2014年 01月 20日
ごく自然に聴こえてくるモーツァルト |
2014年1月20日(月)
音楽雑誌「レコード芸術」で毎年年初号で昨年一年観でのベスト・ディスクを選出する『リーダーズ・チョイス』という特集を組んでいる。これは読者が選んだ人気投票で、また専門家と違った観点からとりあげられることもあってなかなか興味深い。この中で、NML のラインナップにあるディスクはないかと探していると、第18位に BIS レーベルで小川典子のモーツァルトのピアノ・ソナタ集が選ばれていた。
第10番、11番、12番の3曲だが、どれも愛らしいソナタだが、彼女が弾くとさらに可愛く、愛らしく、それでいてごく自然に聴こえてくるのがなおさら良い。こういう演奏を探し出して耳にすることは至極幸福感に浸れる。このピアニスト、名前は以前から知っていたが実際にこうして聴くのは初めてだ。素直な、好感のもてる音色の持主だ。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番~第12番
「レコード芸術」昨年3月号に【推薦盤】として紹介されていて、評者も同じような印象記を語っている。
楽興の乗り切った3つの大輪のソナタである。K330が鳴り出すと、そこには得も言われぬモーツァルトの世界、至福の世界が広がる。彼女ならではの明晰、清澄なタッチ、しかし、同時に、その音符の連珠の中には、絶えず微妙に変化する表情がしのばせてある。タッチすなわち音色の質、強弱のニュアンス、ごくデリケートな緩急、そうした要素のごく自然な操作によって、そこには、豊かな息づきが、生命感が湧き出る。これぞ、モーツァルト、小川典子はまさしく第一級のモーツァルティアンにほかならなかった。(濱田滋郎)
音楽雑誌「レコード芸術」で毎年年初号で昨年一年観でのベスト・ディスクを選出する『リーダーズ・チョイス』という特集を組んでいる。これは読者が選んだ人気投票で、また専門家と違った観点からとりあげられることもあってなかなか興味深い。この中で、NML のラインナップにあるディスクはないかと探していると、第18位に BIS レーベルで小川典子のモーツァルトのピアノ・ソナタ集が選ばれていた。
第10番、11番、12番の3曲だが、どれも愛らしいソナタだが、彼女が弾くとさらに可愛く、愛らしく、それでいてごく自然に聴こえてくるのがなおさら良い。こういう演奏を探し出して耳にすることは至極幸福感に浸れる。このピアニスト、名前は以前から知っていたが実際にこうして聴くのは初めてだ。素直な、好感のもてる音色の持主だ。
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番~第12番
「レコード芸術」昨年3月号に【推薦盤】として紹介されていて、評者も同じような印象記を語っている。
楽興の乗り切った3つの大輪のソナタである。K330が鳴り出すと、そこには得も言われぬモーツァルトの世界、至福の世界が広がる。彼女ならではの明晰、清澄なタッチ、しかし、同時に、その音符の連珠の中には、絶えず微妙に変化する表情がしのばせてある。タッチすなわち音色の質、強弱のニュアンス、ごくデリケートな緩急、そうした要素のごく自然な操作によって、そこには、豊かな息づきが、生命感が湧き出る。これぞ、モーツァルト、小川典子はまさしく第一級のモーツァルティアンにほかならなかった。(濱田滋郎)
by kirakuossan
| 2014-01-20 23:15
| クラシック
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