2015年 05月 15日
ショーペンハウアーを片手に散歩する老人 |
2015年5月15日(金)
ガレージ脇に咲いたタンポポ、タイヤで踏まれないように皆、隅っこに咲いている。利口だなあ。
時々前の道を散歩しているひとりの老人を見かける。今日は本を読みながら、なにか考え事でもしている風な神妙な面持ちでゆっくりと歩いてくる。思わず尋ねてみると「ショーペンハウアーの哲学書」だった。立ち話も何なので、部屋まで誘い茶を飲みながら少し話した。僕がクラシックの話を少しすると、その老人は控えめに喋りだした。
「フルトヴェングラーの英雄は良い、ブルノー・ワルターも好きだ。ただベートーヴェンなどの正統な音楽を指揮させるとトスカニーニはまるでだめだ」
小説の話になって夏目漱石を今になって順番に呼んでいるというと、「漱石の『坊ちゃん』が一番好きだ、最初の作品で、伸び伸びと書いているところが良い」とかえってきた。そして、自分も小説を書くのが趣味とも言われる。
「人間の心理をついた奥深い小説で、『罪と罰』ほどの厚さ程ある、原稿用紙にして1800枚にもなった」
出版されたらどうかというと、「実は出版社に掛け合ってみたが、500万円もかかるそうなので断念した」という。
奧さんを5年前に亡くされたようだが、元気そうで明るくて、気さくな人だ。もう80歳は越えておられるだろう、相模の人で、毎年4月から10月頃まではこちらで住んでいるとのこと。
「まずは誰も知らないだろうけど、私の大好きなカール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』を知っている人がこの別荘内にいるとは驚いた」と言いながら帰られた。
酒も少々なら毎晩やっているということなので、近いうちに食事でもということになるだろう。
そしていま、思い出したように、『カルミナ・ブラーナ』を聴いている。
オルフ:
カルミナ・ブラーナ
アーリーン・オジェー - Arleen Auger (ソプラノ)
ヨーン・ファン・ケステレン - John Van Kesteren (テノール)
ジョナサン・サマーズ - Jonathan Summers (バリトン)
フィルハーモニア合唱団 - Philharmonia Chorus
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestra
リッカルド・ムーティ - Riccardo Muti (指揮者)
時々前の道を散歩しているひとりの老人を見かける。今日は本を読みながら、なにか考え事でもしている風な神妙な面持ちでゆっくりと歩いてくる。思わず尋ねてみると「ショーペンハウアーの哲学書」だった。立ち話も何なので、部屋まで誘い茶を飲みながら少し話した。僕がクラシックの話を少しすると、その老人は控えめに喋りだした。
「フルトヴェングラーの英雄は良い、ブルノー・ワルターも好きだ。ただベートーヴェンなどの正統な音楽を指揮させるとトスカニーニはまるでだめだ」
小説の話になって夏目漱石を今になって順番に呼んでいるというと、「漱石の『坊ちゃん』が一番好きだ、最初の作品で、伸び伸びと書いているところが良い」とかえってきた。そして、自分も小説を書くのが趣味とも言われる。
「人間の心理をついた奥深い小説で、『罪と罰』ほどの厚さ程ある、原稿用紙にして1800枚にもなった」
出版されたらどうかというと、「実は出版社に掛け合ってみたが、500万円もかかるそうなので断念した」という。
奧さんを5年前に亡くされたようだが、元気そうで明るくて、気さくな人だ。もう80歳は越えておられるだろう、相模の人で、毎年4月から10月頃まではこちらで住んでいるとのこと。
「まずは誰も知らないだろうけど、私の大好きなカール・オルフの『カルミナ・ブラーナ』を知っている人がこの別荘内にいるとは驚いた」と言いながら帰られた。
酒も少々なら毎晩やっているということなので、近いうちに食事でもということになるだろう。
そしていま、思い出したように、『カルミナ・ブラーナ』を聴いている。
オルフ:
カルミナ・ブラーナ
アーリーン・オジェー - Arleen Auger (ソプラノ)
ヨーン・ファン・ケステレン - John Van Kesteren (テノール)
ジョナサン・サマーズ - Jonathan Summers (バリトン)
フィルハーモニア合唱団 - Philharmonia Chorus
フィルハーモニア管弦楽団 - Philharmonia Orchestra
リッカルド・ムーティ - Riccardo Muti (指揮者)
by kirakuossan
| 2015-05-15 19:01
| 偶感
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