ホンマ!気楽おっさんの蓼科偶感

カテゴリ:知られざる作曲家( 105 )

27曲も交響曲を書いた作曲家   .......知られざる作曲家104 ミャスコフスキー

2017年4月20日(木)
世に言われる交響曲作家は数知れど、不思議と9曲を遺した人が多いが、それを越え、果して誰が一番多く書いたか? ハイドンとモーツァルトは特殊なケースとしてそれ以外だと・・・やはり一番に思いつくのがショスタコヴィッチで15曲、それを上回るのが、アホで16曲とあほほど書いた。アラン・ペッタションという人も16曲、なにもベッタでショ、ではないですぞ、多い方です。

d0170835_10042652.jpgさらに上がいた。ワルシャワ生まれのニコライ・ミャスコフスキー(1881年4月20日~1950)というロシアの作曲家で27曲の交響曲を書いた。現代音楽の無調で訳のわからぬ音楽では、またロシアということでショスタコヴィッチあたりの暗い音楽を、と想像するが、彼の69歳最晩年に作曲した第27番の旋律の美しさは嬉しくなるほどで、まだこんな音楽を知らなかったのだ、是非1番から聴いてみようという思いにさせられる。


ミャスコフスキー:
ソビエト国立交響楽団 - USSR State Symphony Orchestra
エフゲニー・スヴェトラーノフ - Evgeny Svetlanov (指揮)

彼の弟子にはアラム・ハチャトゥリアンやドミトリー・カバレフスキーなどがいて師より有名になってしまった。ペテルブルク音楽院ではプロコフィエフと同級となり、生涯にわたる親交を結ぶ。そんななか日の目を見ることが無かった彼にも近年ようやく再評価が進んでいる。エフゲニー・スヴェトラーノフがミャスコフスキーを敬愛していて、再評価が進んでいなかった時期から彼の作品を積極的に取り上げていたという。で、さすがにこれ以上の多作家はいないだろうと思ったら、ハヴァーガル・ブライアンというイギリスの作曲家が32曲、アラン・ホヴァネスというアメリカの作曲家にいたっては第67番まで遺っている。この人たちのことはまた別の機会に。


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by kirakuossan | 2017-04-20 10:00 | 知られざる作曲家 | Trackback

凛とした雄大さと美しさ  .......知られざる作曲家103 ツェムリンスキー

2017年4月12日(水)
d0170835_2038461.jpgオーストリアの作曲家で指揮者のアレクサンダー・ツェムリンスキー(1871~1942)の書いた2つの交響曲のうち、1897年に世に出た2番目の変ロ長調シンフォニーは雄大で、独自色の強い佳曲である。
彼は、ロベルト・フックスに作曲を師事し、のちにブラームスにも評価される。シェーンベルクとはごく親しい間柄となるが、ツェムリンスキーはこの交響曲を書いた20歳代半ばごろをピークに、作曲家から指揮者へと活動を変えていく。
やがてアルマ・シントラーと恋に落ちるが、一説では彼の容姿の醜さが原因で二人の間柄は醒め?アルマはやがてマーラーのもとへと去る。晩年67歳にアメリカに亡命、シェーンベルクがアメリカで認められたのに比べ、彼はやがて忘れられた存在となっていく。
変ロ長調シンフォニーのAdagioなどは凛とした音楽で、それでいて彼独自の美しさがほとばしる。他に室内楽、ピアノ曲などを書いたが、代表作品とされる抒情交響曲はとりとめがない退屈な音楽であるが、むしろ 合唱曲にいくつかの素敵な作品がある。


d0170835_2102362.jpgツェムリンスキー:
交響曲第2番 変ロ長調
ベルリン放送交響楽団
リッカルド・シャイー (指揮)




合唱曲
春のおもい
ミュールハイマー・カントライ
ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
ジェイムズ・コンロン(指揮)


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by kirakuossan | 2017-04-12 20:32 | 知られざる作曲家 | Trackback

”ロシアのブラームス”  .......知られざる作曲家102 タネーエフ

2017年4月1日(土)
d0170835_7523365.jpg師はチャイコフスキー、弟子にはスクリャービン、ラフマニノフ、グラズノフ、プロコフィエフ、メトネルと錚々たる顔ぶれが揃うが、彼らの間に埋もれ、自分自身はほとんど知られていない作曲家にセルゲイ・タネーエフ(1856~1915)がいる。
彼は構築性を重んじ、対位法を多く駆使した作品を書き、”ドイツ的”と目されるところから「ロシアのブラームス」と称されたこともあった。

