2017年 05月 15日
ハンマーが打ち下ろされ、あの4つのシンバルが炸裂する。 |
2017年5月15日(月) マーラーの交響曲は最大の、最高のオーケストレーションが愉しめるが、30種類以上の楽器が駆使されるこうした華やかな演奏風景を見ながらマーラーの音楽を聴くとその楽しさは倍増され、陶酔することが出来る。何度もやり直しながら舞台上の楽員の人数を端から数えてみるが、管とパーカッションが正面に50人ほど、弦が左右に60人ほどの、110名を越える大編成である。盛大な拍手とブラヴォーの連呼、数度のカーテンコールのあと楽団員らはおもむろに立ち上がり席を離れかけた。そしてその直後、サロネンがまた舞台に登場、万雷の拍手を浴びた。そのときの細面の表情や首の振り方から、ふとあのアバドが浮かび上がった様な気がした。
ハンマーが打ち下ろされる、あの4つのシンバルが炸裂する、サロネン&フィルハーモニー管のマーラー6番は圧巻だった。ハンマーはグスタフ・マーラーが考案した楽器?ということらしいが、非常に珍しく、実演で見るのも初めてである。この6番と、あとはワーグナーの「ラインの黄金」ぐらいにしか登場しない。そのハンマーが2度振り下ろされ、ティンパニが容赦なくリズムを刻み、やがて80分にもおよぶ超大作は幕を下ろした。
先の、ベートーヴェンの3番のコンチェルト、チョ・ソンジンの一音一音大切に弾く、丁寧なピアノも悪くなかった。
フィルハーモニア管弦楽団演奏会
指揮:エサ=ペッカ・サロネン
ピアノ:チョ・ソンジン
(2017年5月14日)
by kirakuossan
| 2017-05-15 08:14
| クラシック
|
Trackback