2014年 08月 24日
偏見版『倶楽シック音楽全集』-41② R・シュトラウス |
2014年8月24日(日)
【第88巻】ロマン派最末期の巨星
R・シュトラウス :Ⅱ
このシリーズ記事、前回からR・シュトラウスを採りあげたが、どうしたわけか5月20日以来、随分と間隔が空いてしまった。奇しくも先週訪れた草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの今年のテーマは「リヒャルト・シュトラウス生誕150周年~ミュンヒェン、ウィーン、ドレスデン~であった。このフェスティヴァルでのコンサートは17日のオープニングから30日までの2週間毎夕繰りひろげられる。室内楽を中心にR・シュトラウスの作品が次々と披露される。
オーボエ協奏曲 ニ長調 TrV292 ピアノ・ソナタ ロ短調 作品5 TrV103 チェロ・ソナタ ヘ長調 作品6 TrV115 アンダンテ ハ長調 TrV155(トロンボーン版) ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18 TrV151 ピアノ三重奏曲 第1番 イ長調 TrV53 クラリネットとファゴットのための二重小協奏曲 ヘ長調 TrV293 協奏曲 第1番 変ホ長調作品11 TrV117(原曲:ホルン協奏曲) ワルツ~オペラ『バラの騎士』作品59 TrV227a 5つのピアノ小品 作品3 TrV105より 第3曲 ハ短調 間奏曲/トロイメライ ~「5つの情緒のある風景」作品9 TrV127より第3曲、第4曲 フーガ ~「14の即興曲とフーガ」TrV130より(4手連弾版) ロマンツェ 変ホ長調 TrV80 海辺の思い(ロマンツェ)作品12 弦楽四重奏曲 イ長調 作品2 TrV95 ピアノ四重奏曲 ハ短調 作品13 TrV137 メタモルフォーゼン TrV290(弦楽七重奏版:R.レオポルト編曲) それにジェンマ・.ベルタニョッリによる歌曲の数々・・
熱心な人は初日にプログラムを買う(もちろん自分も買ったが)、そしてそれを毎夕持参しては演奏会を愉しむといったあんばいだ。そこでたいそう感心したのは、その80頁にも及ぶプログラム(1000円)の装丁の充実さもさることながら、コンサート解説の執筆陣が一流ということだ。17日のオープニングコンサートは満津岡信育が受け持ち、青澤唯夫、大木正純、広瀬大介、喜多尾道冬、小宮正安等が名を連ね、さらには岡田暁生が寄稿するといったものだ。この音楽祭がいかに世に認められているかのひとつの証左とも言える。昨年8月29日には天皇、皇后両陛下も会場に姿を見せられた。
ところで交響詩のあとは何を採るか。3つの器樂ソナタを挙げよう。
17歳に作曲したピアノ・ソナタ ロ短調作品5、19歳に作曲したチェロ・ソナタ ヘ長調作品6、そして24歳の時のヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調作品18。彼はピアノ、チェロ、ヴァイオリンのソナタを若い時期に1曲ずつ残した。そのいずれも実に堂々としたもので、当時の彼が影響を受けた、ブラームスやシューマン、メンデルスゾーン、チェロソナタにおいてはワーグナーに至るまでの足跡が鮮明に浮かび上がらせるから面白い。たしかに部分的には先人達を手本としたところもあるが、曲全体を通しては、まさに若きシュトラウスの音楽そのものである。
この中ではヴァイオリン・ソナタが一番好きだ。若さゆえの力強さだけでなく、華やかさと愁いに満ちた秀作である。これら3曲、草津の音楽祭でもプログラムに上った。
【第88巻】ロマン派最末期の巨星
R・シュトラウス :Ⅱ
このシリーズ記事、前回からR・シュトラウスを採りあげたが、どうしたわけか5月20日以来、随分と間隔が空いてしまった。奇しくも先週訪れた草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルの今年のテーマは「リヒャルト・シュトラウス生誕150周年~ミュンヒェン、ウィーン、ドレスデン~であった。このフェスティヴァルでのコンサートは17日のオープニングから30日までの2週間毎夕繰りひろげられる。室内楽を中心にR・シュトラウスの作品が次々と披露される。
オーボエ協奏曲 ニ長調 TrV292 ピアノ・ソナタ ロ短調 作品5 TrV103 チェロ・ソナタ ヘ長調 作品6 TrV115 アンダンテ ハ長調 TrV155(トロンボーン版) ヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調 作品18 TrV151 ピアノ三重奏曲 第1番 イ長調 TrV53 クラリネットとファゴットのための二重小協奏曲 ヘ長調 TrV293 協奏曲 第1番 変ホ長調作品11 TrV117(原曲:ホルン協奏曲) ワルツ~オペラ『バラの騎士』作品59 TrV227a 5つのピアノ小品 作品3 TrV105より 第3曲 ハ短調 間奏曲/トロイメライ ~「5つの情緒のある風景」作品9 TrV127より第3曲、第4曲 フーガ ~「14の即興曲とフーガ」TrV130より(4手連弾版) ロマンツェ 変ホ長調 TrV80 海辺の思い(ロマンツェ)作品12 弦楽四重奏曲 イ長調 作品2 TrV95 ピアノ四重奏曲 ハ短調 作品13 TrV137 メタモルフォーゼン TrV290(弦楽七重奏版:R.レオポルト編曲) それにジェンマ・.ベルタニョッリによる歌曲の数々・・
ところで交響詩のあとは何を採るか。3つの器樂ソナタを挙げよう。
17歳に作曲したピアノ・ソナタ ロ短調作品5、19歳に作曲したチェロ・ソナタ ヘ長調作品6、そして24歳の時のヴァイオリン・ソナタ 変ホ長調作品18。彼はピアノ、チェロ、ヴァイオリンのソナタを若い時期に1曲ずつ残した。そのいずれも実に堂々としたもので、当時の彼が影響を受けた、ブラームスやシューマン、メンデルスゾーン、チェロソナタにおいてはワーグナーに至るまでの足跡が鮮明に浮かび上がらせるから面白い。たしかに部分的には先人達を手本としたところもあるが、曲全体を通しては、まさに若きシュトラウスの音楽そのものである。
この中ではヴァイオリン・ソナタが一番好きだ。若さゆえの力強さだけでなく、華やかさと愁いに満ちた秀作である。これら3曲、草津の音楽祭でもプログラムに上った。
by kirakuossan
| 2014-08-24 19:56
| 偏見版「倶楽シック全集」(完)
|
Trackback