2016年 03月 19日
指揮者100選☆82 ベルグルンド |
2016年3月19日(土)
同い年のケルテスが出たからでもないが、次はパーヴォ・ベルグルンド(Paavo Allan Engelbert Berglund, フィンランド、1929~2012)に行ってみよう。ベルグルンドといえば、シベリウス音楽のスペシャリスト、そして珍しいサウスポー指揮者を真っ先に思い浮かべる。考えればサウスポーは彼しか知らない。
母国の偉大な作曲家シベリウスを振らすとこの人の右に出る人はいない、というよりベルグルンドといえばシベリウスしか知らない。それぐらいの人だからさすがにシベリウス交響曲全集は3度録音している。最初はボーンマス交響楽団と70年代半ばに、続いて10年後にヘルシンキ・フィルと、そして90年代半ばはヨーロッパ室内管弦楽団と、といった具合だ。昔からイギリスのオーケストラといえばシベリウスを得意としたが、これは全集ではないが第2番などをロンドン・フィルともやっている。ベルグルンドは1962年から1972年までフィンランド放送交響楽団首席指揮者に就任し、その後引き続いてイギリスのボーンマス交響楽団の首席指揮者として1979年まで勤め、これと並行して1975年にはヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督にも就任、多忙を極めた。その間、65年、71年、74年、75年と頻繁に来日もした。日本でのオールシベリウスプロは今でも語り草になっており、シベリウス音楽を広めた立役者ともいえる。
☆演奏スタイルは・・・
その演奏は、単に叙情性に流されるのではなく、地に足のしっかり着いた、内面的燃焼度の高い正統な音楽である。
☆録音は・・・
シベリウスの録音数は圧倒的に多いが、ほかにショスタコヴィッチやスメタナ、ニールセン、さらにヨーロッパ室内管とのブラームス交響曲全集がある。
☆Myライブラリーより・・・
シベリウスの第2番を最初に知り、次に第1番を知った。2番のディスクは他の指揮者で何枚かあるが、シベリウスの全集となるとこれが初めてであった。Brilliant Classics(原盤はEMI)から出ていたボーンマス響との廉価盤、正直そのときは指揮者ベルグルンドの存在そのものにはあまり関心がなかった。
☆私見・・・
第2番をそれぞれの全集から聴き比べてみる。
シベリウス:
交響曲第2番 ニ長調 Op. 43
ボーンマス交響楽団 - Bournemouth Symphony Orchestra
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1976年(44:55)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 - Helsinki Philharmonic Orchestra
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1986年(39:50)
ヨーロッパ室内管弦楽団 - Chamber Orchestra of Europe
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1995年(41:42)
聴き慣れたせいもあるのだろう、素朴で、ゆったりとした自然な流れ、最初のボーンマス交響楽団との演奏を最も好む。しかも音質も優れている。最後のヨーロッパ室内との演奏は、演奏のレベルとしてはボーンマスよりかなり上なのだろうが、強弱やテンポ、バランスなど演奏が少し作為的な感じがしないでもない。まあ、3度も録音すれば前の2回とは趣を変えようと思うのは分からないでもないが・・・
でも先にこちらの演奏で聴き馴染んでいたら、逆にボーンマスの演奏を、何と粗野な、と思うかもしれない。
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同い年のケルテスが出たからでもないが、次はパーヴォ・ベルグルンド(Paavo Allan Engelbert Berglund, フィンランド、1929~2012)に行ってみよう。ベルグルンドといえば、シベリウス音楽のスペシャリスト、そして珍しいサウスポー指揮者を真っ先に思い浮かべる。考えればサウスポーは彼しか知らない。
母国の偉大な作曲家シベリウスを振らすとこの人の右に出る人はいない、というよりベルグルンドといえばシベリウスしか知らない。それぐらいの人だからさすがにシベリウス交響曲全集は3度録音している。最初はボーンマス交響楽団と70年代半ばに、続いて10年後にヘルシンキ・フィルと、そして90年代半ばはヨーロッパ室内管弦楽団と、といった具合だ。昔からイギリスのオーケストラといえばシベリウスを得意としたが、これは全集ではないが第2番などをロンドン・フィルともやっている。ベルグルンドは1962年から1972年までフィンランド放送交響楽団首席指揮者に就任し、その後引き続いてイギリスのボーンマス交響楽団の首席指揮者として1979年まで勤め、これと並行して1975年にはヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督にも就任、多忙を極めた。その間、65年、71年、74年、75年と頻繁に来日もした。日本でのオールシベリウスプロは今でも語り草になっており、シベリウス音楽を広めた立役者ともいえる。
☆演奏スタイルは・・・
その演奏は、単に叙情性に流されるのではなく、地に足のしっかり着いた、内面的燃焼度の高い正統な音楽である。
☆録音は・・・
シベリウスの録音数は圧倒的に多いが、ほかにショスタコヴィッチやスメタナ、ニールセン、さらにヨーロッパ室内管とのブラームス交響曲全集がある。
☆Myライブラリーより・・・
シベリウスの第2番を最初に知り、次に第1番を知った。2番のディスクは他の指揮者で何枚かあるが、シベリウスの全集となるとこれが初めてであった。Brilliant Classics(原盤はEMI)から出ていたボーンマス響との廉価盤、正直そのときは指揮者ベルグルンドの存在そのものにはあまり関心がなかった。
☆私見・・・
第2番をそれぞれの全集から聴き比べてみる。
シベリウス:
交響曲第2番 ニ長調 Op. 43
ボーンマス交響楽団 - Bournemouth Symphony Orchestra
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1976年(44:55)
ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団 - Helsinki Philharmonic Orchestra
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1986年(39:50)
ヨーロッパ室内管弦楽団 - Chamber Orchestra of Europe
パーヴォ・ベルグルンド - Paavo Berglund (指揮)
1995年(41:42)
聴き慣れたせいもあるのだろう、素朴で、ゆったりとした自然な流れ、最初のボーンマス交響楽団との演奏を最も好む。しかも音質も優れている。最後のヨーロッパ室内との演奏は、演奏のレベルとしてはボーンマスよりかなり上なのだろうが、強弱やテンポ、バランスなど演奏が少し作為的な感じがしないでもない。まあ、3度も録音すれば前の2回とは趣を変えようと思うのは分からないでもないが・・・
でも先にこちらの演奏で聴き馴染んでいたら、逆にボーンマスの演奏を、何と粗野な、と思うかもしれない。
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by kirakuossan
| 2016-03-19 11:14
| 指揮者100選(完)
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