2013年 12月 11日
「第九」の季節です。 第三弾 |
2013年12月11日(水)
「第九」をNMLで聴き比べ。
ええーい、一気に行ってしまおう。
ヘッセン放送交響楽団
指揮:ディーン・ディクソン(1962年4月:ライヴ)
このディスクの話題は何といっても惜しまれて早世した名テノール歌手フリッツ・ウンダーリッヒ(写真)と日本人ソプラノ歌手矢野滋(やのしげ)。その点に絞って試聴することが肝要である。ウンダーリッヒの若々しい歌声が聴ける。演奏全体は無難である。
(64:57)
アニマ・エテルナ管弦楽団
指揮:ジョス・ファン・インマゼール(2007年4月)
古楽器を使用、声楽陣はソリスト4人に加えて、合唱のパートは各6人ずつのわずか24人を均等に左右に配置した珍しい構成。さらにトルコ風パーカッション3人が加わっている。
(65:22)
マンチェスター・カメラータ
指揮:ダグラス・ボイド(2011年1月:ライヴ)
ボイドはヨーロッパ室内管弦楽団の首席オーボエ奏者であったが、最近では指揮に専任。噂ではオーボエはそんなに上手くはなかったそうだ。でも指揮ぶりは名古屋フィルでも振ったが好評であったらしい。この演奏? 可もなく不可もなく。
(64:33)
パドヴァ・エ・デル・ヴェネト管弦楽団
指揮:ペーター・マーク(不明:ライヴ)
地に足のついた正統派の「第九」だ。マークのベートーヴェンってピンとこないが手堅い演奏。ちょっと出だしのモッタラ感は気になったが..でも最終楽章は素晴らしく、美しい。オケは全く知らないな。何度聞いても覚えられそうにない名前だが、イタリアのオーケストラとだけは分った。(71:53) 第四楽章
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:ジョージ・セル(1968年11月)
セルのクリーヴランド管以外での「第九」は意外。しかもイギリスに乗りこんで、クレンペラーのニューフィルで第九とは良い度胸だ。フィルハーモニーの上手さは、今春の演奏会で聴き経験済みだが、さすがにセルを迎えてクリーヴランドに劣らないアンサンブルを聴かせてくれる。(69:20)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:トーマス・ビーチャム(1956年8月)
ビーチャムの「第九」というのもこれまた珍しい。おそらくこのディスクが唯一のものだろう。もうビーチャム卿ともなれば、どこがどうなの、上手いだの下手だの、関係ありません。聴けるだけでよいのです。ちょっと持ちあげすぎか。
(67:05)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:ラファエル・クーベリック (1974年1月:ライヴ)
クレンペラーの追悼コンサートでの「第九」。追悼というだけあって最初から気合いが感じられる。じっくり丁寧に進めていくところなんかがその表れだろう。この演奏会で先に「フリーメイソンのための葬送音楽」もあって、胸が熱くなる凄い演奏だったと記録にある。(70:32) 「フリーメイソンのための葬送音楽」
フィルハーモニア管弦楽団
指揮:オットー・クレンペラー(1960年6月:ライヴ)
そこでご当人クレンペラーの「第九」。録音は幾分古いが、持ち味の重厚感は十分に伝わってくる。ウィーン楽友協会合唱団が抜群に上手いし、ここでもフリッツ・ウンダーリッヒがテノールを受け持つ。「歓喜の主題」の弦の演奏など惚れ惚れと聴く。これこそ「第九」の定番といえる演奏ですな。(70:14)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クラウス・テンシュテット(1985年9月:ライヴ)
スケールの大きい演奏。録音も臨場感が良く出し、左右の分離がとくに明確なため、余計に拡がりを感じさせる。第三楽章が美しい、しっとりと聴かせる。特に3小節目から弦楽器により静かに歌いだされる第一主題の清澄な響きは最大の聴きどころ。最後の追い込みも見事。(67:47) 清澄な響きの第九
スウェーデン室内管弦楽団
指揮:トマス・ダウスゴー(2009年?)
