ホンマ!気楽おっさんの蓼科偶感

カテゴリ:美術( 106 )

春挙の出世作「法塵一掃」

2017年3月17日(金)

大津膳所の中ノ庄にある日本画家の大家山元春挙の別荘「蘆花浅水荘」を訪れた。
主屋二階の20畳ほどの広い画室に掲げられているひときわ目立つ下絵。これが春挙の出世作「法塵一掃」の下絵。禅僧の顔が印象的である。
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d0170835_14211827.jpgd0170835_14213460.jpg法塵一掃 山元春挙

1901年(明治34)に京都で開催された第7回新古美術品展に出品された大作で、竹内栖鳳《獅子》に次いで1等2席を獲得し、画壇に確乎たる地位を獲得した春挙の出世作である。禅の悟りに経論などは塵や埃と同じで不要なものとして、経典を焼き捨てた唐の禅僧周金剛の逸話を画題としている。画面の左から右へと、師の紀行に呆気にとられる二人の弟子から右を向いて経典を焼く周金剛、その煙が左から右上へたなびく動きのある画面構成が、一見速筆で荒々しい描法と相まって禅機画の軽妙さに至っている。水を含ませた刷毛を用いるなど、煙とそれが漂う禅堂の表現が秀逸であり、春挙の多様なテーマへの挑戦と優れた技量が融合した春挙30歳の記念すべき名作である。縦 (cm)160.5、横 (cm)231.9 (滋賀県立近代美術館解説より)

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d0170835_15182345.jpgd0170835_1519771.jpg











山元春挙(1872~1933)
明治から昭和初期にかけ活動した円山四条派の日本画家。本名は金右衛門。別号に円融斎、一徹居士。竹内栖鳳と共に、近代京都画壇を代表する画家である。


「春夏秋冬」
大正2 絹本着色・軸(4幅対) (各)171.5×86.4
第7回文展(1913)
京都国立近代美術館蔵

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by kirakuossan | 2017-03-17 14:14 | 美術 | Trackback

70回を迎えた県展

2016年12月9日(金)
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永井龍男の短編小説『白い柵』を借りるために図書館へ行ったついでに隣の近代美術館で「県展」を鑑賞する。
今年で第70回を数える。節目の開催年であるためか、例年になく、良い作品が揃っていたように思う。いつの年か、斬新性を追求したあまり、突飛すぎてあまり感動しない時もあったが、今年は違った。地に足がついたというか、(よく足に地が付いた、と言い違えるが)どの作品も堂々としていて、たいへん意欲的な感じがする力強い絵画が目に付いた。入り口に並んでいた彫刻も生き生きとして、興味を惹いた。入場無料、これは値打ちがあった。


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by kirakuossan | 2016-12-09 16:12 | 美術 | Trackback

今年こそは観に行こう

2016年10月25日(火)
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d0170835_8471921.jpgあっ、そうか、いま正倉院展をやっているんだ。毎年観に行こうと思いながら、ついつい行きそびれている。今年こそ行ってみよう。今年で68回目となる正倉院展には、北倉10件、中倉29件、南倉22件、聖語蔵3件の、合わせて64件の宝物が出陳される。そのうち初出陳は9件、例年通り正倉院宝物の概要がわかるような構成となっている。

会期:平成28年10月22日(土)~11月7日(月) 全17日
会場:奈良国立博物館 東新館・西新館


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by kirakuossan | 2016-10-25 08:42 | 美術 | Trackback

「売るための絵を描くな、立派な本当の絵を描け」 ~小山敬三美術館を訪ねて

2016年8月24日(水)
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d0170835_12163385.jpg小諸が生んだ昭和期の洋画家小山敬三(1897~1987)は山吹味噌で知られる大きな商家に生まれた。画家を志したが父の猛反対にあう。しかし彼の決意は変わらぬと見てとった父久左衛門は敬三にこう言った。
「売るための絵を描くな、立派な本当の絵を描け」