ピアニストでもあったため、ピアノ作品を中心に、室内楽や交響曲も3曲遺した。ただピアノ曲といってもソナタはほとんどなく、ピアノの重奏曲や弦楽四重奏曲でのピアノで、一度20歳の時、ピアノ協奏曲変ホ長調を書いたが、チャイコフスキーに酷評され、2楽章で筆を折った。今それを聴いてみたが、確かに、と頷ける。

d0170835_884698.jpgそれにひきかえ18歳で作曲した交響曲第1番 ホ短調は拙さはあるものの軽快で、若々しく爽やかなシンフォニーである。
タネーエフ:
交響曲第1番 ホ短調
ピアノ三重奏曲 ニ長調 Op. 22


弟子スクリャービンの葬儀で、棺を担ぐ際にあまりに薄着だったために風邪を引いてしまい、それがもとで心臓病で亡くなったというエピソードの方が有名な気の毒な作曲家であった。


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by kirakuossan | 2017-04-01 07:47 | 知られざる作曲家 | Trackback(1)

ショパンを予感させるピアノ曲  .......知られざる作曲家101 シマノフスカ

2017年2月9日(木)

d0170835_19294699.jpgJoi, 9 Februarie 15.30
Concerte de 5 stele • Producător Octavia Galescu. Realizator Mihai Stănescu. Recitalul susţinut de pianistul Marc-André Hamelin la Sala "Angelika Kauffmann" din Schwarzenberg
(20 iunie 2016).

Maria Szymanowska - Nocturna în Si bemol major;
Wolfgang Amadeus Mozart - Sonata KV 576 în Re major;
Franz Schubert/Serghei Prokofiev - Vals;
Franz Liszt - Preludiul "a capriccio" din ciclul "Soirées de Vienne";
Franz Schubert - Patru Impromptus D 935


5つ星コンサート。2016年6月20日に行われたマルカンドレ・アムランのリサイタルの模様を配信。
シマノフスカ:夜想曲 変ロ長調
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第18番 ニ長調 K. 576
プロコフィエフ:シューベルト組曲「ワルツ集」
リスト:前奏曲「カプリッチョ」「Soirées ・ ド ・ ヴィエンヌ」
シューベルト:4つの即興曲 Op. 142, D. 935



ルーマニア語なのでよくわからないが、翻訳サイトで調べると・・・
最初ショパンコンクールの準優勝者シャルル・リシャール・アムランのリサイタルかと思いきや、カナダは同じカナダでも別人のマルカンドレ・アムランであった。明るいタッチで弾くピアニストである。ただテクニック的には申し分ないのだが、なにか足りない、鍵盤ははじけるが心に響くピアノではない。



d0170835_20123783.jpgところでこのリサイタルの冒頭に演奏されたマリア・シマノフスカ(1789~1831)という作曲家の夜想曲がたいへん印象的であった。少しショパンを連想させるが、同じポーランド人だがショパンより20歳年長で、しかもマリアというぐらいだから女性である。彼女の方が先に作曲家として活動したことは間違いなく、ほかに練習曲やマズルカなども聴いているとまるでショパンが彼女を真似たのでは?といった錯覚にとらわれる。ショパンは夜想曲などにおいてジョン・フィールドの影響を多く受けたとされるが、彼女からもいくつかのアイデアを得たのかもしれない。


シマノフスカ:
夜想曲 変ロ長調
24 Mazurkas (excerpts)No. 12、No. 17
幻想曲 ヘ長調
アンナ・ツィボロフスカ(ピアノ)

彼女はピアニストとしてヨーロッパ全土で精力的な演奏旅行を行なった19世紀のポーランド人ヴィルトゥオーゾの先駆者であり、傍ら文芸サロンも開いた。そこでケルビーニ、ロッシーニ、フンメルらと親しく交わり、ケルビーニやフンメルからは作品を献呈されている。さらにゲーテとも親交があった。

また、今日素敵な作曲家に出逢えたが、これもルーマニア放送のおかげである。


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by kirakuossan | 2017-02-09 23:40 | 知られざる作曲家 | Trackback

