2013年 03月 23日
世界のオーケストラ/第8回<ミュンヘン・フィル> ”ドイツ音楽の真髄” |
2013年3月23日(土)
ミュンヘン・フィルハーモニ管弦楽団
120年前の1893年にカイム管弦楽団(創設者の名)として創設、1908年にコンツェルト・フェライン管弦楽団、1928年に今の名になった。4代目の指揮者フェリックス・ワインガルトナーが名声を高めた。マーラーの演奏上においても重要なコンサートを行ったオーケストラで、マーラー自身の指揮で第4番を1901年に初演、10年に第8番、さらに11年にはブルノー・ワルターの指揮で「大地に歌」が初演された。
戦後、同じミュンヘンに新設されたバイエルン放送交響楽団に後塵を拝するようなかたちになったが、再び実力をつけ、注目される土台を築いたのは、やはり1967年から10年のルドルフ・ケンペ、続く1979年から18年の長きにおよぶセルジュ・チェリビダッケのふたりだろう。それはケンペとのベートーヴェンやブラームスの交響曲全集を耳にすればその実力のほどが十分に理解できる。さらにチェリビダッケとは大量の録音を残した。そもそも昔は録音を嫌い、”幻の指揮者”といわれるほど耳にすることが希少だった彼の演奏が、堰を切ったように世に出てそのものすべてが晩年のチェリビダッケの遺産ともなった。あの超スローテンポの音楽、極端にゆったりしたフレーズの連続、並みのオケでは耐えられないだろう。
その後の首席指揮者の影響もあってフランス・オペラなどの演奏もするようになるが、このオーケストラの真髄はマーラーやブルックナーに代表される骨太の”ドイツ=オーストリア音楽”である。喜ばしいことに ロリン・マゼールが昨年より首席に就いた。彼の指揮により、またクラシック音楽の王道を聴かせてくれることだろうと期待している。そのこともあって、4月新装成る大阪・フェスティバルホールでのブルックナーは大いに楽しみにしている。
初来日は1972年、当初バーツラフ・ノイマンが一緒に来日する予定だったが出国許可が下りなかったために急遽<ナチ党員でもあった>フリッツ・リーガーとともにやってくる。大阪での演奏は公演の最終日で同じフェスティバルホールで2月16日に行なわれた。
ベートーヴェン:レオノーレ第3番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番(ピアノ/ハンス・リヒター・ハウザー)
ブラームス:交響曲第2番
そしてこの3日後にあの「浅間山荘事件」が起きる。
40年後同じフェスティバルホール、このオーケストラのドイツ音楽の真髄をしかと確かめたい。
歴代指揮者
1893–1895 ハンス・ヴィンデルシュテイン
1895–1897 ヘルマン・ツンペ
1897–1898 フェルディナント・レーヴェ
1898–1905 フェリックス・ワインガルトナー
1905–1908 イェオリ・シュネーヴォイクト
1908–1914 フェルディナント・レーヴェ
1919–1920 ハンス・プフィッツナー
1920–1938 ジークムント・フォン・ハウゼッガー
1938–1944 オズヴァルト・カバスタ
1945–1948 ハンス・ロスバウト
1949–1966 フリッツ・リーガー
1967–1976 ルドルフ・ケンペ
1979–1996 セルジュ・チェリビダッケ
1999–2004 ジェイムズ・レヴァイン
2004–2011 クリスティアン・ティーレマン
2012-2015 ロリン・マゼール
(予定)2015-ワレリー・ゲルギエフ
ミュンヘン・フィルハーモニ管弦楽団
120年前の1893年にカイム管弦楽団(創設者の名)として創設、1908年にコンツェルト・フェライン管弦楽団、1928年に今の名になった。4代目の指揮者フェリックス・ワインガルトナーが名声を高めた。マーラーの演奏上においても重要なコンサートを行ったオーケストラで、マーラー自身の指揮で第4番を1901年に初演、10年に第8番、さらに11年にはブルノー・ワルターの指揮で「大地に歌」が初演された。
戦後、同じミュンヘンに新設されたバイエルン放送交響楽団に後塵を拝するようなかたちになったが、再び実力をつけ、注目される土台を築いたのは、やはり1967年から10年のルドルフ・ケンペ、続く1979年から18年の長きにおよぶセルジュ・チェリビダッケのふたりだろう。それはケンペとのベートーヴェンやブラームスの交響曲全集を耳にすればその実力のほどが十分に理解できる。さらにチェリビダッケとは大量の録音を残した。そもそも昔は録音を嫌い、”幻の指揮者”といわれるほど耳にすることが希少だった彼の演奏が、堰を切ったように世に出てそのものすべてが晩年のチェリビダッケの遺産ともなった。あの超スローテンポの音楽、極端にゆったりしたフレーズの連続、並みのオケでは耐えられないだろう。
その後の首席指揮者の影響もあってフランス・オペラなどの演奏もするようになるが、このオーケストラの真髄はマーラーやブルックナーに代表される骨太の”ドイツ=オーストリア音楽”である。喜ばしいことに ロリン・マゼールが昨年より首席に就いた。彼の指揮により、またクラシック音楽の王道を聴かせてくれることだろうと期待している。そのこともあって、4月新装成る大阪・フェスティバルホールでのブルックナーは大いに楽しみにしている。
初来日は1972年、当初バーツラフ・ノイマンが一緒に来日する予定だったが出国許可が下りなかったために急遽<ナチ党員でもあった>フリッツ・リーガーとともにやってくる。大阪での演奏は公演の最終日で同じフェスティバルホールで2月16日に行なわれた。
ベートーヴェン:レオノーレ第3番
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番(ピアノ/ハンス・リヒター・ハウザー)
ブラームス:交響曲第2番
そしてこの3日後にあの「浅間山荘事件」が起きる。
40年後同じフェスティバルホール、このオーケストラのドイツ音楽の真髄をしかと確かめたい。
歴代指揮者
1893–1895 ハンス・ヴィンデルシュテイン
1895–1897 ヘルマン・ツンペ
1897–1898 フェルディナント・レーヴェ
1898–1905 フェリックス・ワインガルトナー
1905–1908 イェオリ・シュネーヴォイクト
1908–1914 フェルディナント・レーヴェ
1919–1920 ハンス・プフィッツナー
1920–1938 ジークムント・フォン・ハウゼッガー
1938–1944 オズヴァルト・カバスタ
1945–1948 ハンス・ロスバウト
1949–1966 フリッツ・リーガー
1967–1976 ルドルフ・ケンペ
1979–1996 セルジュ・チェリビダッケ
1999–2004 ジェイムズ・レヴァイン
2004–2011 クリスティアン・ティーレマン
2012-2015 ロリン・マゼール
(予定)2015-ワレリー・ゲルギエフ
by kirakuossan
| 2013-03-23 05:31
| 世界のオーケストラ
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