川端画学校で藤島武二に師事、1920年島崎藤村の勧めで渡仏、8年を経て帰国後、茅ヶ崎にアトリエを設ける。彼の作品に、白鷺城連作、浅間山連作があり、いずれも現地に行ってイメージを抱き、画室に戻って描いた。それは力強く、そして固有の一貫した画風である。
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d0170835_12253483.jpg彼の描いた女性画も好きだ、どこか上品で、優しい。
茅ヶ崎のアトリエで数多くの作品を生み出した。
グランドプリンスホテル新高輪にある画伯85歳の時に描いた「紅浅間」(縦4メートル横12メートル)は圧巻である。

(2016年8月23日)



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by kirakuossan | 2016-08-24 11:54 | 美術 | Trackback

二人の早世画家の作品に感動して

2016年6月3日(金)

d0170835_0112136.jpg演奏会前に灘まで立ち寄った甲斐があった。
兵庫県立美術館で催されている「1945年∓5年~激動と復興の時代・時代を生きぬいた作品」
1940年から50年にかけての日本画家の作品が全国の美術館などから200点あまり収集され一堂に陳列されている。
戦中は暗くて、戦後は希望に満ちて明るさが増した作品が多いのではと想像していたら、逆にどちらかというと戦後より戦前戦中の方に生き生きとした作品が多かった。戦後の作品には、何か苦々しい体験を悔いるような、それを払しょくしようと試み、でもどこか不健康な空しさだけがかえって浮き彫りになったような、そんな前衛画が並んでいるように思えた。


それでも感動を呼びおこしてくれたのは、戦前戦中に活動した早世画家、松本竣介(1912~1948)と森堯之(1915~1944)の二人の作品。ひとつは前者の「工場」と題した作品で、下町の、あたり一面が赤茶けた工場の雰囲気がとてもよく出ている。自分が幼いときに、親父が勤めていた町工場の匂いがプンプンとするような小さな絵で、思わず暫し立ちどまり感慨に耽った。d0170835_9193924.jpgもう一つは後者の全く知らない画家の作品で、ハルビンの風景を描いた3枚。どれも清楚で、白っぽく明るさに満ちた丁寧なタッチの画だが、不思議とその奥には何とも言いようのない淋しさも同居したような・・・これもしばらく顔を摺り寄せて近づき観続けた。
1944年ビルマで戦病死した森堯之は当時から前衛美術を代表する一人と目されていたらしいが、松本竣介と並んで、この二人が戦後もう少し長く画を描き続けられていたら、もっと有名になったであろうに。他には従軍画家時代の向井潤吉の田舎風景以外の絵を初めて目にしたし、小磯良平や藤田嗣治らも同様に普段とは全く違う題材の画に新鮮さを覚えた。

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木曜の朝、客はまばらでゆっくりと落ち着いて観覧できた。展覧会はやはりこうでないといけまへんな。
(2016年6月2日)



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by kirakuossan | 2016-06-03 09:19 | 美術 | Trackback

ハハハッ...伊藤若冲の掛け軸

2016年5月18日(水)

d0170835_18474883.jpg鉄ちゃんが若冲の掛け軸を置いていった。
伊藤若冲(1716~1800)といえば近世日本画家の一人で、江戸時代中期の京にて活躍した絵師である。花鳥画に優れた作品を多く残し、なかでも「鶏」の画は色彩も鮮やかで、しかも動きがあって迫力満点で見ごたえがある。


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ところがこの画は珍しい図柄、ホンマに若冲かいな? 万に一つもないのに一応調べてみるとは人間って浅はかですな。。。調べてみたら『伏見人形図』というのがあって、7体のはずがこの画は気が引けたのか6体。1体分は値打ちが落ちるのでしょう?よく見たら、若だったりして。まあ話のネタにはなりそうで・・・ハハハッ
ところで「伏見人形」、温もりと慈しみのほほえみで可愛いものですが、この6体、どこか目がしょぼついておりました。
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by kirakuossan | 2016-05-18 18:46 | 美術 | Trackback