もう一つのハンガリー狂詩曲   .......知られざる作曲家100 ポッパー

2017年1月30日(月)

d0170835_815166.jpgハンガリー狂詩曲といえばてっきりリストのピアノ曲だけと思っていたら、もうひとつ同名のハンガリー狂詩曲が存在した。作曲したのはダーヴィト・ポッパー(1843~1913)という ユダヤ系チェコ人で、チェリストでもありハンガリーで活動した。
4つのチェロ協奏曲らほとんどがチェロの曲が中心だが、その多くはサロン小品とみなされた。そのなかではハンガリー狂詩曲は一味違った趣を示す。彼はチャイコフスキーとも交流のあった当時最高のヴィルトゥオーゾの一人でリストの再来とも呼ばれたゾフィー・メンターと結婚した。彼女はリストの愛弟子でもあったが、ポンパーのハンガリー狂詩曲の作曲とは直接には関係ないだろう。ポンパーは40歳近くも年下のバルトークと犬猿の仲であったというのも面白い。


d0170835_0385164.jpgポッパー:
ハンガリー狂詩曲 Op. 68
イレーナ・ジョシフォスカ(チェロ)
エレオノーラ・マリ(ピアノ)


右の肖像画はロシアの画家イリヤ・レーピンの描いたゾフィー・メンター。画家イリヤ・レーピンはムソルグスキーの肖像画でもよく知られる。




「知られざる作曲家」も本稿でちょうど100号となった。

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by kirakuossan | 2017-01-30 00:30 | 知られざる作曲家 | Trackback

の~天気な音楽   .......知られざる作曲家99 ボイエルデュー

2017年1月5日(木)
d0170835_10544443.jpg”の~天気な音楽”、どれをとってもそんなような音楽を書いた作曲家にフランソワ=アドリアン・ボイエルデュー(1775~1834)がいる。「フランスのモーツァルト」とも呼ばれ、その音楽は、優雅さの中にどこまでも明るく、軽快で聴くものを愉しませる。
色んな楽器が掛け合う愉しく愉快な曲を書いたボイエルデューは生涯に41作のオペラ書いたが、今日上演されることのあるのは最大の彼のヒット作歌劇「白衣の婦人」の序曲のみである。この序曲はいずれ「序曲の饗宴」で語る事にして、ここでは唯一のピアノ協奏曲を、そして彼はハープの曲も書いたが、ここではハープの伴奏でソプラノの美しく可憐な歌声を二曲。


ピアノ協奏曲 ヘ長調
マルティン・ガリンク(ピアノ)
インスブルック交響楽団
ロベルト・ワーグナー(指揮)

Les Souvenirs, "Tout mon bonheur est dans mes larmes"
クリスティーヌ・ボシェ(ソプラノ)
イザベル・ペラン(ハープ)
Quinze ans, Myra
シルヴィエ・ニースフォール(ソプラノ)
東海林悦子(ハープ)


そんな明るい音楽を書いた彼も晩年は不遇であった。家財を失い、年金を受けながら生活を送るなどして59年の生涯を終えた。友人ケルビーニの「レクイエム」に送られて...



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by kirakuossan | 2017-01-05 10:47 | 知られざる作曲家 | Trackback

首相の書いたピアノ曲   .......知られざる作曲家98 パデルフスキ

2016年12月9日(金)
d0170835_8433540.jpg甲板へ出た。夕方の曇った灰色の空に富士山がはっきりと露はれた。それが、海を手前に、伊豆の山々の上に聳え立った工合が如何にも構図的で、北斎のさう云ふ富士を憶ひ出さした。
喫烟室では下手なピアノが響いて居た。そしてそれが止むと若い外国人が其処から出て来た。其男は「初めて富士山を見た」と満足らしく云った。
大島はもう後ろになって居た。風が寒いので彼は喫烟室から外の景色を見てゐた。伊豆の七島が一つ一つ其数を増して行った。若い外国人は又下手なピアノを弾き始めた。そして、ブライアの烟管を横ぐはへにしたまま何か小声で唄ってゐた。その間々にパデレフスキを聴いたとか、自分の女同胞にヴァイオリンの名手がゐるといふやうな事を話した。              (『暗夜行路』前編第二部から)

イグナツィ・ヤン・パデレフスキ(1860~1941)はポーランドのピアニストで作曲家、政治家、外交官、そして第一次世界大戦後に発足したポーランド第二共和国時代の第3代首相でもあった。ピアニストとしては一流であったが、作曲家としては三流であった。唯一彼の遺した作品で知られるのはピアノ曲演奏会用ユモレスクOp.14の「メヌエット」であろう。


d0170835_911998.jpgパデレフスキの自作自演
演奏会用ユモレスクOp.14第1曲メヌエット
30 January 1937
by kirakuossan | 2016-12-09 08:32 | 知られざる作曲家 | Trackback

