ホンマ!気楽おっさんの蓼科偶感

「指揮者ランキング」を見て、

2015年8月23日(日)
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松本市で1992年に始まった音楽祭「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」の総監督を務めてきた実績などを評価し「県の音楽文化に多大な貢献をされた」として創設した長野県「県民栄誉賞」第1号を指揮者の小澤征爾に贈ったという記事が地元紙に載っていた。
『レコード芸術』お得意のランキングもの企画、最新号では「現代の名指揮者ランキング」を企画している。今回は現役の指揮者を挙げ<現代の名指揮者><未来の巨匠指揮者>にそれぞれ分けて評価している。ランキングそのものは各評論家の趣味嗜好が優先された結果となって、いつものように一つの参考程度に見る方が正解である。ただ若手指揮者を採りあげた<未来の巨匠指揮者>は新星を知るきっかけとなって、こちらの方は見る価値がある。
ところで小澤征爾は<現代の名指揮者>のなかでどこにランキングされているかだが、11ポイントの29位にある。でもよく見ると30人中わずか2人の評論家が挙げているだけで、しかもそのひとり(諸石幸生)が9ポイントを出しての合計11ポイントというのが実情で、多くの評論家が支持しているのではないことが分かる。(評論家と言っても僕はあまり信用はしていないが・・・)ことほどさように、単純にポイントだけで判断すると間違った解釈に陥りかねないのである。だからいつもこういうのを見るときは分解して中身を吟味する。そしてどちらにしても鵜呑みにせず参考程度にとどめておくのが肝要である。

まず単純にポイント順にそのまま挙げてみると・・・
①サイモン・ラトル-134
②マリス・ヤンソンス-129
③リッカルド・シャイー-105
④ダニエル・バレンボイム-102
⑤ニコラウス・アーノンクール-101
⑥ヴァレリー・ゲルギエフ-86
⑦リッカルド・ムーティ-82
⑧エサ=ペッカ・サロネン-80
⑨ベルナルト・ハイティンク-68
⑩パーヴォ・ヤルヴィ-66
以下、アントニオ・パッパーノ51、クリスティアン・ティーレマン39、マルク・ミンコフスキ30、マイケル・ティルソン・トーマス29、シャルル・ドュトワ28と続く。意外と低かったのは㉑ズービン・メータ18、51位ジョン・エリオット・ガーディナー6、51位アンドレ・プレヴィン6、58位ユーリ・テミルカーノフ4といったところ。
また、ポイント数ではなく、票数(票に入れた評論家数)に置き換えてみても、サロネンが4位、ヤルヴィが6位に上がる程度でこの順位はほぼ同じ結果となった。
評価を下すのに、演奏の好みではなく、客観的にみて、最も優れている指揮者を10人選べという条件が付いているが、このランキング上位の顔ぶれを見て、想像通りだし、何の面白味もないものである。ラトル、ヤンソンス、バレンボイム、ゲルギエフやサロネン、よく来日し、”話題性”と”人気”だけの指揮者ではないのか?
ただここで意外だったのは、いつも評価が二分されるアーノンクールの上位ノミネートである。しかも5人が最高点10点をつけた。10点がもっとも多かったのはヤンソンスの6人、ラトルは4人、ハイティンクも4人だった。
30人の評論家のなかで順位は変っても顔ぶれはほとんどがよく似た結果だったが、次の3人の評論家は一線を画していた。真実のほどは分からないが、誰を選んでいるかはそれぞれに興味があるところだ。ベスト5をそれぞれ挙げると・・・
〔安田和信氏〕
ニコラウス・アーノンクール、トーマス・ファイ(単独)、ルネ・ヤーコプス、パーヴォ・ヤルヴィ、ペーター・ノイマン(単独)
〔平林直哉〕
シャルル・ドュトワ、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ、ウラディミール・フェドセーエフ、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(単独)、アンドレ・プレヴィン(単独)
〔矢澤孝樹〕
ニコラウス・アーノンクール、ジョルティ・サバール、エルヴェ・ニケ(単独)、テオドール・クルレンツィス(単独)、フランソワ=グザヴィエ・ロト(単独)
【小生の順不同のベスト5】
マイケル・ティルソン・トーマス、アントニオ・パッパーノ、ワルター・ウェラー、大野和士それに若手からひとりアンドレア・バッティストーニ
今回こうして見ていって、いつの間にか多くの実力派の巨匠が去ってしまったことを改めて感じる結果となった。コリン・デーヴィス、ロリン・マゼール、クラウディオ・アバド・・・。
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次に、20年後に音楽界をリードしているであろう若手指揮者(1970年以降生誕)を5人ずつ選出したランキングだ。こちらの方は大いに参考にして今後探っていきたい。
①グスターボ・ドゥダメル57
②アンドリス・ネルソン50
③キリル・ペトレンコ45
④ダニエル・ハーディング38
⑤ヤニック・ネゼ=セガン33
⑥フランソワ=グザヴィエ・ロト30
⑦テオドール・クルレンツィス25
⑧フィリップ・ジョルダン21
⑨トゥガン・ソヒエフ20
⑨アンドレア・バッティストーニ20
以下は、ウラディミール・ユロフスキ18、パブロ・エラス=カサド15、さらに山田和樹11、ヤクブ・フルシャ10と続く。
こちらも予想通りの顔ぶれといったらそうかもしれないが、17位のアンドレス・オロスコ=エストラーダが意外と下位だった。これも今秋の演奏会後は人気が高まるのだろう。何度も書くが僕は最近、山田和樹にはマークである、若いのに変にまとまりすぎている。


今回のこの企画を読んで、再認識を深め、今後注目して聴いてみたい指揮者は以下のとおりである。

ルネ・ヤーコプス(1946~)ベルギーのカウンターテナー歌手で指揮者。近年、ハイドンやモーツァルトの交響曲をレコーディングして注目される。
トーマス・ファイ(1960~)ドイツの指揮者。モダン楽器を使ったピリオド系の演奏を特徴としている。
マルク・ミンコフスキ(1962~)フランスの指揮者。バロック音楽が中心だが、古典派やロマン派の音楽も積極的に取り組んでおり、レパートリーは広い。評論家の舩木篤也に言わせれば「無駄のない指揮の身振り」ということになる。
キリル・ペトレンコ(1972~)ロシアの指揮者。ベルリン・フィルとの古典からロマン派音楽の演奏が今から楽しみである。
アンドレス・オロスコ=エストラーダ(1977~)コロンビアのヴァイオリニストで指揮者。Hr交響楽団の首席指揮者で今秋聴くことにしている。
アンドレア・バッティストーニ(1987~)イタリアの指揮者。今春大賀ホールで演奏に接し、いっぺんに惚れ込んだ。
それともうひとりニコラウス・アーノンクール。今さらといった感がするが、5人もがトップに推したのは無視できない。
by kirakuossan | 2015-08-23 06:08 | クラシック | Trackback
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信州の名峰蓼科山麓の女神湖近くの山荘"tutti”は標高1650mにある。これほどの高地にある別荘は日本でもそう多くはない。だから平地とは気温が10℃も違うのです。


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