2016年 05月 31日
月2、3度の碁会所通い |
2016年5月31日(火)
私がまだ五段にならない頃には、秀策流の布石、一、三、五と三つの隅の小目に打つ堅実な石立を好んで打っていたが、その後間もなく新布石法が出て来て、碁の理論が難しくなり、小目に打つことが隅の片寄りだという風に思われて来て、だんだん小目よりは高い位置に石を布くような、それこそ碁界全体を風靡するようになって来た。
碁は陰と陽との調和の世界だと考えていた私は、そのような布石はあまり一方へ行き過ぎで、いつかは旧布石と新布石との調和した新しい世界が来るのではなかろうか、それがこれから先の碁の世界になるのではなかろうかと考えていた。はっきりした形ではなく、ぼんやりとした考えではあったが、この頃の専門棋士たちの布石を見ると、当時の私の考えは当っていたように思う。~
よく、昔の名人の碁を並べてみると、まことに作戦が見事であり、雄大なものがあるといい、今の碁はこせこせしていて、芸が細かく、地に辛く、さっぱり面白くないと聞かされることがある。しかし、昔の名人が生きていた頃は、相手になる者の技が低く、棋聖道策にしろ、名人道知にしろ、また丈和にしろ、秀和にしろ、いずれにしても力が違うから無理も利き、雄渾な作戦も、壮大な計画も立てることが出来たであろうが、今のように、お互いの技術が近く、髪の毛一筋の違いしかない優れた人達を相手にして闘わなければならない時には、毛ほどの無理さえ通らない。ましてそんなに雄大な作戦を立てて相手を自分の畑に引き入れるというようなことは出来ない相談である。だから今の碁が理論に走り、地に辛く、芸に細かさをもったとしても、それは時代のためであり、決して不思議なことではないと思う。
碁を検べるということは、結局は自分の心を突きとめることで、自分のあり方が低いか高いか、今の己れの技の強さ弱さを測るためにする苦しい自分との闘いに過ぎない。
「棋聖・名人を語る」呉清源
3月くらいから碁会所に通い出した。といっても月に2~3度程度で、最初は分からないから3級ということで始めたが、今は碁会所に張ってある表を見ると、弱い1級ないしは強い2級といったあたりか。今日も4局戦い、2勝2敗、そのどれもがコミの差範囲内ということで、だいぶ碁の対局らしいことになってきた、というところか。
その表の横に新聞の切り抜きが張りだしてあった。
朝日アマ囲碁名人戦滋賀大会の様子の記事だが、優勝したのは草津市に住む19歳の立命館大生杉田俊太朗君とあった。7月2~3日に開かれる全国大会へ滋賀県代表で2年連続出場するが、「今年は優勝を狙う」とえらい意気込みだ。
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私がまだ五段にならない頃には、秀策流の布石、一、三、五と三つの隅の小目に打つ堅実な石立を好んで打っていたが、その後間もなく新布石法が出て来て、碁の理論が難しくなり、小目に打つことが隅の片寄りだという風に思われて来て、だんだん小目よりは高い位置に石を布くような、それこそ碁界全体を風靡するようになって来た。
碁は陰と陽との調和の世界だと考えていた私は、そのような布石はあまり一方へ行き過ぎで、いつかは旧布石と新布石との調和した新しい世界が来るのではなかろうか、それがこれから先の碁の世界になるのではなかろうかと考えていた。はっきりした形ではなく、ぼんやりとした考えではあったが、この頃の専門棋士たちの布石を見ると、当時の私の考えは当っていたように思う。~
よく、昔の名人の碁を並べてみると、まことに作戦が見事であり、雄大なものがあるといい、今の碁はこせこせしていて、芸が細かく、地に辛く、さっぱり面白くないと聞かされることがある。しかし、昔の名人が生きていた頃は、相手になる者の技が低く、棋聖道策にしろ、名人道知にしろ、また丈和にしろ、秀和にしろ、いずれにしても力が違うから無理も利き、雄渾な作戦も、壮大な計画も立てることが出来たであろうが、今のように、お互いの技術が近く、髪の毛一筋の違いしかない優れた人達を相手にして闘わなければならない時には、毛ほどの無理さえ通らない。ましてそんなに雄大な作戦を立てて相手を自分の畑に引き入れるというようなことは出来ない相談である。だから今の碁が理論に走り、地に辛く、芸に細かさをもったとしても、それは時代のためであり、決して不思議なことではないと思う。
碁を検べるということは、結局は自分の心を突きとめることで、自分のあり方が低いか高いか、今の己れの技の強さ弱さを測るためにする苦しい自分との闘いに過ぎない。
「棋聖・名人を語る」呉清源
3月くらいから碁会所に通い出した。といっても月に2~3度程度で、最初は分からないから3級ということで始めたが、今は碁会所に張ってある表を見ると、弱い1級ないしは強い2級といったあたりか。今日も4局戦い、2勝2敗、そのどれもがコミの差範囲内ということで、だいぶ碁の対局らしいことになってきた、というところか。
その表の横に新聞の切り抜きが張りだしてあった。
朝日アマ囲碁名人戦滋賀大会の様子の記事だが、優勝したのは草津市に住む19歳の立命館大生杉田俊太朗君とあった。7月2~3日に開かれる全国大会へ滋賀県代表で2年連続出場するが、「今年は優勝を狙う」とえらい意気込みだ。
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by kirakuossan
| 2016-05-31 17:18
| 囲碁
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