2015年 12月 08日
旅愁を誘う名、榛名 |
2015年12月8日(火)
伊香保の夜はもう書くまい。明日は榛名だ。私はここはまだ初めてのところだが、友人のSがあるとき誰かに嘆声を洩らしながら、何事かしきりに推賞してゐる声をふと聞いたので、何だと横から訊くと、榛名だと言下に答ヘえた記憶を思ひ起こす。私は混雑した宿の窓からはるかな山頂の榛名を仰ぐと、榛名は雲の中に隠れてゐる。私はまだ見ぬ宝玉を見る思ひで棚曳く雲の中に沈んでゐる山頂の円い小さな湖を胸に描いた。
昨夜眠る前に、横光利一の短編「秋」と「榛名」を読んでいた。偶然にも、今日の昼のニュースのあと、伊香保温泉の景色が映し出された。伊香保の近くの山が榛名山である。
伊香保温泉は戦国時代に武田勝頼の命で真田昌幸が整備されたといわれる由緒ある名湯である。竹久夢二、徳富蘆花、夏目漱石、萩原朔太郎、野口雨情など文人が多く訪れたところでも知られ、蘆花の『不如帰』にも出てくる。
「榛名」という響きはどことなく好い。行ったことはないがどことなく旅愁を誘う名である。
それにしても今日のこの明るさ、暖かさはどうしたもんだ。部屋にじっとしていると汗ばんでくるくらいだ。伊香保名物の水沢うどんじゃないが、冷やしうどんが急に食べたくなった。
下呂温泉と伊香保温泉は是非とも行ってみたい温泉である。来年こそはどちらも絶対に行くぞ!
伊香保の夜はもう書くまい。明日は榛名だ。私はここはまだ初めてのところだが、友人のSがあるとき誰かに嘆声を洩らしながら、何事かしきりに推賞してゐる声をふと聞いたので、何だと横から訊くと、榛名だと言下に答ヘえた記憶を思ひ起こす。私は混雑した宿の窓からはるかな山頂の榛名を仰ぐと、榛名は雲の中に隠れてゐる。私はまだ見ぬ宝玉を見る思ひで棚曳く雲の中に沈んでゐる山頂の円い小さな湖を胸に描いた。
昨夜眠る前に、横光利一の短編「秋」と「榛名」を読んでいた。偶然にも、今日の昼のニュースのあと、伊香保温泉の景色が映し出された。伊香保の近くの山が榛名山である。
伊香保温泉は戦国時代に武田勝頼の命で真田昌幸が整備されたといわれる由緒ある名湯である。竹久夢二、徳富蘆花、夏目漱石、萩原朔太郎、野口雨情など文人が多く訪れたところでも知られ、蘆花の『不如帰』にも出てくる。
「榛名」という響きはどことなく好い。行ったことはないがどことなく旅愁を誘う名である。
下呂温泉と伊香保温泉は是非とも行ってみたい温泉である。来年こそはどちらも絶対に行くぞ!
by kirakuossan
| 2015-12-08 13:17
| 文芸
|
Trackback