2013年 05月 07日
指揮者100選☆39 ケーゲル |
2013年5月7日(火)
ヘルベルト・ケーゲル(Herbert Kegel, 旧東ドイツ 1920~1990)
今日ドレスデン・フィルの演奏会のチケットを確保したが、ヨーロッパの一流オーケストラの一角を占めるわりには、チケット料金は意外と安い。指揮者にもよるのだろうが、S席はなく最高のA席でも12.000円どまりだ。同じころに演奏会のあるプラハ放送交響楽団(指揮:オンドレイ・レナルト)クラスと同じではおかしいではないか。先月に来た佐渡裕指揮のBBCフィルハーモニックで23.000~7.000円、これは明らかに取り過ぎ。3月のベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団にいたっては26.000~13.000円、D席の13.000円は、ドレスデン・フィルのA席12.000円より高いとは考えられない。最初、ロンドン交響楽団の演奏会にも行こうと思ったが、高い席しか残っていなかったので、しかもハイティンクは2回も聴いていることもあってやめた。11月にあるクリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は41.000円~9.000円、そのあと同月に来るサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にいたっては45.000~16.000円と、このあたりは別格である。まさにオペラのチケット並みだ。以前にウィーン・フィルもベルリン・フィルも聴きに行ったことがあるが、演奏の内容とチケットの高さは必ずしも一致しない。今日買ったドレスデン・フィルのB席10.000円は断然お得と言える。
最初から話はそれたが、ドレスデン・フィルといえば何と言っても、指揮者ヘルベルト・ケーゲルである。彼は、1956年アーベントロートの死去に伴い、引き継ぎ22年間ライプツィヒ放送交響楽団の首席指揮者となり、その後ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者となった。1979年に初来日し、その後も何度か訪れてN響を振ったりもしている。旧東ドイツであった彼は東西ドイツの統一に失望、将来を絶望してピストル自殺をして自らの命を絶った。死の前年、ドレスデン・フィルを率いて来日したのが最後となった。このときのベートーヴェン「田園」はCDにもなっているが、いわくつきの演奏であったようだ。許光俊がライナーノートで書いている。あまりにもユニークな田園に対しては「美の人工楽園」と語り、2楽章も「甘美な陶酔感から一転、強い悲哀をにじませながら閉じられるのである。その唐突さには、びっくりさせられる」と驚き。美しいはずの最終楽章も「また思い掛けないことが起きる。8分過ぎから止まらんばかりに速度が落ち、突如自分が終らなければならないことに恐怖し必死になって音符にしがみついてるようだ」と。
☆演奏スタイルは・・・
彼の音楽は、極めて緻密で繊細かと思うと、突如度肝を抜くような大胆な表現を見せることもある。いわゆる少し玄人肌のようなケーゲルファンというのがいて、そういった彼の演奏スタイルに惚れ込み、職人芸的な表現力と評価する。正直、僕が聴く限りにおいては、そのあたりのことはあまりピンとこない。
☆録音は・・・
独自の解釈として評価が高いのが、ドレスデン・フィルとのベートーヴェン交響曲全集だ。なにも奇抜なものでは決してなく、かえって律儀な演奏ぶりに思える。他にベルリオーズの「幻想」、マーラーの第1番などの名演がある。
☆私見・・・
どこで聞いたか、彼の「アルルの女」組曲は絶品であることを知った。確かにほかにはない独特の南フランスの香りがするビゼーである。とくに組曲第2番は傑出の出来で、II. Intermezzoは胸に迫るほど泣けるし、III. Minuettoは心の琴線に触れる音楽である。この部分を何度繰り返し聴いたことか。僕にとっては、これだけでケーゲルの存在がいつまでも残るのである。
Minuetto
☆Myライブラリーより・・・
ビゼー;
「アルルの女」 組曲第1番
子供の遊び(管弦楽小組曲)
「カルメン」よる前奏曲
「アルルの女」 組曲第2番
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
