2014年 03月 07日
40年前の「音楽日記」 ・・・④ |
2014年3月7日(金)
誰でもそうだと思うが、最初にクラシック音楽を聴き始めたころは、オーケストラが奏でる交響曲や管弦楽ばかりであった。だから、40年以上も前から、指揮者やオーケストラのことはよく本でも読んだし、知識も豊富であった。この40年前の「音楽日記」に、面白い稿があった。題して『指揮者リスト―今は亡き指揮者たち』編と『同―現代の指揮者たち』編。指揮者たちのそれぞれの印象や特色を簡潔にまとめている。
1973年11月現在
<今は亡き指揮者たち・・・>
アンセルメ(スイス)
色彩的.鮮明なリズム感.近代・現代作品。
クリュイタンス(フランス)
清潔.フランス的.客観的.ビゼー・ラベル。
クレンペラー(西独)
情緒.力強い.武骨.北独的.ロマン後期ワーグナー・ブルックナー。
ケルテス(ハンガリー)
鮮明なリズム感.情緒的.ドボルザーク。
コンビチューニ(東独)
正統的.重厚感.保守的.整然。
イッセルシュテット(東独)
ドイツ風.オーソドックス.コクのある音楽性。
シューリヒト(東独)
格調高い.速めのテンポ.淡々とした明朗さ。
セル(ハンガリー)
柔らかい響き.厳格.妥協しない.禁欲的。
トスカニーニ(イタリア)
厳格.忠実的.判断力.作品を厳しく表現.歌わせる。
バルビローリ(英国)
職人的.地味.暖かい.B・ウイリアムズ。
フリッチャイ(ハンガリー)
雄大.速いテンポ.軽快⇒遅いテンポ。
フルトヴェングラー(東独)
バランス.個性的且つ客観的.哲学的.生気富む。
ベイヌム(オランダ)
中庸.良識的.深い伝統美=現代感覚。
ミュンシュ(フランス)
重厚.雄大.若々しい.線が太い。
メンゲルベルク(オランダ)
濃厚なロマンティシズム.甘美的.雄大。
モントゥー(フランス)
滋味深い.豊か.柔らかく美しい。
ワルター(東独)
詩人的.審美的.叙情的.善意と慈愛。
クナッパーブッシュ(西独)
重厚。
パレー(フランス)
上品.フランス印象派~6人組の作品。
ライナー(ハンガリー)
R・シュトラウス、バルトーク作品。
ビーチャム(英国)
記述なし。
<現代の指揮者たち・・・>
アバド(40-イタリア)
柔らかな情緒的.美しい。
小澤征爾(38-日本)
キビキビしたリズム感。
オーマンディ(74-ハンガリー)
色彩的.万能型.(ロマン派はダメ)
カイルベルト(65-西独)
ドイツ風.重厚.堅実.地味。
カラヤン(65-オーストリア)
理知的.明晰.感覚的.現代的。
クーベリック(59-チェコ)
ドイツ的.堅実な中にロマン的.知的。
クレツキ(73-ポーランド)
厳格.構成力。
ケンペ(63-西独)
地味.堅実。
コンドラシン(59-ソ連)
誠実.チャイコフスキー(悲愴)
サヴァリッシュ(50-西独)
古典派・ロマン派.理知的.バランス.端正。
ザンデルリング(61-東独)
記述なし。
ジュリーニ(59-イタリア)
明るい.若々しい.リズム感.劇的表現.色彩的。
ショルティ(61-ハンガリー)
端正.繊細.構成力.ロマン的.やや冷徹。
スウィトナー(51-東独)
新鮮さ.ダイナミズム。
スタインバーグ(74-西独)
記述なし。
ストコフスキー(91-イギリス)
主観的.個性的。
ノイマン(53-チェコ)
記述なし。
アンチェル(65-チェコ)
記述なし。
ハイティンク(44-オランダ)
端正.明快なテンポ.強硬な吸引力。
バーンスタイン(55-アメリカ)
深い分析.重厚.ドイツ的な一面.現代作品。
フルネ(60-フランス)
繊細.知的.叙情性.フランス音楽。
プレヴィン(44-東独)
現代的センス.深い構成力。
ブーレーズ(48-フランス)
鋭いリズム感覚と音色.知的。
プレートル(49-フランス)
鋭的な感覚.独特な表現。
ベーム(79-オーストリア)
ドイツ的.精神的な深さ.雄大.飾り気ない。
