2013年 06月 06日
ピアニスト列伝―1 ディヌ・リパッティ |
2013年6月6日(木)
ピアノはほかの楽器に比べて新しい。その歴史はまだ300年あまり、1700年ぐらいからのものである。それも最初はチェンバロに強弱の音が出るように工夫されたもので、強弱、すなわちフォルテ・ピアノと呼んだ。
バッハやスカルラッティに始まり、モーツァルト 、ベートーヴェン、リスト、そしてブラームス・・・大作曲家はみな大ピアニストでもあった。彼らの演奏がどんなものであったか知る術はないが、当時の聴衆たちの感動を書き遺したものから想像するのも別の愉しみ方である。あれほどまでに優れたピアノ曲を後世に残したぐらいの作曲家なのだから、その演奏は細微にわたり光放っていたであろう。
この「ピアニスト列伝」・・・最初のピアニストは、たとえ短い人生であっても、彼の放った光は、今もなお語り継がれている。”透明な音色”を紡ぎだしたディヌ・リパッティから始めよう。
ディヌ・リパッティ(Dinu Lipatti, 1917ブカレスト~1950ジュネーヴ)
ルーマニアのピアニスト。リパッティのレパートリーは決して広くはない。そんななかで定評があったのは、バッハ、モーツァルト 、ショパン・・・と王道をゆくピアノ曲であった。
彼はピアノをコルトーに、作曲をデュカスやルーセルに、指揮をミュンシュに学んだ。もともと病弱であった彼はヨーロッパ各地でコンサートを活発に行なっていた矢先に不治の病を知り、演奏活動を制限し、レコーディングを主体として演奏を続けた。その名演の遺産が少なからず遺された。
とくにモーツァルト やショパンでの”端正”で”透明感”のある美しさは絶品とされる。
1950年9月、最後のブザンソンでのリサイタルの模様を記録したディスクを聴いている。ここでもやはりバッハであり、モーツァルト であり、シューベルト、そしてショパンであった。ショパンのワルツの最後の演目であった第2番「華麗なる円舞曲」は疲労困憊して弾くことが出来なかった。それから2か月ちょっとしてわずか33歳でこの世を去った。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:
パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
ディヌ・リパッティ - Dinu Lipatti (ピアノ)
16 September 1950, Besancon (Salle du parlement)
彼のショパンの「ワルツ」はとくに有名で全14曲を、自分なりに並べ替えて演奏をした。ブザンソンのリサイタルでも第2番を最後の曲目としていたが、聞けなかった。ここではその2か月前7月の演奏での第2番である。
フレデリック・ショパン :
ワルツ第2番 変イ長調 「華麗なる円舞曲」 Op. 34 No. 1
ピアノはほかの楽器に比べて新しい。その歴史はまだ300年あまり、1700年ぐらいからのものである。それも最初はチェンバロに強弱の音が出るように工夫されたもので、強弱、すなわちフォルテ・ピアノと呼んだ。
バッハやスカルラッティに始まり、モーツァルト 、ベートーヴェン、リスト、そしてブラームス・・・大作曲家はみな大ピアニストでもあった。彼らの演奏がどんなものであったか知る術はないが、当時の聴衆たちの感動を書き遺したものから想像するのも別の愉しみ方である。あれほどまでに優れたピアノ曲を後世に残したぐらいの作曲家なのだから、その演奏は細微にわたり光放っていたであろう。
この「ピアニスト列伝」・・・最初のピアニストは、たとえ短い人生であっても、彼の放った光は、今もなお語り継がれている。”透明な音色”を紡ぎだしたディヌ・リパッティから始めよう。
ルーマニアのピアニスト。リパッティのレパートリーは決して広くはない。そんななかで定評があったのは、バッハ、モーツァルト 、ショパン・・・と王道をゆくピアノ曲であった。
彼はピアノをコルトーに、作曲をデュカスやルーセルに、指揮をミュンシュに学んだ。もともと病弱であった彼はヨーロッパ各地でコンサートを活発に行なっていた矢先に不治の病を知り、演奏活動を制限し、レコーディングを主体として演奏を続けた。その名演の遺産が少なからず遺された。
とくにモーツァルト やショパンでの”端正”で”透明感”のある美しさは絶品とされる。
1950年9月、最後のブザンソンでのリサイタルの模様を記録したディスクを聴いている。ここでもやはりバッハであり、モーツァルト であり、シューベルト、そしてショパンであった。ショパンのワルツの最後の演目であった第2番「華麗なる円舞曲」は疲労困憊して弾くことが出来なかった。それから2か月ちょっとしてわずか33歳でこの世を去った。
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ:
パルティータ第1番 変ロ長調 BWV 825
ディヌ・リパッティ - Dinu Lipatti (ピアノ)
16 September 1950, Besancon (Salle du parlement)
彼のショパンの「ワルツ」はとくに有名で全14曲を、自分なりに並べ替えて演奏をした。ブザンソンのリサイタルでも第2番を最後の曲目としていたが、聞けなかった。ここではその2か月前7月の演奏での第2番である。
フレデリック・ショパン :
ワルツ第2番 変イ長調 「華麗なる円舞曲」 Op. 34 No. 1
by kirakuossan
| 2013-06-06 06:50
| ピアニスト列伝
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