2016年 10月 27日
「高畑サロン」 |
2016年10月27日(木)
奈良公園の一角、高畑町にある文学館「高畑サロン」。志賀直哉の旧居であるが、志賀直哉自らが設計し、1929年4月に竣工した和洋中折衷住宅。木造数寄屋造2階建ての立派な建物は、敷地面積1,440m²、延床面積442m²。130坪以上の家屋は、部屋数の多さもさることながら、純日本建築の中にもモダンな要素を取り入れた素晴らしいもの。各部屋どこからも日本庭園が望めるように設計され、しかも部屋から外を望むとまるで額縁絵でも見るように、窓の大きさ、高さも計算されている。志賀直哉はよほど家に愛着を持っていたことがうかがわれ、自らの設計の素晴らしさがそれを物語る。
中でも食堂兼娯楽室とサンルームを兼ねた空間は、その広さといい、落ち着いた内装といい、さすが直哉のセンスの良さと育ちの良さが感じとれる。この娯楽室を「高畑サロン」と呼び、多くの文人たちが集い、語り合った。その中には、小林多喜二、谷崎潤一郎、武者小路実篤、尾崎一雄、谷川徹三、亀井勝一郎、そして小林秀雄らがいた。
思わずこの部屋でしばし物思いに耽った。
この家の書斎で1937年、「暗夜行路」を完結、9年過ごしたあと、1938年東京に転居した。生涯28回転居したが、でもこんな立派な居宅を10年も満たないうちに離れるとはもったいない。奈良を去り東京へ帰った後も「奈良はいい所だが、男の児を育てるには何か物足りぬものを感じ、東京へ引っ越してきたが、私自身には未練があり、今でも小さな家でも建てて、もう一度住んでみたい気がしている」と奈良への愛着を表したとされる。
博物館近辺の駐車場はどこも満車で、少し離れた高畑にある公営の駐車場に向ったが、ここも満車、仕方なく新薬師寺へ向かう細道を走行中に”任意料金”?という珍しい駐車場を見つけ、運よく一台分が空いていたので500円をポストに入れて駐車した。ちょうどその道路沿いに志賀直哉の旧居は建っている。
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思わずこの部屋でしばし物思いに耽った。
博物館近辺の駐車場はどこも満車で、少し離れた高畑にある公営の駐車場に向ったが、ここも満車、仕方なく新薬師寺へ向かう細道を走行中に”任意料金”?という珍しい駐車場を見つけ、運よく一台分が空いていたので500円をポストに入れて駐車した。ちょうどその道路沿いに志賀直哉の旧居は建っている。
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by kirakuossan
| 2016-10-27 19:55
| 文芸
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