モネマネ

2016年4月30日(土)
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d0170835_1434045.jpg昔から冗談で、ものまね→もねまね→モネマネ→モネとマネ・・・同時期のフランス印象派の二人の著名な画家。エドゥアール・マネ(Édouard Manet, 1832~1883年4月30日)は、印象派なる画家グループの中心的存在であった。でも、マネ自身が印象派展には一度も参加していないことがわかり、マネと印象派は各々の別の創作活動を行っていたと今では考えられている。今日はマネの命日である。

tuttiに置いてある絵皿は、150年前の彼の代表作の一つ「笛を吹く少年」である。

8歳年下にクロード・モネ(Claude Monet, 1840~1926)がいる。彼は”光の画家”と呼ばれ、時間や季節とともに移りゆく光と色彩の変化を生涯にわたり追求した画家であった。二人とも好きな画家であるが、マネの「草上の昼食(1862-63、オルセー美術館)」、モネの夫人を描いた「日傘を差す女(1875、ナショナル・ギャラリー)はとくに好きな画である。モネ晩年の「睡蓮」連作はあまり好きでない。

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今、岡崎でモネ展を開催中。
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by kirakuossan | 2016-04-30 13:29 | 美術 | Trackback

18歳未満入場禁止の美術展

2016年3月1日(火)

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d0170835_115129.jpg力さんは罪な人なのです。寝てる子を起こすとはまさにこのことでしょう。
朝から18歳未満入場禁止を大写しした美術館の案内写真をmixiで大々的に送って来るのです。しかもただいま展示室”混雑中”の案内掲示写真まで添えて。

「春画展」(2月6日~4月10日)
細見美術館
京都市左京区岡崎最勝寺町6-3


主催:
細見美術館 春画展日本開催実行委員会
共催:京都新聞
特別後援:
国際浮世絵学会、国際日本文化研究センター、
美術史学会、立命館大学アート・リサーチセンター
後援:朝日新聞社、産経新聞社、毎日新聞社、MBS

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主旨文
春画は江戸時代には笑い絵とも呼ばれ、性的な事柄と笑いが同居した芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画の総称です。特に欧米では、19世紀末ジャポニスム時代以降、高い評価を得てきました。近年では、2013年から2014年にかけて大英博物館で開催された「春画 日本美術の性とたのしみ」展が大きな話題を呼びました。
このたび、東京の永青文庫で昨年、開催された日本初の「春画展」が京都に巡回するはこびとなりました。デンマークのコレクターをはじめ、日本の美術館・研究所や個人が秘蔵する鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎といった浮世絵の大家による「春画の名品」が勢揃いします。
さらに、京都の西川祐信や大坂の月岡雪鼎の作品を通して、上方ならではの春画の魅力に迫り、狩野派や土佐派・住吉派と春画との関係もさぐります。大名から庶民にまで広く愛された肉筆と浮世絵が一堂に揃うまたとないこの機会に、ぜひ「春画の魅力」をご堪能ください。


立命館大学アート・リサーチセンターも特別後援をしているわけで、やはりOBとしても”少々の混雑”でも観に行かないわけにはいかないでしょう。なんのこっちゃ。




追記:
2016年3月2日(水)

d0170835_1524931.jpg平日だというのに朝から老若男女で賑わっておりました。
さてどうでしょう、四分六分で女性の方が多いようにも見受けられましたが...
しかもみな、顔を近づけては息を殺して・・・
まさに食い入るように観るとはあのことでしょうか。
まあ、時代もずいぶんと変わりましたなあ。

あんばいできたもんで、ちょうど今朝、本因坊ゆかりの寂光寺を岡崎に観に行きましたが、そのほん近くに細見美術館がありました。あくまでもメーンは顕本法華宗本山の寺の拝観でございましたので、
念のため。
by kirakuossan | 2016-03-01 10:53 | 美術 | Trackback

バロック絵画の先駆者カラヴァッジオ

2016年2月22日(月)

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17世紀冒頭、もっとも有名な画家であったミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオの作品「法悦のマグダラのマリア」が世界で初めて日本で公開される。「法悦のマグダラのマリア」は暗い背景の中に聖書に登場する女性マグダラのマリアが天を仰ぎながら座る姿が光に浮かび上がるように描かれた作品で、d0170835_131211.jpg今までに多くの同じ構図の絵があって、長い間議論がなされてきたが、収集家のコレクションの中から見つかった今回のこの絵が真筆と鑑定された。美術史研究家は「色の使い方や筆の運びは、まさにカラヴァッジョのもので彼の人生を投影したすばらしい作品です」と話している。
3月1日から東京上野の国立西洋美術館で催される日伊国交樹立150周年記念『カラヴァッジョ展』に出展される。
カラヴァッジョ(1571~1610)は、バロック絵画の先駆者で16世紀後半から17世紀にかけて活躍したイタリアの天才画家として知られ、写実的で、光と影を劇的に描き出す作風はバロック絵画の先駆者とされ、後の画家たちに大きな影響を与えた。