第1楽章から一切の無駄を削いだ演奏、そうかと言って冷たさはない、もったいぶるところがなく淡々と進んでゆく。それはすべて最終楽章の歓喜の主題に凝縮させるためでもあるのだ。実に美しい主題だ、久々に清々しい第九を聴き、心地よい満足感に浸れる。(62:25) 満足感に浸れる第九
ラ・シャンブル・フィルハーモニク
指揮:エマニュエル・クリヴィヌ(不明)
CDのパッケージからして珍しい。ちょっと垢ぬけしたスマートな 「第九」、さすが”フランスの香り”がするのは気のせいだろうか。音色の強弱の出し入れや、ティンパニの響きの明るさ、ファゴットなどの木管の茶目っけある音色...やはり”フランス的”ということにしておこう。(63:14)
シュターツカペレ・ドレスデン
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット(1985年3月:ライヴ)
ゼンパーオーパー再建記念「第九」。第三楽章ではシュターツカペレ・ドレスデンの緻密で美しいアンサンブルを十分に堪能できる一枚。半世紀近くを経て再建された劇場の記念公演ということもあってか、指揮者もオケも気合いが入っている。これこそドイツの音楽。クリヴィヌ盤とは好対照。(71:33)
これでもまだおさまりきらない。ではまた明日。
「第九」をNMLで聴き比べ。
ええーい、一気に行ってしまおう。
ヘッセン放送交響楽団
指揮:ディーン・ディクソン(1962年4月:ライヴ)
このディスクの話題は何といっても惜しまれて早世した名テノール歌手フリッツ・ウンダーリッヒ(写真)と日本人ソプラノ歌手矢野滋(やのしげ)。その点に絞って試聴することが肝要である。ウンダーリッヒの若々しい歌声が聴ける。演奏全体は無難である。
(64:57)
アニマ・エテルナ管弦楽団
指揮:ジョス・ファン・インマゼール(2007年4月)
古楽器を使用、声楽陣はソリスト4人に加えて、合唱のパートは各6人ずつのわずか24人を均等に左右に配置した珍しい構成。さらにトルコ風パーカッション3人が加わっている。
(65:22)
マンチェスター・カメラータ
指揮:ダグラス・ボイド(2011年1月:ライヴ)
ボイドはヨーロッパ室内管弦楽団の首席オーボエ奏者であったが、最近では指揮に専任。噂ではオーボエはそんなに上手くはなかったそうだ。でも指揮ぶりは名古屋フィルでも振ったが好評であったらしい。この演奏? 可もなく不可もなく。
(64:33)
パドヴァ・エ・デル・ヴェネト管弦楽団
指揮:ペーター・マーク(不明:ライヴ)
地に足のついた正統派の「第九」だ。マークのベートーヴェンってピンとこないが手堅い演奏。ちょっと出だしのモッタラ感は気になったが..でも最終楽章は素晴らしく、美しい。オケは全く知らないな。何度聞いても覚えられそうにない名前だが、イタリアのオーケストラとだけは分った。(71:53) 第四楽章
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:ジョージ・セル(1968年11月)
セルのクリーヴランド管以外での「第九」は意外。しかもイギリスに乗りこんで、クレンペラーのニューフィルで第九とは良い度胸だ。フィルハーモニーの上手さは、今春の演奏会で聴き経験済みだが、さすがにセルを迎えてクリーヴランドに劣らないアンサンブルを聴かせてくれる。(69:20)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:トーマス・ビーチャム(1956年8月)
ビーチャムの「第九」というのもこれまた珍しい。おそらくこのディスクが唯一のものだろう。もうビーチャム卿ともなれば、どこがどうなの、上手いだの下手だの、関係ありません。聴けるだけでよいのです。ちょっと持ちあげすぎか。
(67:05)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
指揮:ラファエル・クーベリック (1974年1月:ライヴ)
クレンペラーの追悼コンサートでの「第九」。追悼というだけあって最初から気合いが感じられる。じっくり丁寧に進めていくところなんかがその表れだろう。この演奏会で先に「フリーメイソンのための葬送音楽」もあって、胸が熱くなる凄い演奏だったと記録にある。(70:32) 「フリーメイソンのための葬送音楽」
フィルハーモニア管弦楽団
指揮:オットー・クレンペラー(1960年6月:ライヴ)
そこでご当人クレンペラーの「第九」。録音は幾分古いが、持ち味の重厚感は十分に伝わってくる。ウィーン楽友協会合唱団が抜群に上手いし、ここでもフリッツ・ウンダーリッヒがテノールを受け持つ。「歓喜の主題」の弦の演奏など惚れ惚れと聴く。これこそ「第九」の定番といえる演奏ですな。(70:14)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:クラウス・テンシュテット(1985年9月:ライヴ)
スケールの大きい演奏。録音も臨場感が良く出し、左右の分離がとくに明確なため、余計に拡がりを感じさせる。第三楽章が美しい、しっとりと聴かせる。特に3小節目から弦楽器により静かに歌いだされる第一主題の清澄な響きは最大の聴きどころ。最後の追い込みも見事。(67:47) 清澄な響きの第九
スウェーデン室内管弦楽団
指揮:トマス・ダウスゴー(2009年?)
第1楽章から一切の無駄を削いだ演奏、そうかと言って冷たさはない、もったいぶるところがなく淡々と進んでゆく。それはすべて最終楽章の歓喜の主題に凝縮させるためでもあるのだ。実に美しい主題だ、久々に清々しい第九を聴き、心地よい満足感に浸れる。(62:25) 満足感に浸れる第九
ラ・シャンブル・フィルハーモニク
指揮:エマニュエル・クリヴィヌ(不明)
CDのパッケージからして珍しい。ちょっと垢ぬけしたスマートな 「第九」、さすが”フランスの香り”がするのは気のせいだろうか。音色の強弱の出し入れや、ティンパニの響きの明るさ、ファゴットなどの木管の茶目っけある音色...やはり”フランス的”ということにしておこう。(63:14)
シュターツカペレ・ドレスデン
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット(1985年3月:ライヴ)
ゼンパーオーパー再建記念「第九」。第三楽章ではシュターツカペレ・ドレスデンの緻密で美しいアンサンブルを十分に堪能できる一枚。半世紀近くを経て再建された劇場の記念公演ということもあってか、指揮者もオケも気合いが入っている。これこそドイツの音楽。クリヴィヌ盤とは好対照。(71:33)
これでもまだおさまりきらない。ではまた明日。
by kirakuossan
| 2013-12-11 08:08
| クラシック
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