ボド(46-フランス)
現代作品.フランス音楽。
ホーレンシュタイン(74-ソ連)
近代・現代作品.堅実.(情感に乏しい)
マゼール(43-フランス)
鮮烈.構成力.本質的.正統的。
マタチッチ(74-ユーゴ)
記述なし。
マルケビッチ(61-ソ連)
近代・現代作品.鋭的なリズム。
マルティノン(63-フランス)
バランス.色彩的な音色。
ムラヴィンスキー(70-ソ連)
重厚さ.エネルギッシュ。
メータ(37-インド)
ロマン派.大袈裟。
ヤンソンス(59-ソ連)
記述なし。
ヨッフム(71-西独)
バランス.客観的.明快.内面的な情熱.知的。
リーガー(63-チェコ)
記述なし。
リヒター(47-東独)
流麗.感受性.主観的.しなやかさ。
ロヴィツキー(59-ポーランド)
記述なし。
ロジェストベンスキー(42-ソ連)
柔軟性.現代感覚。
イワーノフ(66-ソ連)
記述なし。
オッテルロー(66-オランダ)
バランス.落ち着き.しっとりした潤い。
パイヤール(45-フランス)
穏健.明快.軽妙な表現。
クリップス(71-オーストリア)
エレガント.上品.遅いテンポ.女性的。
40年前だから当然だが、ストコフスキー、オーマンディ、ヨッフムらもまだ生きていたんだ。ショルティ、カラヤン、アンチェルなど働き盛りの60代、ジュリーニやノイマン、スイトナーなどまだ50代、アバド40才、小澤やメータなんかまだ30代だもんなあ・・・
それにしてもここに列挙した顔ぶれにはほとんど漏れがなく、主要な指揮者はすべて網羅している。しかもそれぞれによく特徴もつかんでいると、われながらに感心する。当時、交響曲が9に対してその他の音楽が1、という極端な比率が長い間続いたように思う。今では交響曲3、ピアノ曲2、コンチェルト1、その他器楽曲1、室内楽1、声楽曲1、オペラ1・・・ぐらいの比率かな。
つづく・・・
誰でもそうだと思うが、最初にクラシック音楽を聴き始めたころは、オーケストラが奏でる交響曲や管弦楽ばかりであった。だから、40年以上も前から、指揮者やオーケストラのことはよく本でも読んだし、知識も豊富であった。この40年前の「音楽日記」に、面白い稿があった。題して『指揮者リスト―今は亡き指揮者たち』編と『同―現代の指揮者たち』編。指揮者たちのそれぞれの印象や特色を簡潔にまとめている。
<今は亡き指揮者たち・・・>
アンセルメ(スイス)
色彩的.鮮明なリズム感.近代・現代作品。
クリュイタンス(フランス)
清潔.フランス的.客観的.ビゼー・ラベル。
クレンペラー(西独)
情緒.力強い.武骨.北独的.ロマン後期ワーグナー・ブルックナー。
ケルテス(ハンガリー)
鮮明なリズム感.情緒的.ドボルザーク。
コンビチューニ(東独)
正統的.重厚感.保守的.整然。
イッセルシュテット(東独)
ドイツ風.オーソドックス.コクのある音楽性。
シューリヒト(東独)
格調高い.速めのテンポ.淡々とした明朗さ。
セル(ハンガリー)
柔らかい響き.厳格.妥協しない.禁欲的。
トスカニーニ(イタリア)
厳格.忠実的.判断力.作品を厳しく表現.歌わせる。
バルビローリ(英国)
職人的.地味.暖かい.B・ウイリアムズ。
フリッチャイ(ハンガリー)
雄大.速いテンポ.軽快⇒遅いテンポ。
フルトヴェングラー(東独)
バランス.個性的且つ客観的.哲学的.生気富む。
ベイヌム(オランダ)
中庸.良識的.深い伝統美=現代感覚。
ミュンシュ(フランス)
重厚.雄大.若々しい.線が太い。
メンゲルベルク(オランダ)
濃厚なロマンティシズム.甘美的.雄大。
モントゥー(フランス)
滋味深い.豊か.柔らかく美しい。
ワルター(東独)
詩人的.審美的.叙情的.善意と慈愛。
クナッパーブッシュ(西独)
重厚。
パレー(フランス)
上品.フランス印象派~6人組の作品。
ライナー(ハンガリー)
R・シュトラウス、バルトーク作品。