”おそらく”づくめの作曲家  .......知られざる作曲家97 クレメンス・ノン・パパ

2016年12月4日(日)
d0170835_7554818.jpg”おそらく”づくめの作曲家がいる。盛期ルネサンスのフランドル楽派の作曲家ヤコブス・クレメンス・ノン・パパ(おそらく1510年から1515年の間~おそらく1555年または1556年)
彼はおそらくオランダのゼーラントに生まれ、30歳代におそらく皇帝カール5世の宮廷礼拝堂の楽長を務めたとされ、おそらくライデンなどでも居住し活動した可能性があるが、当時の皆が行ったイタリアへは足をはこばなかったようだ。彼の音楽からはイタリアの影響がないとされる。「ノン・パパ」という呼び名がついたのも珍しく、これはローマ教皇クレメンス7世と区別するため「パパ(教皇)ではない」と付け加えたとする説があるが、今ではおそらく彼が一時住んだ西フランドルの詩人ヤコブス・パパと区別するためとする説が有力であるとされる。パレストリーナ(1525-1594)やモンテヴェルディ(1567-1643)フレスコバルディ(1583-1643)よりも旧い音楽家ということになるが、多作家でモテットやミサ曲を多く残した。このことは”おそらく”ではなく間違いなく事実である。


ヤコブス・クレメンス・ノン・パパ:
ミサ曲「羊飼いたちよ、地上で何を見たのか」
タリス・スコラーズ

なお演奏者タリス・スコラーズは、男女混成の10名程度のメンバーを中心にルネサンス音楽、ミサ曲やモテットなどの宗教合唱曲をレパートリーに持つ、定評のあるグループである。

日曜の朝、たまに聴くミサもいいものだ。

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by kirakuossan | 2016-12-04 08:31 | 知られざる作曲家 | Trackback

ライト・ミュージック生みの親  .......知られざる作曲家96 コーツ

2016年9月21日(水)
d0170835_922832.jpgエルガーの「威風堂々」ばりのマーチに「ダムバスターズ・マーチ」がある。第二次世界大戦中にドイツ工業地帯の貯水池ダムを破壊するイギリス空軍第617中隊の部隊を「ダムバスターズ」として称したところから来ているが、この曲を作曲したのがエリック・コーツ(1886~1957)である。彼は現代音楽家のなかでも新しい分野を切り開いた。それはクラシックとポピュラー音楽の中間をいく「ライ・トミュージック」であった。

ダムバスターズ・マーチ
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
エイドリアン・ボールト(指揮)


コーツの名はこのマーチで世に知られるが、他に歌曲も書いた。これが実にしっとりとして好いのだ。

d0170835_9323861.jpg夕べの鳥の歌
Bird Songs at Eventide
アイ・ハード・ユー・シンギング
I Heard you Singing
キャスリン・ラッジ(メゾ・ソプラノ)
ジェイムズ・ベイリー(ピアノ)

もう一曲、ベッティとジョニー Betty and Johnnyという題の歌がある。This is a pen で始まる中学校の英語リーダーの教科書でJack and Bettyというのがあった。つい思い出した。全然関係ないけど・・・


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by kirakuossan | 2016-09-21 09:05 | 知られざる作曲家 | Trackback

聴き疲れがしない合奏協奏曲  .......知られざる作曲家95 ジェミニアーニ

2016年9月17日(土)

d0170835_10571464.jpgバッハやヘンデルの2歳年下にイタリア後期バロック音楽の作曲家フランチェスコ・ジェミニアーニ(1687~1762年9月17日)がいる。彼は長けたヴァイオリニストであり・音楽理論家でもあった。イタリアにおけるヴァイオリン演奏の方法論について最も有名な概説とされる「ヴァイオリン奏法論」を60歳半ばで著し、ヘンデルと同様ロンドンやダブリンで活躍したが、今では忘れ去られてしまった作曲家の一人である。当然ながら、ヴァイオリン曲が大半を占めるが、とりわけ42作品を遺した合奏協奏曲が知られる。これらにはヴィオラを入れて、弦楽四重奏的な色彩が強い。


代表作とされる合奏協奏曲作品3番の6作品を最初から聴いていくと、アクの強いヴィヴァルディの協奏曲と違い、またヘンデルほどの煌びやかさはないが、どことなく上品で、洗練され、聴き疲れがしない音楽である。



d0170835_11332934.jpgジェミニアーニ:
合奏協奏曲集 Op. 3
イ・ムジチ合奏団


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by kirakuossan | 2016-09-17 10:52 | 知られざる作曲家 | Trackback

信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。


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d0170835_9203688.jpgシマノフスカ:
夜想曲 変ロ長調

グリンカ:
歌曲「ひばり」

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