ホンマ!気楽おっさんの蓼科偶感

有馬ではじまり草津で締める。

2017年2月10日(金)

嵐山から亀岡までの保津川の景色は美しかった。が、それよりも彼は青々とした淵を見ると、それに浸かって見たかった。川からきりたった山々の上に愛宕が僅かにその頂を見せていた。彼はいつも東から見る山をもう西から見ていた。そして彼の頭には瞬間衣笠の家が遠く小さく浮かんだ。綾部、福知山、それから和田山へ来て、漸く夏の日が暮れた。
彼は其の晩、城崎へ泊る事にして、豊岡を出ると、車窓から名高い玄武洞を見たいと思っていたが、暗い夜で、広い川の彼方に五つ六つの燈火を見ただけだった。
城崎では彼は三木屋というのに宿った。俥で見て来た町のいかにも温泉場らしい情緒が彼を楽しませた。高瀬川のような浅い流れが町のまん中を貫ぬいている。その両側に細い千本格子のはまった、二階三階の湯宿が軒を並べ、ながめはむしろ曲輪の趣に近かった。また温泉場としては珍しく清潔な感じも彼を喜ばした。一の湯というあたりから細い道をはいって行くと、桑木細工、麦藁細工、出石焼き、そういう店々が続いた。ことに麦藁を開いてはった細工物が明るい電燈の下に美しく見えた。
宿へ着くと彼はまず湯だった。すぐ前の御所の湯というのに行く。大理石で囲った湯槽の中は立って彼の乳まであった。強い湯の香に、彼は気分の和らぐのを覚えた。(「暗夜行路」志賀直哉)



温泉について、次のようなことが昔から言い伝えられてきた。

日本三名泉(林羅山)
有馬温泉(兵庫)草津温泉(群馬)下呂温泉(岐阜)
日本三古泉(日本書記・風土記)
有馬温泉(兵庫)道後温泉(愛媛)白浜温泉(和歌山)
三大名泉(枕草子)
榊原温泉(三重)有馬温泉(兵庫)玉造温泉(島根)

またよく温泉番付なるものが出されたが、明治の終わりころの「大日本温泉一覧」(20世紀見立改正新版1908年)によると・・・

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そこで5月に2週間の「文学温泉紀行」をする場合、西の兵庫有馬でスタートして山陽道、山陰道を経て、福井から石川、富山へ入り、新潟に足を伸ばし、そこから南下して群馬に入り、草津で終える。詳細についてはさらに研究することとしてざっとこんなイメージになる。


有馬温泉(兵庫)谷崎潤一郎「猫と庄造と二人の女」

湯来温泉(広島)

湯田温泉(山口) 中原中也、
湯本温泉(山口)

湯抱温泉(島根)斎藤茂吉、柿本人麻呂の終焉の地
出雲湯村温泉(島根)
玉造温泉(島根)

奥津温泉(岡山)藤原審爾「秋津温泉」、棟方志功
三朝温泉(鳥取)与謝野晶子、島崎藤村

城崎温泉(兵庫)志賀直哉「城の崎にて」

丹後木津温泉(京都)行基
芦原温泉(福井)水上勉「越前竹人形」

辰口温泉(石川)泉鏡花「海の鳴る時」
湯涌温泉(石川)竹久夢二

宇奈月温泉(富山)

越後湯沢温泉(新潟)川端康成「雪国」

伊香保温泉(群馬)徳富蘆花

草津温泉(群馬)


この番付(横綱はなし)にも、東大関に草津温泉、西大関に有馬温泉、西関脇城崎温泉、行司が伊香保温泉、さらには三大名泉の玉造温泉・・・ということでそのいずれも訪れることになる。(大磯の海水浴が世話人とはおもしろい)
たとえば城崎では「暗夜行路」にも出てくる御所の湯に入る。日帰り入浴500円である。全行程を西のトップから初めて、東のトップで締めるわけである。

(石川の湯涌温泉には新婚旅行で泊った白雲楼ホテルという豪華なホテルが存在したが現存しない)


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by kirakuossan | 2017-02-10 12:36 | 温泉♨ | Trackback
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信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。


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