2014年 11月 20日
指揮者100選☆57 ガッティ |
2014年11月20日(木)
イタリア人指揮者には逸材が次から次へと現れる。古くはあの大御所アルトゥーロ・トスカニーニ(1867~1957)に始まり、トゥリオ・セラフィン(1878~1968)ヴィクトル・デ・サバタ(1892~1967)、不慮の航空事故で早世したグィード・カンテッリ(1920~1956) イーゴリ・マルケヴィチ(1912~1983)さらに最近まで活躍したカルロ・マリア・ジュリーニ(1914~2005)と引き継がれ、70年代に入ってクラウディオ・アバド(1933~2014)リッカルド・ムーティ(1941~)続くジュゼッペ・シノーポリ(1946~2001)リッカルド・シャイー(1953~)の時代を迎える。そして最近ではアントニオ・パッパーノ(1959~)や同期のファビオ・ルイージ(1959~)へとその伝統は綿々と引き継がれてきた。
そして今また新たに実力を蓄え、新世代を背負う大物指揮者と目される男が登場した。それがダニエレ・ガッティ (Daniele Gatti, イタリア、1961~)である。
彼の今までの経歴と現在や新たなポストの実績を見るとその大物さがよく理解できる。1992年から1997年までのローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団に始まり、ユーリ・テミルカーノフの後任としてロイヤル・フィルハーモニーの首席指揮者(92~96年)、同じくイギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席客演指揮者(94~97年)、97年からはリッカルド・シャイーの後任としてボローニャ市立劇場の音楽監督に(2006年まで)、さらにフランツ・ウェルザー=メストのあとチューリッヒ歌劇場の首席指揮者(09~12年)、また現在は2008年からフランス国立管弦楽団の音楽監督の席にあり、18年にダニエル・ハーディングに引き継ぐことが決まっている。そして最近いよいよ世界三大オケの一角と目されるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者にマリス・ヤンソンスからバトンを2016年に引き継ぐことが決まった。すでにバイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭にも登場しており、恐るべき53歳。まさに今、世界で最も注目される指揮者であり、必ずや将来の歴史に残るであろう巨匠へのスタートを切ったばかりである。これからの彼の活躍からは目が離せないだろう。
☆録音は・・・
すでにオペラの大作など、録音にも恵まれている。ウィーン・フィルとの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲、『エレクトラ』全曲やメトロポリタン歌劇場との『パルジファル』全曲。オーケストラ曲では、ローマ三部作をサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団で、ドビュッシーの『海』、『牧神の午後への前奏曲』やストラヴィンスキーの『春の祭典』『ペトルーシュカ』をフランス国立管弦楽団で録音している。ドビュッシーは2012年度の「レコード・アカデミー賞」(管弦楽部門)に輝いた。続くストラヴィンスキーも緻密で、躍動感あふれるダイナミックな演奏を繰り広げている、と好評である。
そこでNML に何かディスクがないか調べてみるとロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのチャイコフスキーのシンフォニー第4番~第6番があった。さっそく聴いてみたが、ゆったりとした懐の深い、それでいてメリハリの利いた鮮やかな響きを聴かせる好演である。
チャイコフスキー:
交響曲第6番 ロ短調 「悲愴」 Op. 74
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ダニエレ・ガッティ(指揮)
(録音: 26-27 May 2005, Watford Colosseum, London, England, United Kingdom)
☆Myライブラリーより・・・
資料を繰っていると、あるではないか!以前に、コンセルトヘボウ管との2005年「ラストナイト演奏会」をNHK放送の録画で収録していたことを知る。このことは全く記憶になかったが、大津へ帰れば早速観てみたい。(ヴェルディ「運命の力」、パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲」など)
☆演奏スタイルは・・・☆私見・・・はまだよくわからない白紙の指揮者だ。これから聴きこんでいくのが楽しみである。
