2017年 06月 29日
ピアニスト列伝―34 アリシア・デ・ラローチャ |
2017年6月29日(木)
アリシア・デ・ラローチャ(Alicia de Larrocha 1923~2009)は、バルセロナで生まれバルセロナで没したピアニスト。イングリット・ヘブラーより3歳年上、彼女もモーツァルトが得意であった。やはりスペインの血を引くのか、可憐さというより、健康的なカラッとした明るさが持ち味といえよう。
そして彼女の真骨頂は何といってもお国ものスペインの音楽だろう。アルベニスやグラナドス、ファリャ、モンポウ、何でもこいである。
アルベニス:Mallorca, barcarolle, Op. 202
モーツァルトもよいが、シャイーと共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲集と「合唱幻想曲」は特に素晴らしい。小柄だった彼女は手の小さな、指の広がらないピアニストとされるが、指の関節、手首と独自の奏法を身につけ、そこから醸し出される豊かな音色は決してそんなハンディを感じさせるものではない。このベートーヴェンを聴いているとそのことがよく解る。:
ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73
Piano Concerto No. 5 in E-Flat Major, Op. 73, "Emperor"
- アリシア・デ・ラローチャ - Alicia de Larrocha (ピアノ)
- ベルリン放送交響楽団 - Berlin Radio Symphony Orchestra
- リッカルド・シャイー - Riccardo Chailly (指揮)
アリシア・デ・ラローチャ - Alicia de Larrocha (ピアノ)
グラナドスの孫弟子であったラローチャは、戦後、イギリスでの評価は高く、マイラ・ヘスの後を継いで、2代目「ピアノの女王」と呼ばれる。ものの本によると、「ハプスブルグ時代のスペイン王朝の気品と威厳、そして華やかさを感じさせるものがある」となる。
by kirakuossan
| 2017-06-29 08:47
| ピアニスト列伝
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