d0170835_12461598.jpgd0170835_12462759.jpgヨハネス・フェルメールやジョルジュ・ド・ラ・トゥール、あるいはレンブラント・ファン・レインなどは、もしカラヴァッジョがいなければ存在しえない画家だっただろう、とさえ言われている。これは是非とも観てみたいと思うが、開催期間が6月12日までとなっており、上手い具合に5月にまた娘たちがいる大磯に行くことになっているので、上野まで足を延ばして観に行く機会ができそうだ。

d0170835_14223877.jpgd0170835_14225460.jpgこうして並べてみるとラ・トゥールやレンブラントにその影響が出ているのがよくわかる。左がラ・トゥールの「大工ヨセフ」、右がレンブラントの「夜警」、いずれもカラヴァッジョの作品に劣らず有名な画である。
by kirakuossan | 2016-02-22 12:10 | 美術 | Trackback

歌川広重展

2016年2月20日(土)

生誕220年
歌川広重の旅

平木コレクション 保永堂版初摺でたどる東海道五十三次
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昨日、雨水の記事の中で広重の「吉原」のことを書いていたら、偶然にも京都駅の美術館「えき」で歌川広重展の初日だったので立ち寄ってきた。


展覧会概要

d0170835_13462439.jpg江戸時代に庶民の芸術として誕生した浮世絵は、今日まで多くの人々を魅了し、その文化的価値や芸術性が高く評価され、日本を代表する芸術として紹介されています。数多くの浮世絵師の中でも極めてなじみ深い絵師が歌川広重といえるでしょう。天保4年(1833)から保永堂版「東海道五十三次」が刊行されると、広重は一躍風景画家としての名を馳せることになりました。政治と経済の中心である江戸と歴史ある京都を結ぶ東海道には、風光明媚は名所がたくさんあり、保永堂版「東海道五十三次」を見た当時の人々は、居ながらにして旅を経験することができたのでしょう。本展は、平木浮世絵コレクションより、貴重な保永堂版「東海道五十三次」初摺の作品を一堂に展覧いたします。広重の描く東海道の世界をご堪能ください。

保永堂版「東海道五十三次」
広重の代表作として多くの人に親しまれました。版元の保永堂とは、今でいう出版社のようなものです。この作品は何度も増刷が重ねられた結果、摺りの状態の異なるもの、摩滅するまで版木を使って、新たに版木を彫り直したものがあるほど、その人気ぶりはすさまじいものでした。

ここに注目!
初摺の作品は、絵師の制作意欲を反映し、淡く軽やかな色彩で、見るものに爽やかな趣を感じさせます。初期の広重作品には、墨の濃淡を多用した淡い色彩を多く用いているため、広重作品の本質を知るためには、初摺の作品を知ることが重要です。また本展では、一部初摺と後摺の作品を並べて展示しますので、その違いを比べて見ることもできます。



d0170835_13303886.jpg大津の名物は走井餅。今もなお大津の名物として有名です。絵にも描かれていた井戸(走り井)は、現在「月心寺」というお寺の中庭にあるとのこと

この「月心寺」(大津市大谷町)は、逢坂の関を越えた道路沿いに面していて、井伏鱒二が最初画家になりたくて門をたたいた画匠橋本関雪の墓がある。

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広重の画は、細部にわたるまできめ細かく描かれている。例えば、人間の草鞋も、馬に履かせた草鞋も、その違いを実に細かい筆さばきで描き切っている。それに人々の表情が観るものになるほどと直接的に感じいるような巧さがある。例の「吉原」も左富士の画が掛かってあって、馬上の子供が左に見える富士のあまりにもの秀麗さに見とれている様子がよく表現されていた。それに広重ブルーがどの絵も冴えわたる。 (2016年2月19日)
by kirakuossan | 2016-02-20 13:20 | 美術 | Trackback

信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。


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d0170835_9203688.jpgシマノフスカ:
夜想曲 変ロ長調

グリンカ:
歌曲「ひばり」

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