2014年 02月 05日
41人のフルート奏者たち |
2014年2月5日(水)
フルート奏者を整理しておこう。41人にのぼった。
まず一番に頭をよぎるのがランパルを筆頭にしたフランスの奏者。
ジャン=ピエール・ランパル(1922~2000)は、1956年からパリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者となり、1962年に退団後はフランス最高のフルート奏者として世界各地で活躍した。彼の門下生は世界各地にひろがる。クリスティアン・ラルデ(1930~2012)はアイルランド放送響やコンセール・コロンヌ管の首席を経験した。ミシェル・デボスト(1934~)1961年にパリ音楽院管弦楽団に入団し、翌年首席奏者となる。マクサンス・ラリュー(1934~)ランパル亡きあと、最もフランスらしい奏者として活躍をつづけ、フランス国立放送管の首席。アラン・マリオン(1938~)は、パリ管やフランス国立管との共演で知られる。パトリック・ガロワ(1956~ )指揮者でもある。パリ音楽院でランパルらに学び、リール・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を経て、1977年に21歳でフランス国立管弦楽団の首席フルート奏者になった。
次にお隣の国、スイスの奏者。
何と言っても知名度NO1のニコレがいる。
オーレル・ニコレ(1926~)、フルトヴェングラーに嘱望されて、1950年から1959年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めたというから大したものだ。もう84歳になる。
ペーター=ルーカス・グラーフ(1929~)1951年からスイス祝祭管弦楽団で首席フルート奏者を務めたというから、こちらも随分古い。他には最近活躍の、オーレル・ニコレに師事したベルリン・フィルで首席奏者を務めたエマニュエル・パユ(1970~)がいる。ディター・フルーリー(1952~)はスイス人で初めて、ウィーン・フィルの首席に就任した。ほかにピエール=イヴ・アルトー(1946~)らがいる。
イギリスにも有名な奏者がいる。
ジェフリー・ギルバート(1914~1989)は、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBC交響楽団、ハレ管弦楽団などに在籍した。
ウィリアム・ベネット(1936~)ロンドン交響楽団、アカデミー室内管弦楽団やイギリス室内管弦楽団ほか多くのオーケストラの首席奏者を歴任。
サー・ジェームズ・ゴールウェイ(1939~)はアイルランド系で「黄金のフルートをもつ男」と呼ばれ、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を経て、1969年から6年間、カラヤンの下、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めたこともある。
また、エミリー・バイノン(1969~)は、男性ばかりが続いていたが初めて25歳の若さでアムステルダム・コンセルトヘボウの首席に着任した。さらに、ロバート・ウィンが1985年から1997年までロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席。などがいる。
イタリアでは、
セヴェリーノ・ガッゼローニ(1919~1992)サンタ・チェチーリア音楽院に学び、RAI管弦楽団の首席フルート奏者を30年にわたって続けた。現役では、ランパルに師事した、アンドレア・グルミネッリ(1959~)がいる。
オランダには、
大ベテランのハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めた後、1936年から1971年に引退するまでアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で首席奏者を務めたフーベルト・バルワーザー(1906~1985)がいて、現役で活躍するジャック・ズーン(1961~)、彼は1988年以降ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でソリストとして、1997年にはボストン交響楽団の首席フルート奏者に就任した。また、現在はベルリン・フィル等で客演のソリストとして活躍するとともに、ルツェルン祝祭管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラで首席フルート奏者を務める人気奏者。さらには、同じくコンセルトヘボウ管弦楽団の首席フルート奏者のエミリー・バイノン(1969~)などもいる。
そしてドイツはといえば、
カールハインツ・ツェラー(1928~2005)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席フルート奏者を務めた。ヨハネス・ワルター(1937~)は、ドレスデン・フィルの首席を務めたあと、シュターツカペレ・ドレスデンの首席に就いた。カール=ハインツ・パッシン(1939~)ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席フルート奏者を長らく務めた。そして、昨夜惚れ惚れしたエッカルト・ハウプト(1945~) 彼は1962年からドレスデンとライプツィヒの音楽学校で学び、卒業後ドレスデン・フィルに入団し首席を務め、後にシュターツカペレ・ドレスデンの首席に迎えられた逸材である。さらに、アンドレス・ブラウ(1949~)はツェラーに師事、ベルリン・フィルのソロ奏者として活躍した。他には、パウル・マイゼン(1936~)や、指揮者でもあるクルト・レーデル(1918~)らがいる。
