2016年 09月 15日
指揮者100選☆98 フリューベック |
2016年9月15日(木)
スペインの後期ロマン派作曲家にヘロニモ・ヒメネスがいるが彼の音楽でスペイン独自の叙情的オペラ音楽サルスエラの「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲がある。ほんの5,6分の短い音楽だが華やかで印象的だ。この曲を決まったようにアンコールで演奏した指揮者がいる。同じスペイン人指揮者のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(Rafael Frühbeck de Burgos,スペイン 1933~2014)である。70年代に来日、大阪フィルとの演奏会でもちろん初めて知ったが、背の高いガッチリとしたなかなかの美男子で、この長ったらしい名前もなぜか不思議とスラスラと覚えたものだ。実は名前がラファエル・フリューベックであって、デ・ブルゴスは「ブルゴス出身の」という意味であるが、デ・ブルゴスという語感が親しみやすく、長く姓と思い込んでいた。今別荘に来ているので、この時のプログラムを手にはできないが、グリーンで彩られた、いかにも南欧スペインを思わせるものだった。
2012年に読響を振りに来日した彼の指揮姿の写真を見て、昔の精悍なイメージが年月とともに好々爺に変っていることには少々驚いた。
母国のスペイン国立管弦楽団の首席指揮者を1962年から17年間務め、1988年から91年にかけては音楽監督の地位にあった。一方では1980年から4年間、読売日本交響楽団の常任指揮者にも就き、その後も1990年以降、同楽団の名誉指揮者を務めた。
☆演奏スタイルは・・・
晩年にかけて円熟味が増し、壮大な演奏を繰り広げた。
☆録音は・・・
数々のレーベルにまたがって比較的積極的な録音活動を行なった。パリ・オペラ座管弦楽団とのビゼー歌劇「カルメン」や最近では上原彩子のピアノでロンドン交響楽団とのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番などがある。
☆私見・・・
奇縁で彼の40代の若い時のまだ未熟な指揮に接したこともあって、以降、南欧出身の指揮者ということも相まって彼の印象は常に二流指揮者の域を出なかった。ところが晩年の彼の音楽を聴くに及んで、それは大きな過ちを犯していたことに気づき、後悔したものである。スペイン音楽以外の、例えばブラームスの交響曲第1番などはれっきとしたドイツロマン派音楽の本道をゆくものである。この演奏のオーケストラはこれも2004年から8年の長きにわたり首席指揮者にあった手兵ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団とのものである。2013年6月末、後任のミヒャエル・ザンデルリングの指揮でこのオーケストラ演奏会に接したが、この時も偶然ブラームスの1番だったが、その伸び伸びとした演奏、分厚い響きはさすが本場ドイツのオーケストラという印象を持った。これなども下地はフリューベックが作り上げた音楽なのだろう。
ブラームス:
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
☆Myライブラリーより・・・
唯一のレコードはアンヘレスの「歌の翼に」の伴奏である。
メンデルスゾーン:
6つのリート Op. 34 - 第2曲 歌の翼に
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
シンフォニア・オブ・ロンドン
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
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スペインの後期ロマン派作曲家にヘロニモ・ヒメネスがいるが彼の音楽でスペイン独自の叙情的オペラ音楽サルスエラの「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲がある。ほんの5,6分の短い音楽だが華やかで印象的だ。この曲を決まったようにアンコールで演奏した指揮者がいる。同じスペイン人指揮者のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(Rafael Frühbeck de Burgos,スペイン 1933~2014)である。70年代に来日、大阪フィルとの演奏会でもちろん初めて知ったが、背の高いガッチリとしたなかなかの美男子で、この長ったらしい名前もなぜか不思議とスラスラと覚えたものだ。実は名前がラファエル・フリューベックであって、デ・ブルゴスは「ブルゴス出身の」という意味であるが、デ・ブルゴスという語感が親しみやすく、長く姓と思い込んでいた。今別荘に来ているので、この時のプログラムを手にはできないが、グリーンで彩られた、いかにも南欧スペインを思わせるものだった。
2012年に読響を振りに来日した彼の指揮姿の写真を見て、昔の精悍なイメージが年月とともに好々爺に変っていることには少々驚いた。
母国のスペイン国立管弦楽団の首席指揮者を1962年から17年間務め、1988年から91年にかけては音楽監督の地位にあった。一方では1980年から4年間、読売日本交響楽団の常任指揮者にも就き、その後も1990年以降、同楽団の名誉指揮者を務めた。
☆演奏スタイルは・・・
晩年にかけて円熟味が増し、壮大な演奏を繰り広げた。
☆録音は・・・
数々のレーベルにまたがって比較的積極的な録音活動を行なった。パリ・オペラ座管弦楽団とのビゼー歌劇「カルメン」や最近では上原彩子のピアノでロンドン交響楽団とのチャイコフスキーピアノ協奏曲第1番などがある。
☆私見・・・
奇縁で彼の40代の若い時のまだ未熟な指揮に接したこともあって、以降、南欧出身の指揮者ということも相まって彼の印象は常に二流指揮者の域を出なかった。ところが晩年の彼の音楽を聴くに及んで、それは大きな過ちを犯していたことに気づき、後悔したものである。スペイン音楽以外の、例えばブラームスの交響曲第1番などはれっきとしたドイツロマン派音楽の本道をゆくものである。この演奏のオーケストラはこれも2004年から8年の長きにわたり首席指揮者にあった手兵ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団とのものである。2013年6月末、後任のミヒャエル・ザンデルリングの指揮でこのオーケストラ演奏会に接したが、この時も偶然ブラームスの1番だったが、その伸び伸びとした演奏、分厚い響きはさすが本場ドイツのオーケストラという印象を持った。これなども下地はフリューベックが作り上げた音楽なのだろう。
ブラームス:
交響曲第1番 ハ短調 Op. 68
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
☆Myライブラリーより・・・
唯一のレコードはアンヘレスの「歌の翼に」の伴奏である。
メンデルスゾーン:
6つのリート Op. 34 - 第2曲 歌の翼に
ビクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
シンフォニア・オブ・ロンドン
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス(指揮)
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by kirakuossan
| 2016-09-15 08:36
| 指揮者100選(完)
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