イタリア人指揮者には逸材が次から次へと現れる。古くはあの大御所アルトゥーロ・トスカニーニ(1867~1957)に始まり、トゥリオ・セラフィン(1878~1968)ヴィクトル・デ・サバタ(1892~1967)、不慮の航空事故で早世したグィード・カンテッリ(1920~1956) イーゴリ・マルケヴィチ(1912~1983)さらに最近まで活躍したカルロ・マリア・ジュリーニ(1914~2005)と引き継がれ、70年代に入ってクラウディオ・アバド(1933~2014)リッカルド・ムーティ(1941~)続くジュゼッペ・シノーポリ(1946~2001)リッカルド・シャイー(1953~)の時代を迎える。そして最近ではアントニオ・パッパーノ(1959~)や同期のファビオ・ルイージ(1959~)へとその伝統は綿々と引き継がれてきた。
そして今また新たに実力を蓄え、新世代を背負う大物指揮者と目される男が登場した。それがダニエレ・ガッティ (Daniele Gatti, イタリア、1961~)である。
彼の今までの経歴と現在や新たなポストの実績を見るとその大物さがよく理解できる。1992年から1997年までのローマ聖チェチーリア国立音楽院管弦楽団に始まり、ユーリ・テミルカーノフの後任としてロイヤル・フィルハーモニーの首席指揮者(92~96年)、同じくイギリスのコヴェント・ガーデン王立歌劇場の首席客演指揮者(94~97年)、97年からはリッカルド・シャイーの後任としてボローニャ市立劇場の音楽監督に(2006年まで)、さらにフランツ・ウェルザー=メストのあとチューリッヒ歌劇場の首席指揮者(09~12年)、また現在は2008年からフランス国立管弦楽団の音楽監督の席にあり、18年にダニエル・ハーディングに引き継ぐことが決まっている。そして最近いよいよ世界三大オケの一角と目されるロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者にマリス・ヤンソンスからバトンを2016年に引き継ぐことが決まった。すでにバイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭にも登場しており、恐るべき53歳。まさに今、世界で最も注目される指揮者であり、必ずや将来の歴史に残るであろう巨匠へのスタートを切ったばかりである。これからの彼の活躍からは目が離せないだろう。
☆録音は・・・
すでにオペラの大作など、録音にも恵まれている。ウィーン・フィルとの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲、『エレクトラ』全曲やメトロポリタン歌劇場との『パルジファル』全曲。オーケストラ曲では、ローマ三部作をサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団で、ドビュッシーの『海』、『牧神の午後への前奏曲』やストラヴィンスキーの『春の祭典』『ペトルーシュカ』をフランス国立管弦楽団で録音している。ドビュッシーは2012年度の「レコード・アカデミー賞」(管弦楽部門)に輝いた。続くストラヴィンスキーも緻密で、躍動感あふれるダイナミックな演奏を繰り広げている、と好評である。
そこでNML に何かディスクがないか調べてみるとロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのチャイコフスキーのシンフォニー第4番~第6番があった。さっそく聴いてみたが、ゆったりとした懐の深い、それでいてメリハリの利いた鮮やかな響きを聴かせる好演である。
チャイコフスキー:
交響曲第6番 ロ短調 「悲愴」 Op. 74
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
ダニエレ・ガッティ(指揮)
(録音: 26-27 May 2005, Watford Colosseum, London, England, United Kingdom)
☆Myライブラリーより・・・
資料を繰っていると、あるではないか!以前に、コンセルトヘボウ管との2005年「ラストナイト演奏会」をNHK放送の録画で収録していたことを知る。このことは全く記憶になかったが、大津へ帰れば早速観てみたい。(ヴェルディ「運命の力」、パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲」など)
☆演奏スタイルは・・・☆私見・・・はまだよくわからない白紙の指揮者だ。これから聴きこんでいくのが楽しみである。
by kirakuossan
| 2014-11-20 07:00
| 指揮者100選(完)
|
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Tracked
from dezire_photo..
at 2015-01-27 12:31
タイトル : 晩年のワーグナーがバイロイトの音の理想郷のために残した不..
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