ビーチャム(英国)
記述なし。
<現代の指揮者たち・・・>
アバド(40-イタリア)
柔らかな情緒的.美しい。
小澤征爾(38-日本)
キビキビしたリズム感。
オーマンディ(74-ハンガリー)
色彩的.万能型.(ロマン派はダメ)
カイルベルト(65-西独)
ドイツ風.重厚.堅実.地味。
カラヤン(65-オーストリア)
理知的.明晰.感覚的.現代的。
クーベリック(59-チェコ)
ドイツ的.堅実な中にロマン的.知的。
クレツキ(73-ポーランド)
厳格.構成力。
ケンペ(63-西独)
地味.堅実。
コンドラシン(59-ソ連)
誠実.チャイコフスキー(悲愴)
サヴァリッシュ(50-西独)
古典派・ロマン派.理知的.バランス.端正。
ザンデルリング(61-東独)
記述なし。
ジュリーニ(59-イタリア)
明るい.若々しい.リズム感.劇的表現.色彩的。
ショルティ(61-ハンガリー)
端正.繊細.構成力.ロマン的.やや冷徹。
スウィトナー(51-東独)
新鮮さ.ダイナミズム。
スタインバーグ(74-西独)
記述なし。
ストコフスキー(91-イギリス)
主観的.個性的。
ノイマン(53-チェコ)
記述なし。
アンチェル(65-チェコ)
記述なし。
ハイティンク(44-オランダ)
端正.明快なテンポ.強硬な吸引力。
バーンスタイン(55-アメリカ)
深い分析.重厚.ドイツ的な一面.現代作品。
フルネ(60-フランス)
繊細.知的.叙情性.フランス音楽。
プレヴィン(44-東独)
現代的センス.深い構成力。
ブーレーズ(48-フランス)
鋭いリズム感覚と音色.知的。
プレートル(49-フランス)
鋭的な感覚.独特な表現。
ベーム(79-オーストリア)
ドイツ的.精神的な深さ.雄大.飾り気ない。
ボド(46-フランス)
現代作品.フランス音楽。
ホーレンシュタイン(74-ソ連)
近代・現代作品.堅実.(情感に乏しい)
マゼール(43-フランス)
鮮烈.構成力.本質的.正統的。
マタチッチ(74-ユーゴ)
記述なし。
マルケビッチ(61-ソ連)
近代・現代作品.鋭的なリズム。
マルティノン(63-フランス)
バランス.色彩的な音色。
ムラヴィンスキー(70-ソ連)
重厚さ.エネルギッシュ。
メータ(37-インド)
ロマン派.大袈裟。
ヤンソンス(59-ソ連)
記述なし。
ヨッフム(71-西独)
バランス.客観的.明快.内面的な情熱.知的。
リーガー(63-チェコ)
記述なし。
リヒター(47-東独)
流麗.感受性.主観的.しなやかさ。
ロヴィツキー(59-ポーランド)
記述なし。
ロジェストベンスキー(42-ソ連)
柔軟性.現代感覚。
イワーノフ(66-ソ連)
記述なし。
オッテルロー(66-オランダ)
バランス.落ち着き.しっとりした潤い。
パイヤール(45-フランス)
穏健.明快.軽妙な表現。
クリップス(71-オーストリア)
エレガント.上品.遅いテンポ.女性的。
40年前だから当然だが、ストコフスキー、オーマンディ、ヨッフムらもまだ生きていたんだ。ショルティ、カラヤン、アンチェルなど働き盛りの60代、ジュリーニやノイマン、スイトナーなどまだ50代、アバド40才、小澤やメータなんかまだ30代だもんなあ・・・
それにしてもここに列挙した顔ぶれにはほとんど漏れがなく、主要な指揮者はすべて網羅している。しかもそれぞれによく特徴もつかんでいると、われながらに感心する。当時、交響曲が9に対してその他の音楽が1、という極端な比率が長い間続いたように思う。今では交響曲3、ピアノ曲2、コンチェルト1、その他器楽曲1、室内楽1、声楽曲1、オペラ1・・・ぐらいの比率かな。
つづく・・・
by kirakuossan
| 2014-03-07 21:30
| クラシック
|
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