オーストリアは、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の長年首席奏者であったヴォルフガング・シュルツ(1946~2013)やハンス・レズニチェクがいる。
あと、ロシアのデニス・ブリアコフ(1981~)、彼はフィルハーモニア管弦楽団、フランクフルト放送交響楽団などで演奏し、現在はメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者を務めている。
ヨーロッパではほかに、
アンドラーシュ・アドリヤン(1944~ハンガリー)は、ランパル、ニコレの二人に師事、南西ドイツ放送響、バイエルン放送響の首席に、その頃、ゴールウェイの後任としてカラヤンから誘いを受けるが断ったいきさつも持つ。イレナ・グラフェナウァー(1957~ユーゴ)も77年から10年間バイエルン放送響の首席に就く。さらにはバロック・フルートのヴィルベルト・ハーゼルゼットに、スウェーデンのリコーダ奏者ダン・ラウリン(1960~)などがいる。
アメリカでは、ジュリアス・ベーカー(1915~2003)という大御所がいた。ロジンスキーのクリーヴランド管弦楽団に入団、フリッツ・ライナーのピッツバーグ響、ワルター率いるコロンビア響、クーベリックのシカゴ響、そして最後はニューヨーク・フィルのそれぞれ首席奏者という華々しい実績を持つ。それとこれも昨夜聴いたクリーヴランド管弦楽団の首席フルート奏者を務めるジョシュア・スミス。カナダにはマリーナ・ピッチーニとティモシー・ハッチンス(1954~)がいる。
最後に日本人では、有田正広(1949~)はオリジナル楽器の名手で日本の第一人者。もうひとりが、工藤重典(1954~)
ランパルに師事、1987年から2009年までサイトウ・キネン・オーケストラ首席フルート奏者、1990年から水戸室内管弦楽団で首席を務め、昨年3月、オーケストラ・アンサンブル金沢の特任首席奏者に就任した。
「夢のあとに~フルート名曲集~」より
工藤重典(フルート)
3つの歌 Op. 7, No. 1 - 夢のあとに(フォーレ)
カンタービレ ニ長調 Op. 17/MS 109(パガニーニ)
歌劇「ジョスラン」 - 第1幕 子守歌(ゴダール)
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 - 第2幕 精霊の踊り(グルック)
ロッシーニの「シンデレラ」の主題による変奏曲(ショパン)
ハンガリー田園幻想曲 Op. 26(ドップラー)
小坂圭太(ピアノ)
「ジョスラン」の子守歌を聴いていて、フィンランドの作曲家アルマス・ヤルネフェルトの「子守歌」にとてもよく似た曲調であるのに気づく。
41人のフルート奏者を挙げてみたが、僕には彼らの演奏を評する能力は持ち合わせていないので羅列するだけに終わってしまった。
でもフルートの音色はホントに心洗われますなあ...今頃改めて思ったりする。
フルート奏者を整理しておこう。41人にのぼった。
まず一番に頭をよぎるのがランパルを筆頭にしたフランスの奏者。
ジャン=ピエール・ランパル(1922~2000)は、1956年からパリ・オペラ座管弦楽団の首席奏者となり、1962年に退団後はフランス最高のフルート奏者として世界各地で活躍した。彼の門下生は世界各地にひろがる。クリスティアン・ラルデ(1930~2012)はアイルランド放送響やコンセール・コロンヌ管の首席を経験した。ミシェル・デボスト(1934~)1961年にパリ音楽院管弦楽団に入団し、翌年首席奏者となる。マクサンス・ラリュー(1934~)ランパル亡きあと、最もフランスらしい奏者として活躍をつづけ、フランス国立放送管の首席。アラン・マリオン(1938~)は、パリ管やフランス国立管との共演で知られる。パトリック・ガロワ(1956~ )指揮者でもある。パリ音楽院でランパルらに学び、リール・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を経て、1977年に21歳でフランス国立管弦楽団の首席フルート奏者になった。
次にお隣の国、スイスの奏者。
何と言っても知名度NO1のニコレがいる。
オーレル・ニコレ(1926~)、フルトヴェングラーに嘱望されて、1950年から1959年までベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めたというから大したものだ。もう84歳になる。
ペーター=ルーカス・グラーフ(1929~)1951年からスイス祝祭管弦楽団で首席フルート奏者を務めたというから、こちらも随分古い。他には最近活躍の、オーレル・ニコレに師事したベルリン・フィルで首席奏者を務めたエマニュエル・パユ(1970~)がいる。ディター・フルーリー(1952~)はスイス人で初めて、ウィーン・フィルの首席に就任した。ほかにピエール=イヴ・アルトー(1946~)らがいる。
イギリスにも有名な奏者がいる。
ジェフリー・ギルバート(1914~1989)は、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、BBC交響楽団、ハレ管弦楽団などに在籍した。
ウィリアム・ベネット(1936~)ロンドン交響楽団、アカデミー室内管弦楽団やイギリス室内管弦楽団ほか多くのオーケストラの首席奏者を歴任。
サー・ジェームズ・ゴールウェイ(1939~)はアイルランド系で「黄金のフルートをもつ男」と呼ばれ、ロンドン交響楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を経て、1969年から6年間、カラヤンの下、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者を務めたこともある。