今日ドレスデン・フィルの演奏会のチケットを確保したが、ヨーロッパの一流オーケストラの一角を占めるわりには、チケット料金は意外と安い。指揮者にもよるのだろうが、S席はなく最高のA席でも12.000円どまりだ。同じころに演奏会のあるプラハ放送交響楽団(指揮:オンドレイ・レナルト)クラスと同じではおかしいではないか。先月に来た佐渡裕指揮のBBCフィルハーモニックで23.000~7.000円、これは明らかに取り過ぎ。3月のベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団にいたっては26.000~13.000円、D席の13.000円は、ドレスデン・フィルのA席12.000円より高いとは考えられない。最初、ロンドン交響楽団の演奏会にも行こうと思ったが、高い席しか残っていなかったので、しかもハイティンクは2回も聴いていることもあってやめた。11月にあるクリスティアン・ティーレマン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団は41.000円~9.000円、そのあと同月に来るサイモン・ラトル指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団にいたっては45.000~16.000円と、このあたりは別格である。まさにオペラのチケット並みだ。以前にウィーン・フィルもベルリン・フィルも聴きに行ったことがあるが、演奏の内容とチケットの高さは必ずしも一致しない。今日買ったドレスデン・フィルのB席10.000円は断然お得と言える。
最初から話はそれたが、ドレスデン・フィルといえば何と言っても、指揮者ヘルベルト・ケーゲルである。彼は、1956年アーベントロートの死去に伴い、引き継ぎ22年間ライプツィヒ放送交響楽団の首席指揮者となり、その後ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者となった。1979年に初来日し、その後も何度か訪れてN響を振ったりもしている。旧東ドイツであった彼は東西ドイツの統一に失望、将来を絶望してピストル自殺をして自らの命を絶った。死の前年、ドレスデン・フィルを率いて来日したのが最後となった。このときのベートーヴェン「田園」はCDにもなっているが、いわくつきの演奏であったようだ。許光俊がライナーノートで書いている。あまりにもユニークな田園に対しては「美の人工楽園」と語り、2楽章も「甘美な陶酔感から一転、強い悲哀をにじませながら閉じられるのである。その唐突さには、びっくりさせられる」と驚き。美しいはずの最終楽章も「また思い掛けないことが起きる。8分過ぎから止まらんばかりに速度が落ち、突如自分が終らなければならないことに恐怖し必死になって音符にしがみついてるようだ」と。
☆演奏スタイルは・・・
彼の音楽は、極めて緻密で繊細かと思うと、突如度肝を抜くような大胆な表現を見せることもある。いわゆる少し玄人肌のようなケーゲルファンというのがいて、そういった彼の演奏スタイルに惚れ込み、職人芸的な表現力と評価する。正直、僕が聴く限りにおいては、そのあたりのことはあまりピンとこない。
☆録音は・・・
独自の解釈として評価が高いのが、ドレスデン・フィルとのベートーヴェン交響曲全集だ。なにも奇抜なものでは決してなく、かえって律儀な演奏ぶりに思える。他にベルリオーズの「幻想」、マーラーの第1番などの名演がある。
☆私見・・・
どこで聞いたか、彼の「アルルの女」組曲は絶品であることを知った。確かにほかにはない独特の南フランスの香りがするビゼーである。とくに組曲第2番は傑出の出来で、II. Intermezzoは胸に迫るほど泣けるし、III. Minuettoは心の琴線に触れる音楽である。この部分を何度繰り返し聴いたことか。僕にとっては、これだけでケーゲルの存在がいつまでも残るのである。
Minuetto
☆Myライブラリーより・・・
ビゼー;
「アルルの女」 組曲第1番
子供の遊び(管弦楽小組曲)
「カルメン」よる前奏曲
「アルルの女」 組曲第2番
ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団
ヘルベルト・ケーゲル(指揮)
by kirakuossan
| 2013-05-07 14:04
| 指揮者100選(完)
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