2012年 02月 26日
☆秀盤 -5 完璧の域に達するベートーヴェン |
2012年2月26日(日)
エフゲニー・ムラヴィンスキー(1903~1988)の「イン・モスクワ」(7CD)BOXが正規高音質ステレオのうえに全てがライブで拍手付き、オマケにフルトヴェングラーばりの足音まで挿入されている。その中からロシア物を除いて敢えてベートーヴェンの2曲を挙げる。
ベートーヴェン:
・交響曲第4番変ロ長調 OP.60
・交響曲第5番ハ短調 OP.67「運命」
ワーグナー:
「神々のたそがれ」から”ジークフリートのラインへの旅”
1972年1月26日 モスクワ音楽院大ホールでのライブ録音(下の写真は当時のものではない)
☆★☆★☆★
ムラヴィンスキーは余程ベートーヴェンの第4番が好きだったのだろう。例の73年の日本初来日の時も5月26日東京文化会館、6月7日大阪フェスティバルホールの2回、この4番をやっている。東京の演奏はAltusのCDで残されているが、なかなかの秀演である。そして大阪の演奏は小生の耳の奥底に今も深く刻まれた感動のベートーヴェン4番である。そしてこのモスクワのライヴは来日の一年前に収録されたものであるが、演奏の完璧さをすでに証明している。「運命」ともども、これぞ”正調ベートーヴェン”の音楽である。
「運命」は今まで、ステレオ版でこれほど鮮やかな演奏の収録は耳にしたことがなかったのではないか?多分、このモスクワライブが日本で初めて聴ける鮮明な「運命」だろう。彼の9番を是非聴きたかったが、録音は残されていない。真に悔やまれる。
ところでこのモスクワライブBOXの7枚のCDは65年と72年のものだ。実は旧ソ連では、モスクワと他の都市では録音機器や設備で大きな差が付けられていて、早くからステレオ化されていたモスクワに比べて、たとえばレニングラードでは70年代になるまでまともなステレオ録音ができないというような状態であった。そうした状況下にあって首都モスクワへの遠征ということで気合い十分な名演が繰り広げられ、収録されたのがこの7枚なのだ。当時の西側諸国ですら65年頃のライヴ録音でこれだけのクオリティのものはほとんど無いことを考えると、こうした良質なステレオ録音で残されたのは奇跡的な出来事といってよい。このBOXはそういった面でも貴重な財産なのだ。
エフゲニー・ムラヴィンスキー(1903~1988)の「イン・モスクワ」(7CD)BOXが正規高音質ステレオのうえに全てがライブで拍手付き、オマケにフルトヴェングラーばりの足音まで挿入されている。その中からロシア物を除いて敢えてベートーヴェンの2曲を挙げる。
ベートーヴェン:
・交響曲第4番変ロ長調 OP.60
・交響曲第5番ハ短調 OP.67「運命」
ワーグナー:
「神々のたそがれ」から”ジークフリートのラインへの旅”
1972年1月26日 モスクワ音楽院大ホールでのライブ録音(下の写真は当時のものではない)
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ムラヴィンスキーは余程ベートーヴェンの第4番が好きだったのだろう。例の73年の日本初来日の時も5月26日東京文化会館、6月7日大阪フェスティバルホールの2回、この4番をやっている。東京の演奏はAltusのCDで残されているが、なかなかの秀演である。そして大阪の演奏は小生の耳の奥底に今も深く刻まれた感動のベートーヴェン4番である。そしてこのモスクワのライヴは来日の一年前に収録されたものであるが、演奏の完璧さをすでに証明している。「運命」ともども、これぞ”正調ベートーヴェン”の音楽である。
「運命」は今まで、ステレオ版でこれほど鮮やかな演奏の収録は耳にしたことがなかったのではないか?多分、このモスクワライブが日本で初めて聴ける鮮明な「運命」だろう。彼の9番を是非聴きたかったが、録音は残されていない。真に悔やまれる。
ところでこのモスクワライブBOXの7枚のCDは65年と72年のものだ。実は旧ソ連では、モスクワと他の都市では録音機器や設備で大きな差が付けられていて、早くからステレオ化されていたモスクワに比べて、たとえばレニングラードでは70年代になるまでまともなステレオ録音ができないというような状態であった。そうした状況下にあって首都モスクワへの遠征ということで気合い十分な名演が繰り広げられ、収録されたのがこの7枚なのだ。当時の西側諸国ですら65年頃のライヴ録音でこれだけのクオリティのものはほとんど無いことを考えると、こうした良質なステレオ録音で残されたのは奇跡的な出来事といってよい。このBOXはそういった面でも貴重な財産なのだ。
by kirakuossan
| 2012-02-26 19:37
| 注目盤◎
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