また、エミリー・バイノン(1969~)は、男性ばかりが続いていたが初めて25歳の若さでアムステルダム・コンセルトヘボウの首席に着任した。さらに、ロバート・ウィンが1985年から1997年までロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席。などがいる。
イタリアでは、
セヴェリーノ・ガッゼローニ(1919~1992)サンタ・チェチーリア音楽院に学び、RAI管弦楽団の首席フルート奏者を30年にわたって続けた。現役では、ランパルに師事した、アンドレア・グルミネッリ(1959~)がいる。
オランダには、
大ベテランのハンブルク国立フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めた後、1936年から1971年に引退するまでアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団で首席奏者を務めたフーベルト・バルワーザー(1906~1985)がいて、現役で活躍するジャック・ズーン(1961~)、彼は1988年以降ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団でソリストとして、1997年にはボストン交響楽団の首席フルート奏者に就任した。また、現在はベルリン・フィル等で客演のソリストとして活躍するとともに、ルツェルン祝祭管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラで首席フルート奏者を務める人気奏者。さらには、同じくコンセルトヘボウ管弦楽団の首席フルート奏者のエミリー・バイノン(1969~)などもいる。
そしてドイツはといえば、
カールハインツ・ツェラー(1928~2005)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団首席フルート奏者を務めた。ヨハネス・ワルター(1937~)は、ドレスデン・フィルの首席を務めたあと、シュターツカペレ・ドレスデンの首席に就いた。カール=ハインツ・パッシン(1939~)ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席フルート奏者を長らく務めた。そして、昨夜惚れ惚れしたエッカルト・ハウプト(1945~) 彼は1962年からドレスデンとライプツィヒの音楽学校で学び、卒業後ドレスデン・フィルに入団し首席を務め、後にシュターツカペレ・ドレスデンの首席に迎えられた逸材である。さらに、アンドレス・ブラウ(1949~)はツェラーに師事、ベルリン・フィルのソロ奏者として活躍した。他には、パウル・マイゼン(1936~)や、指揮者でもあるクルト・レーデル(1918~)らがいる。
オーストリアは、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の長年首席奏者であったヴォルフガング・シュルツ(1946~2013)やハンス・レズニチェクがいる。
あと、ロシアのデニス・ブリアコフ(1981~)、彼はフィルハーモニア管弦楽団、フランクフルト放送交響楽団などで演奏し、現在はメトロポリタン歌劇場管弦楽団の首席フルート奏者を務めている。
ヨーロッパではほかに、
アンドラーシュ・アドリヤン(1944~ハンガリー)は、ランパル、ニコレの二人に師事、南西ドイツ放送響、バイエルン放送響の首席に、その頃、ゴールウェイの後任としてカラヤンから誘いを受けるが断ったいきさつも持つ。イレナ・グラフェナウァー(1957~ユーゴ)も77年から10年間バイエルン放送響の首席に就く。さらにはバロック・フルートのヴィルベルト・ハーゼルゼットに、スウェーデンのリコーダ奏者ダン・ラウリン(1960~)などがいる。
アメリカでは、ジュリアス・ベーカー(1915~2003)という大御所がいた。ロジンスキーのクリーヴランド管弦楽団に入団、フリッツ・ライナーのピッツバーグ響、ワルター率いるコロンビア響、クーベリックのシカゴ響、そして最後はニューヨーク・フィルのそれぞれ首席奏者という華々しい実績を持つ。それとこれも昨夜聴いたクリーヴランド管弦楽団の首席フルート奏者を務めるジョシュア・スミス。カナダにはマリーナ・ピッチーニとティモシー・ハッチンス(1954~)がいる。
最後に日本人では、有田正広(1949~)はオリジナル楽器の名手で日本の第一人者。もうひとりが、工藤重典(1954~)
ランパルに師事、1987年から2009年までサイトウ・キネン・オーケストラ首席フルート奏者、1990年から水戸室内管弦楽団で首席を務め、昨年3月、オーケストラ・アンサンブル金沢の特任首席奏者に就任した。
「夢のあとに~フルート名曲集~」より
工藤重典(フルート)
3つの歌 Op. 7, No. 1 - 夢のあとに(フォーレ)
カンタービレ ニ長調 Op. 17/MS 109(パガニーニ)
歌劇「ジョスラン」 - 第1幕 子守歌(ゴダール)
歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」 - 第2幕 精霊の踊り(グルック)
ロッシーニの「シンデレラ」の主題による変奏曲(ショパン)
ハンガリー田園幻想曲 Op. 26(ドップラー)
小坂圭太(ピアノ)
「ジョスラン」の子守歌を聴いていて、フィンランドの作曲家アルマス・ヤルネフェルトの「子守歌」にとてもよく似た曲調であるのに気づく。
41人のフルート奏者を挙げてみたが、僕には彼らの演奏を評する能力は持ち合わせていないので羅列するだけに終わってしまった。
でもフルートの音色はホントに心洗われますなあ...今頃改めて思ったりする。
by kirakuossan
| 2014-02-05 08:31
| クラシック
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