2016年 06月 27日
指揮者100選☆93 クーセヴィツキー |
2016年6月27日(月)
バルトークに作曲を委嘱したために「管弦楽のための協奏曲」 BB 123を生むきっかけとなったユダヤ系ロシア人指揮者で作曲家にセルゲイ・クーセヴィツキー(Serge Koussevitzky,ロシア、1874~1951)がいる。彼はこの「管弦楽のための協奏曲」を高く評価し、「今世紀の25年間のうちで、最高のオーケストラ作品である」と激賞した。ピエール・モントゥーの後を継ぎ、1924年から1949年までボストン交響楽団の常任指揮者を務め、シャルル・ミュンシュにバトンタッチした。
彼はバルトークだけではなく内外の作曲家に多くの作品を委嘱した。ラヴェルによる「展覧会の絵」の編曲やレスピーギによる「音の絵」の編曲、さらにはメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」や1931年のボストン交響楽団創立50周年記念のための委嘱作品としては、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」やルーセルの交響曲第3番が知られる。でもこれだけの経歴を持ちながら、不思議なのは指揮者としての評価は今一歩であることだ。モントゥーよりも、ミュンシュよりも、明らかに影は薄い。それは遺した録音が少なかったのが最大の要因かも知れないが・・・
☆演奏スタイルは・・・
線の太い、豊潤な指揮ぶりを披露した。ただ古典作品などであくが強すぎるといった見方も片方ではあった。
☆録音は・・・
手兵ボストン響とのシベリウスの交響曲第2番は1950年の録音であるが、これはあくの強さが好結果を生んだケースで、スケール感の大きい立派な演奏、音質もよく、オーマンディ指揮フィラデルフィア管と並んで同曲の名演と評価されているのもうなずける。それとあとはやはり得意としたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」だろう。
シベリウス:
交響曲第2番 ニ長調 Op. 43
ボストン交響楽団
セルゲイ・クーセヴィツキー(指揮)
録音: 29 November 1950
バルトーク:
管弦楽のための協奏曲 BB 123
ボストン交響楽団
セルゲイ・クーセヴィツキー(指揮)
録音: 30 December 1944,
☆私見・・・
とくに日本では知られていないが、もっと再評価されてもよい巨匠のひとりであると思う。
☆Myライブラリーより・・・
「20世紀の偉大な指揮者」シリーズの2枚組セットだが、ここにもシベリウス第7番、それにこれも得意としたチャイコフスキーの第5番、ベートーヴェンの第5番などが収められている。濃厚なチャイコフスキーを聴いていて、同世代のメンゲルベルクの演奏が頭をよぎった。こってりこってりがこの時代の要請であったのだろう。そういう意味では現代の聴衆にとっては少しヘビーではある。
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バルトークに作曲を委嘱したために「管弦楽のための協奏曲」 BB 123を生むきっかけとなったユダヤ系ロシア人指揮者で作曲家にセルゲイ・クーセヴィツキー(Serge Koussevitzky,ロシア、1874~1951)がいる。彼はこの「管弦楽のための協奏曲」を高く評価し、「今世紀の25年間のうちで、最高のオーケストラ作品である」と激賞した。ピエール・モントゥーの後を継ぎ、1924年から1949年までボストン交響楽団の常任指揮者を務め、シャルル・ミュンシュにバトンタッチした。
彼はバルトークだけではなく内外の作曲家に多くの作品を委嘱した。ラヴェルによる「展覧会の絵」の編曲やレスピーギによる「音の絵」の編曲、さらにはメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」や1931年のボストン交響楽団創立50周年記念のための委嘱作品としては、ストラヴィンスキーの「詩篇交響曲」やルーセルの交響曲第3番が知られる。でもこれだけの経歴を持ちながら、不思議なのは指揮者としての評価は今一歩であることだ。モントゥーよりも、ミュンシュよりも、明らかに影は薄い。それは遺した録音が少なかったのが最大の要因かも知れないが・・・
☆演奏スタイルは・・・
線の太い、豊潤な指揮ぶりを披露した。ただ古典作品などであくが強すぎるといった見方も片方ではあった。
☆録音は・・・
手兵ボストン響とのシベリウスの交響曲第2番は1950年の録音であるが、これはあくの強さが好結果を生んだケースで、スケール感の大きい立派な演奏、音質もよく、オーマンディ指揮フィラデルフィア管と並んで同曲の名演と評価されているのもうなずける。それとあとはやはり得意としたバルトークの「管弦楽のための協奏曲」だろう。
シベリウス:
交響曲第2番 ニ長調 Op. 43
ボストン交響楽団
セルゲイ・クーセヴィツキー(指揮)
録音: 29 November 1950
バルトーク:
管弦楽のための協奏曲 BB 123
ボストン交響楽団
セルゲイ・クーセヴィツキー(指揮)
録音: 30 December 1944,
☆私見・・・
とくに日本では知られていないが、もっと再評価されてもよい巨匠のひとりであると思う。
☆Myライブラリーより・・・
「20世紀の偉大な指揮者」シリーズの2枚組セットだが、ここにもシベリウス第7番、それにこれも得意としたチャイコフスキーの第5番、ベートーヴェンの第5番などが収められている。濃厚なチャイコフスキーを聴いていて、同世代のメンゲルベルクの演奏が頭をよぎった。こってりこってりがこの時代の要請であったのだろう。そういう意味では現代の聴衆にとっては少しヘビーではある。
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by kirakuossan
| 2016-06-27 18:27
| 指揮者100選(完)
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