2013年 07月 07日
”歌うブラームス” 学生オケ最高峰の演奏 |
2013年7月7日(日)
歌う、歌う、ブラームスを歌う。なんと美しい1番なんだろう。
京都市立芸術大学音楽部の第144回を数える定期演奏会が、今日昼、京都コンサートホールであった。休憩をはさんでのブラームス交響曲第1番は凄い演奏であった。
先日、同じ曲をザンデルリンク指揮のドレスデン・フィルで鑑賞したばかり。ドレスデンのは、実に伸び伸びした自由闊達な演奏であったが、今日の芸大の演奏は、良い意味での”中庸の音”が綿々と流れ、あの一面ゴツゴツとした印象の「1番」が超極め付きの”美しいさ”を醸し出していた。こんなに見事に歌い上げたブラームスは、僕は知らない。プロのオーケストラではここまで真摯な、真剣味を帯びたところからでる「ホンマものの音楽」は聴かれないだろうし、学生の、それも将来、クラシック音楽で生きて行こうとする彼等の一生懸命の練習の成果、そして必死の演奏態度、そこからしか決して生れ出ないような最高の音楽を聴かせてくれた。
第一、第二ヴァイオリンが特に素晴らしく、あれほどの綺麗な響きを出すのはほかにはあまり知らない。金管、木管も完璧に近い出来、噴き出しの力みもなく、一貫して余裕さえ感じさせるほどの懐の深い演奏ぶりであった。冒頭に”中庸”といったのは、たとえば管楽器での必要以上の「咆哮する強烈な音がない」ということであり、女性奏者のティンパニにしても適度な強さ加減で全体を柔らかく包み込んだ。それらのことが「歌うブラームス」を演出した要因だろう。
前半のサン=サーンスのピアノコンチェルトも学生の独奏であったが、非凡な才能を見せた。今日のこれほどの素晴らしい演奏会、一番良く感じていたのは、多数の聴衆で、入場前からの長い行列、そして終演後、会場を後にする時、あちこちで聞き漏れた「賞賛」の声がそれを証明していた。
2013.07.07
R.ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
C.サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番ト短調Op.22
J.ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
増井信貴(指揮)
ピアノ独奏 藤本志帆(ピアノ専攻4 回生)
管弦楽: 京都市立芸術大学管弦楽団
京都市立芸術大学音楽部の第144回を数える定期演奏会が、今日昼、京都コンサートホールであった。休憩をはさんでのブラームス交響曲第1番は凄い演奏であった。
先日、同じ曲をザンデルリンク指揮のドレスデン・フィルで鑑賞したばかり。ドレスデンのは、実に伸び伸びした自由闊達な演奏であったが、今日の芸大の演奏は、良い意味での”中庸の音”が綿々と流れ、あの一面ゴツゴツとした印象の「1番」が超極め付きの”美しいさ”を醸し出していた。こんなに見事に歌い上げたブラームスは、僕は知らない。プロのオーケストラではここまで真摯な、真剣味を帯びたところからでる「ホンマものの音楽」は聴かれないだろうし、学生の、それも将来、クラシック音楽で生きて行こうとする彼等の一生懸命の練習の成果、そして必死の演奏態度、そこからしか決して生れ出ないような最高の音楽を聴かせてくれた。
第一、第二ヴァイオリンが特に素晴らしく、あれほどの綺麗な響きを出すのはほかにはあまり知らない。金管、木管も完璧に近い出来、噴き出しの力みもなく、一貫して余裕さえ感じさせるほどの懐の深い演奏ぶりであった。冒頭に”中庸”といったのは、たとえば管楽器での必要以上の「咆哮する強烈な音がない」ということであり、女性奏者のティンパニにしても適度な強さ加減で全体を柔らかく包み込んだ。それらのことが「歌うブラームス」を演出した要因だろう。
前半のサン=サーンスのピアノコンチェルトも学生の独奏であったが、非凡な才能を見せた。今日のこれほどの素晴らしい演奏会、一番良く感じていたのは、多数の聴衆で、入場前からの長い行列、そして終演後、会場を後にする時、あちこちで聞き漏れた「賞賛」の声がそれを証明していた。
2013.07.07
R.ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲
C.サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番ト短調Op.22
J.ブラームス:交響曲第1番ハ短調Op.68
増井信貴(指揮)
ピアノ独奏 藤本志帆(ピアノ専攻4 回生)
管弦楽: 京都市立芸術大学管弦楽団
by kirakuossan
| 2013-07-07 17:55
| クラシック
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