2012年 04月 22日
偏見版『倶楽シック音楽全集』-19② ワーグナー |
2012年4月22日(日)
【第48巻】楽劇の完成者
ワーグナー:Ⅱ
楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲
【演奏時間:約3時間30分】
ここでは吉田秀和著「フルトヴェングラー」(河出文庫)から引用する。
・・・・・・・・・・・・・・・・
フルトヴェングラーの指揮姿に―しかも彼が死んだ1954年という年にはじめてヨーロッパに旅行したくせに―何回か接することができたというのは、私がいまだに自分の幸福の、それもいちばん混じりけのないよろこびに数えているものの一つである。私は、まずその年の5月パリで、ベルリン・フィルハーモニーを率いてきた時のフルトヴェングラーを二日間続けざまにきいた。<略>
フルトヴェングラーは、この曲を、パリでのベルリン・フィルハーモニーの演奏会のアンコールとしてやったのだが、それは本当にすばらしかった。当時、私は旅先から東京の雑誌に旅行記を書きおくっていて、それがのちに『音楽紀行』という題で本になった。今、その本を開いてみると、こうかいてある。
「けれども、僕のこの時のフルトヴェングラー体験の絶頂は、アンコールでやられた『トリスタンとイゾルデ』の<前奏曲>と<イゾルデの愛の死>だった。オーケストラの楽員の一人ひとりが、これこそ音楽中の音楽だという確信と感動に波打って、演奏している。いや確信なんてものではなく、もうそういうふうに生まれついてきているみたいだった。フルトヴェングラーが指揮棒をもった右手を腰のあたりに低く構えて高く左手を挙げると、全オーケストラは陶酔の中にすすり泣く」
今の僕には、ワーグナーについてとやかく触れることは出来ない。あまりにもワーグナーに関して知らなさすぎるからだ。もともとブラームスの方を好んで聴いてきたせいもあるが、彼の楽劇は超長時間に及ぶものばかりで、どれひとつ全曲を聴きとおしたものがないのだから・・・
【第48巻】楽劇の完成者
ワーグナー:Ⅱ
楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲
【演奏時間:約3時間30分】
ここでは吉田秀和著「フルトヴェングラー」(河出文庫)から引用する。
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フルトヴェングラーの指揮姿に―しかも彼が死んだ1954年という年にはじめてヨーロッパに旅行したくせに―何回か接することができたというのは、私がいまだに自分の幸福の、それもいちばん混じりけのないよろこびに数えているものの一つである。私は、まずその年の5月パリで、ベルリン・フィルハーモニーを率いてきた時のフルトヴェングラーを二日間続けざまにきいた。<略>
フルトヴェングラーは、この曲を、パリでのベルリン・フィルハーモニーの演奏会のアンコールとしてやったのだが、それは本当にすばらしかった。当時、私は旅先から東京の雑誌に旅行記を書きおくっていて、それがのちに『音楽紀行』という題で本になった。今、その本を開いてみると、こうかいてある。
「けれども、僕のこの時のフルトヴェングラー体験の絶頂は、アンコールでやられた『トリスタンとイゾルデ』の<前奏曲>と<イゾルデの愛の死>だった。オーケストラの楽員の一人ひとりが、これこそ音楽中の音楽だという確信と感動に波打って、演奏している。いや確信なんてものではなく、もうそういうふうに生まれついてきているみたいだった。フルトヴェングラーが指揮棒をもった右手を腰のあたりに低く構えて高く左手を挙げると、全オーケストラは陶酔の中にすすり泣く」
今の僕には、ワーグナーについてとやかく触れることは出来ない。あまりにもワーグナーに関して知らなさすぎるからだ。もともとブラームスの方を好んで聴いてきたせいもあるが、彼の楽劇は超長時間に及ぶものばかりで、どれひとつ全曲を聴きとおしたものがないのだから・・・
by kirakuossan
| 2012-04-22 18:15
| 偏見版「倶楽シック全集」(完)
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