2013年 04月 03日
夭折の天才作曲家 .......知られざる作曲家38 ルクー |
2013年4月3日(水)
シューベルト31歳、モーツァルト 35歳、メンデルスゾーンは38歳で早世した。しかしそれよりもっと若くして、僅か24歳で夭折した天才作曲家がいた。初期から厚い評価を受け、完成度の高い作品は書き綴った。ベルギー生まれのギヨーム・ルクー(1870~1894)はセザール・フランクの最後の弟子として、フランクの死後はその弟子ヴァンサン・ダンディに師事した。感受性豊かで情熱的な筆致が特徴で、若い青年が作曲したとは思えないほどの充実した作品が多く、室内楽を聴いているとまるで後期ベートーヴェンの室内楽曲を彷彿させる。その音楽は抒情的な旋律の美しさに加えて、明暗の対比や鮮やかな曲調の変化に富んだアンサンブルである。
彼はヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイ委嘱されて作曲にかかっていたピアノ四重奏曲の第2楽章を書き終える前に亡くなり、未完のまま残されてしまった。これにダンディが数小節を付け加えて遺された作品は未完とはいえ聴きごたえのある素晴らしい曲である。他にイザイから依頼を受けて作曲したヴァイオリン・ソナタ ト長調が最もよく知られるが、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、チェロソナタやルクー自身も歌詞を書いた多くの歌曲など、100余りの作品が遺された。
40分にわたる大曲のピアノ三重奏曲ハ短調や未完のピアノ四重奏曲、そして繊細な美しさに彩られた弦楽四重奏曲ト長調などの室内楽が彼の真骨頂であるが、ヴァイオリン・ソナタは心に隅々にしみわたる名曲だし、珍しいソプラノとピアノ五重奏の「3つの詩曲」も良い。さらに室内楽だけでなくオーケストラ曲も模索していた。「交響的習作第1番」は明るく希望に満ちた断片、「交響的習作第2番」は地に根を張った堂々としたシンフォニー、師フランクを凌ぐほどである。
おそらく同世代のリヒャルト・シュトラウスやモーリス・ラヴェルと肩を並べるぐらいの作曲家になっていただろうと確信する。
シューベルト31歳、モーツァルト 35歳、メンデルスゾーンは38歳で早世した。しかしそれよりもっと若くして、僅か24歳で夭折した天才作曲家がいた。初期から厚い評価を受け、完成度の高い作品は書き綴った。ベルギー生まれのギヨーム・ルクー(1870~1894)はセザール・フランクの最後の弟子として、フランクの死後はその弟子ヴァンサン・ダンディに師事した。感受性豊かで情熱的な筆致が特徴で、若い青年が作曲したとは思えないほどの充実した作品が多く、室内楽を聴いているとまるで後期ベートーヴェンの室内楽曲を彷彿させる。その音楽は抒情的な旋律の美しさに加えて、明暗の対比や鮮やかな曲調の変化に富んだアンサンブルである。
彼はヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイ委嘱されて作曲にかかっていたピアノ四重奏曲の第2楽章を書き終える前に亡くなり、未完のまま残されてしまった。これにダンディが数小節を付け加えて遺された作品は未完とはいえ聴きごたえのある素晴らしい曲である。他にイザイから依頼を受けて作曲したヴァイオリン・ソナタ ト長調が最もよく知られるが、弦楽四重奏曲、ピアノ三重奏曲、チェロソナタやルクー自身も歌詞を書いた多くの歌曲など、100余りの作品が遺された。
40分にわたる大曲のピアノ三重奏曲ハ短調や未完のピアノ四重奏曲、そして繊細な美しさに彩られた弦楽四重奏曲ト長調などの室内楽が彼の真骨頂であるが、ヴァイオリン・ソナタは心に隅々にしみわたる名曲だし、珍しいソプラノとピアノ五重奏の「3つの詩曲」も良い。さらに室内楽だけでなくオーケストラ曲も模索していた。「交響的習作第1番」は明るく希望に満ちた断片、「交響的習作第2番」は地に根を張った堂々としたシンフォニー、師フランクを凌ぐほどである。
おそらく同世代のリヒャルト・シュトラウスやモーリス・ラヴェルと肩を並べるぐらいの作曲家になっていただろうと確信する。
by kirakuossan
| 2013-04-03 07:13
| 知られざる作曲家
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