2017年 01月 11日
先手の重要性を再認識 |
2017年1月11日(水)
対戦相手は私より2クラス下の方とはいえ、直近の成績は上り調子で打ち方も波に乗っているという風なウクライナの打ち手でした。二子局でのお手合わせでしたが、自画自賛で恐縮ですが白番の私の手筋が冴えて、相手の石をどんどん追いつめ、最後にとどめを刺すという、実に痛快な一局でした。(有段者から見れば一笑ものでしょうが、またウクライナのV氏には失礼ですが掲載します)
自己解説*
白57手までの一連の流れは序盤から白がペースをつかみ好調。白83手で黒2目をゲットしながら上辺へと進出します。ただ黒88手までは二子局ということもあってまだまだ左辺を中心に黒が圧倒的優位にあります。
いよいよ黒への布陣突破の作戦開始、最初の一手は白89手のケイマから、白93手の左隅の割り込みでした。以下、白105手からの目つぶし、125手で完全包囲し、黒石落城。ここで形勢はどうやら逆転した模様です。黒はここで132手から上辺から左隅を固める動きに入ります。黒138手まで、結構広い陣地を確保、この時点はまだ勝敗の行方は分かりません。
ここから白は左隅、右隅を外からジワジワ攻め、上辺に一部侵入、そして黒模様であった左辺でも白167手まで、地を確保し白好調に進みます。次なるターゲットは中央に陣取るまだ眼形がはっきりしない黒の集団です。白がこの時点ですでに20目ほどのリードがあるため、普通であればこのような無謀な戦略はまず成功せず自滅するのが通り相場ですから、選択しない。でもいつもの悪い癖でつい深く踏み込んでみたくなるのです。もちろんこれに失敗すれば、”窮鼠猫を噛む”で再逆転される危険性も出てきます。慎重に狙いを定めて進みます。白183手の黒4目への当りが鋭い手筋でした。そして、白185、187、189と手を緩めません。ここで中央の黒集団を左右に分断することに成功し、右の大群は眼無しの状態になりました。作戦が大成功、ここで完全に勝負あったということです。
ただ後で置き直して分かったことですが、先手の白183手がまさに勝負手であったということです。あそこで先手を黒に許していたなら、黒は184手でB11と白151へのアテが大きく、続いてA6、T10、M18、さらにL19、B10と畳みかけられ一気に形勢は黒へと逆転される危険性がありました。圧勝のようであった碁がたった1手の緩手で黒石を分断するどころか、後手に回りごろりと急変する碁の怖さ、まさに先手の重要性を再認識した一局でした。
終局:白大差勝ち
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自己解説*
白57手までの一連の流れは序盤から白がペースをつかみ好調。白83手で黒2目をゲットしながら上辺へと進出します。ただ黒88手までは二子局ということもあってまだまだ左辺を中心に黒が圧倒的優位にあります。
いよいよ黒への布陣突破の作戦開始、最初の一手は白89手のケイマから、白93手の左隅の割り込みでした。以下、白105手からの目つぶし、125手で完全包囲し、黒石落城。ここで形勢はどうやら逆転した模様です。黒はここで132手から上辺から左隅を固める動きに入ります。黒138手まで、結構広い陣地を確保、この時点はまだ勝敗の行方は分かりません。
ここから白は左隅、右隅を外からジワジワ攻め、上辺に一部侵入、そして黒模様であった左辺でも白167手まで、地を確保し白好調に進みます。次なるターゲットは中央に陣取るまだ眼形がはっきりしない黒の集団です。白がこの時点ですでに20目ほどのリードがあるため、普通であればこのような無謀な戦略はまず成功せず自滅するのが通り相場ですから、選択しない。でもいつもの悪い癖でつい深く踏み込んでみたくなるのです。もちろんこれに失敗すれば、”窮鼠猫を噛む”で再逆転される危険性も出てきます。慎重に狙いを定めて進みます。白183手の黒4目への当りが鋭い手筋でした。そして、白185、187、189と手を緩めません。ここで中央の黒集団を左右に分断することに成功し、右の大群は眼無しの状態になりました。作戦が大成功、ここで完全に勝負あったということです。
ただ後で置き直して分かったことですが、先手の白183手がまさに勝負手であったということです。あそこで先手を黒に許していたなら、黒は184手でB11と白151へのアテが大きく、続いてA6、T10、M18、さらにL19、B10と畳みかけられ一気に形勢は黒へと逆転される危険性がありました。圧勝のようであった碁がたった1手の緩手で黒石を分断するどころか、後手に回りごろりと急変する碁の怖さ、まさに先手の重要性を再認識した一局でした。
終局:白大差勝ち
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by kirakuossan
| 2017-01-11 11:15
| 囲碁
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