・・・
でもどちらも真摯な音楽であることには変わりがないのである。
by kirakuossan
| 2015-09-25 13:46
| ピアニスト列伝
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