2017年 08月 05日
「千福」を知っていたら・・・ |
2017年8月5日(土)
またまた健一です。
林の中で飲む呉は今度の戦争で殆ど全焼して「千福」も焼跡に新築した部分が目立つが、酒を作っている場所に特有の落着きはある。如何に近代的な設備を誇っても、日本酒を作る過程そのものは手工業であって、これは葡萄酒やウイスキーと変りはない。瓶詰が前より手際よく行うようになった位のものである。
呉で飲んだ「千福」は、この旅行で飲んだ中で一番旨い酒だった。尤も、これは「千福」を作っている所に行ったからそうなので、同じこの地方でも「賀茂鶴」や「酔心」を飲んだら、どういう結果になったか解らないのかも知れないが、要するに、姫路から広島までの間の地方は、東は灘があり、西は広島が控えているので、余り旨い地酒がないらしいし、又、そういうものを作る必要もない訳である。岩国に「名橋正宗」というのがある位のようで、これには今度は接する機会がなかった。「千福」さんの応接間には「千福」と、それから広島名物の牡蠣が壮観を呈していて、時間の都合でもっと飲んで食べられなかったのが残念だった。
「汽車旅の酒」~姫路から博多まで 吉田健一
5月の車中泊旅行で、尾道から2号線を走って一気に広島市内に入り、途中、瀬戸内海岸の呉に立ち寄れなかったのは今でも残念に思うが、まして呉に「千福」という銘酒があることを知っていたなら絶対に立ち寄っただろうに・・・
酒名「千福」は、「女性が内助の功を讃えられるだけで、報いられることは少ないのは気の毒である」と、初代の母「フク」と、娘千登の「千」を取って名づけられたという。呉市内の灰が峰に湧く伏流水を用いた銘酒である。
蔵元三宅本店の4代目とサトウハチローが旧知の仲であった。
川のほとりで飲む
明るい丘で飲む
ぼくの好きな千福
若いときから飲んでる千福
いつでも美味い千福
日暮れのベランダで飲む
夜の部屋で飲む
楽しい気持ちで飲む
サトウハチロー
by kirakuossan
| 2017-08-05 20:34
| 食・酒
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